テーマ:人と自然の関係(599)
カテゴリ:ちきゅう
ナショナル・トラスト運動は 美しい自然や歴史的文化遺産を、市民の募金で買い取り保全していく運動のこと。 イギリスで1895年に始まりました。 「天神崎(てんじんざき)」は、紀伊半島の中ほど、紀伊水道に面した田辺湾北側の岬で 白浜温泉の対岸にある景勝の地。 この田辺湾は、多種類の海洋生物が数多く生息している世界的にも貴重な所です。 田辺湾は入り口が広く、しかも黒潮(暖流)の一部が流れ込んできます。 このあたりの海岸に亜熱帯や熱帯の生物が多いのは、この黒潮の影響によるもの。 暖かい海の代表であるサンゴも60種類ほどあるそうで これは北緯34度近くの海では、世界的にも異例の数と言うことです。 そして海だけでなく、海岸自然林や湿地でも南方系の生物が豊かです。 しかし1974年、天神崎に高級別荘地の開発が計画されました。 これを知った市民有志は行政の力で開発を抑制してもらおうとしましたが、 それが困難だと分かったとき、業者から土地を買い戻すより他に道はないと やむにやまれず買い取り運動に踏み切ることにしました。 そして、この自然環境を未来の子どもたちに伝え残すことを願って 「天神崎の自然を大切にする会」を設立したのです。 今日は、もう20年以上もこの会に関わっておられる方の案内で 天神崎を訪れて来ました。 海は直接、太平洋につながり 干潮になると磯には13haの広い平らな岩礁が広がります。 大潮の時、磯の先端に行くと 岩に穴を掘ってウニが住み着いている場所が見えるそうです。 それは‘ウニのアパート’と、とってもチャーミング☆な名前で呼ばれています。 このあたりには約50種類ものウニがいるそうです。 足元の岩礁に目を向けると、そこら中にいる‘アラレタマビキ貝’ 満潮になっても水に浸からない場所に住む、薄紫色のちいちゃな貝。 貝は本当にたくさんいたんだけれど、名前は覚えられなかった・・・! ヤドカリくんもいっぱいいました^^ 磯には200種類以上の生物が記録されているとか。 それから初めて間近で見た‘アメフラシ’ 息子は、そのぶよぶよした赤黒いグロテスクな体に興味半分・恐怖半分・・・ 私は勇気を出して、手のひらに乗せてみました。 なんとも言えない感触。。。 「アメフラシを触ったら、明日は大雨」ってホント?! 水中をのぞくと、海藻めいろの中を小魚たちが泳いでいます。 アオサやヒジキも茂っています。 ダイビングの練習をしている人、魚釣りをしている人、遠足に来た子ども達もいましたよ。 天神崎のシンボル「丸山」 (一番上の写真左手にも写っています) 丸山は満潮のときは島になり、潮が少し引くと陸続きになります。 絶えず潮風があたるこんな小さな島にも、ウバメガシやユズリハなどの樹木が森を作っています。 天神崎は海と山の自然が隣接していて 森・磯・海の三者が一体となって、ひとつの安定した生態系を形作っています。 自然の中で元気いっぱい遊びながら、生命の不思議さを感じることができる場所です。 いつもは山や川で遊んでいる息子、こういう磯遊びは初めてです。 ただ岩を歩くことさえも楽しんでいました^^ いろんな貝や石を見つけては海へと投げ 磯の水たまりをばしゃばしゃ歩き 海を行く船を見ては喜び 天神崎を満喫していました。 私も、山の澄んだ冷たい空気とは違う、海の生ぬるい潮風を体で感じて すっかり天神崎のとりこになってしまいました! ここに着いたとき、なんだかたくさんの生き物たちがうごめいている 熱気のようなすごいエネルギーを感じました。 あぁ、ここ(天神崎)は生きているんだなあ!!という感じでした。 ・・・おっと、今日は磯遊びが目的じゃなかったんですけどね^^; 和歌山県内のボランティア仲間との集まりがあって行って来たんです。 そのうちの一人が「天神崎の自然を大切にする会」の活動をされていた方で 「ぜひ!」とお願いして案内してもらった、というわけです。 お昼までごちそうになってしまいました。 ありがとうございました♪ ごはんの後、手作りケーキとクッキーをいただきながら 県内の若者にボランティア活動をどうアピールするか ボランティアