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つぶ子♪

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2006.02.07
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カテゴリ:ちきゅう
「なんで 夜回りを するの?
 なんで おにぎりを わたすの?
 なんで みそしるを わたすの?
 なんで 外で寝なあかんの?

 おっちゃんは 朝の4時から
 仕事求めて センターへ
 昼間から お酒を飲むのは
 仕事に あぶれたからや

 若いときには ばりばりと
 働いて 稼いできたけれど
 年とると 仕事にもありつけん
 外で 寝るしかない

 すこし さみしくて
 ちょっと かなしくて
 とても ちむぐるしい」


これは、日本最大の野宿生活者の街‘釜ヶ崎’(大阪市西成区の一角)にある「こどもの里」の子どもたちが‘夜まわり’に行く前に、必ずうたう歌です。(これは一番の歌詞で、この後、歌は5番くらいまで続きます。)


‘こども夜まわり’は、子どもたちが自らの地域を知り、誇りを持って生きていけるように、寒い冬の夜に野宿している方たちを訪ねて、野宿者と子どもたちが出会う場です。
大人と子どもが数人ずつ班になり、いくつかのコースに分かれて地域を歩いて回ります。
病気や怪我のある方には医療を受けられるようにし、また生活相談が必要な人には後日「こどもの里」に来てもらうようお話したり、寒い人には毛布を配り、お腹が空いている人にはおにぎりとお味噌汁を渡しています。
おにぎりは、夜回り前に子どもと大人が一緒に何百個もにぎります。
そして道中のテントや小屋などすべてを見回り、凍死している人がいないかということも確認します。

毛布やおにぎりを渡すのが目的ではなく、おっちゃんの生活や仕事のこと、家族のことなど、そして襲撃に合ったりしていないかというお話を聞くことを大切にしています。



* * * * * * * * * *


先日、大阪市のうつぼ公園でホームレステント強制撤去が行われたという話を、友人からのメールで知りました。
とても複雑な気持ちでした。

行政がまた自分たちの都合で、野宿しているおっちゃん・おばちゃんたちを追い払ったのかな・・・
自分たちの管轄からいなくなればいいだけなのかな・・・
わざわざ、この寒い冬のさなかに撤去しなくてもいいじゃないか。。

このニュースについて調べてみました。
予想は的中。
近々この公園でイベントが行われるから、と言うことでした。
行政はいつもこういう表面的な対応しかしない。
野宿者問題について真剣に取り組もうという姿勢は見られません。


私はこのニュースを含め、野宿しているおっちゃんたちのことをブログで伝えたいと思いました。
そしてこの日記を書く前に、他の方々がどのようにこのニュースを受け取ったのか知りたくて、たくさんの方のブログを拝見しました。
正直なところ、ショックでした。。
そのほとんどが、おっちゃんたちを排除しているかのような文脈だったからです。
支援者に対する批判もたくさんありました。

「ホームレス」という言葉そのものが、汚い・怖い・危ない・怠け者と言うような印象を与えるのかもしれません。
それに、おっちゃん・おばちゃんの外見だけで人格まで決めていることも多いと思います。
でも・・・
野宿している人はゴミでもないし、悪い人でもないし、排除すべき存在でもありません。
そして、野宿者を支援している人は「野宿することを肯定している」わけではありません。

なぜ、大阪に野宿者が集まってくるのか?そして増えているのか?

日本の歴史を振り返ってみれば分かることです。
彼らは、高度成長期には日本社会の底辺を支えた労働者でした。
私たちが現在送っているこの快適な生活は、彼らの労働力なしでは成り立っていないのです。
便利な交通機関も、高層ビル群も、おっちゃんたちがやった仕事は私たちの生活すべてに関わっています。
それがバブルの崩壊と共に、仕事もなくなり相手にされなくなっていったのです。
危険な仕事をやらされて怪我をしたり病気になったりして、雇ってもらえなくなった人も大勢います。
不況になった現在、若い世代にも野宿を強いられる人が増えています。

野宿者は日本の負の財産だと思います。

私たち一人ひとりが野宿者問題を知り、解決への道を探っていかなければならないのです。



* * * * * * * * * *


私は大学時代に一年間学校を休学して、‘釜ヶ崎’で暮らしていました。
日本社会の最底辺を生きる人々を少しでも理解したかったから。
学校では教えない、日本の隠された現実を知りたかったから。
そして‘釜ヶ崎’に生きる子どもたちに出会いたかったから。

そこで出会ったおっちゃん・おばちゃんたちは、決して怖くはないし、危なくもないし、悪い人でもありませんでした。
私自身、おっちゃんたちから危害を加えられたりしたことは一度もありません。
むしろ人間的で暖かく、いろいろな話を聞かせてくれました。

子どもたちにも優しい人がほとんどです。
なぜなら、おっちゃんたちにも家族がいる人が多いからです。
でも失業して、家族の元へ帰れなくなった、けれど妻のこと子どものことをとても大切に想っています。
それに、子どもたちもおっちゃんに対してとても優しいのです。

夜回りでおっちゃん・おばちゃんたちのお話を聞いていくと、野宿者をゴミ扱いし、襲撃している人がとても多いことに驚きました。
ニュースになるのはほんの一部です。
日常的に襲撃はあるようです。
寝ているダンボールを蹴ったり、危険なものを投げつけたり・・・
子どもや若者だけではありません、「定職についている立派な」大人もです。



「こどもの里」の子どもたちの中には、父親が行方不明の子も何人かいます。
いても、車内生活者(車を寝床にしていて住所不定)であったり、日雇い労働者であったり(単に日給制ということではない。毎朝仕事を探し、その場で契約を結ぶ。明日仕事が見つかるかは分からないという不安定な状況。または空き缶やダンボール集めをして、その日暮らしのお金を稼いでいる)、拘留中であったりして、一緒には暮らせません。
子どもたちは、その現実を受け止めています。
そして夜まわりに参加しているのです。


書きたいことはたくさんありますが、今日はここでやめます。。
うまく伝えられる自信はありませんが、私の経験から正直な気持ちを書きました。

この日記では、‘釜ヶ崎’で暮らす野宿者のことを「こどもの里」の子どもたちが呼ぶのと同じように「おっちゃん・おばちゃん」と呼びました。
私が出会った釜ヶ崎の人たちのことを想いながら。



最後に、読売新聞の記事を掲載しておきますね。
それからこちらは、釜ヶ崎で野宿者支援をしている‘釜ヶ崎パトロールの会’のブログです。
合わせてご覧ください。

* * * * * * * * * *



大阪市がホームレスのテント強制撤去、一時もみ合い



 ◆計28張り 行政代執行

 大阪市は30日午前、イベント開催に伴う公園整備のため、靱(うつぼ)公園(西区)と大阪城公園(中央区)を占拠しているホームレスのテントなど計28張りについて、行政代執行法に基づく強制撤去に着手した。ホームレスや支援団体のメンバーらが「人間の鎖」を作り抵抗するなど騒然となった。靱公園では、未明、撤去準備中の市職員1人がもみ合いで負傷。朝には、ホームレス側2人が軽傷を負ったなどとして病院に搬送された。市がホームレスに対して同法による強制措置に踏み切ったのは、1998年12月、「教育環境の悪化」を理由に、市立今宮中学(西成区)南側歩道のテントを撤去して以来2度目。


◆支援団体「人間の鎖」で抵抗

 市は、16張りが撤去対象の靱公園に職員やガードマン計約440人、12張りの大阪城公園に計約260人を動員、府警機動隊員ら350人も周辺を警備した。

 午前8時、両公園で市職員がハンドマイクで「代執行」を宣言。靱公園では、作業が始まると、支援者数十人から「テントは家だ」などと怒声が飛び、テント前では一時もみあいになった。午後1時現在「団結小屋」と呼ばれるテント以外はすべて撤去。「小屋」の前に支援者ら約50人が集結し、市側とにらみ合いを続けている。

 大阪城公園でも、ホームレスや支援者の排除の際、小競り合いとなったが、撤去は午前10時20分にすべて終了した。

 撤去作業に先立ち、30日午前0時30分ごろ、市職員が靱公園の出入り口を封鎖するため工事用フェンスを鎖でつないでいたところ、作業を阻止しようとしたホームレス側ともみ合いになり、男性職員(44)が奪われた鎖で頭を殴られ負傷した。西署が傷害容疑で捜査している。

 今回の撤去は、3月から開かれる大阪城公園の「全国都市緑化おおさかフェア」、5月に開かれる靱公園の「世界バラ会議大阪大会」に向けた園内整備工事に伴うもの。当初、靱公園と大阪城公園の撤去対象地域には計51張りのテントがあり、市は工事に支障をきたすとして、昨年10月から退去を求めていた。

 今月11日、ホームレス側が「居住権の侵害」などとして、大阪地裁に除却(撤去)命令の仮差し止めを請求。同地裁が13日に却下したため、市が残るテントの除却命令を発令した。市側は、自立支援センターなどへの入所を勧めたが、ホームレス側は「一時しのぎの施策に過ぎない」などと反発していた。

 ホームレスのテントを巡っては27日、扇町公園(北区)で暮らす男性に、公園での住民登録を認める大阪地裁の判決があった。しかし、判決は公園の占有権は認めておらず、同市は「靱、大阪城公園でのテント撤去に影響はなく、予定通り実施する」としていた。

 同市の行政代執行法に基づく強制措置としては、最近では2003年に、天王寺公園のカラオケ屋台などを撤去した例がある。01年2月には、長居公園(東住吉区)内にホームレス支援者がテントを作ったが、市との協議で、強制撤去前に自主退去した。
 名古屋市は、昨年1月、愛知万博を前にした白川公園(中区)の改修工事に伴い、ホームレスのテントを強制撤去している。


 ◆行政代執行:
 法律上の義務を当事者が履行せず、放置すると著しく公益に反する恐れがある場合、行政機関が、当事者に代わり、義務を実行できる制度。
 弁明など一定の猶予期間を置き、事前に、警告にあたる戒告書や実施の日時や費用を告げる代執行令書を交付。費用は当事者から徴収する。
 今回の撤去費用は、テント1張りあたり約10万円。

(2006年01月30日 読売新聞)





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Last updated  2006.02.07 22:52:38
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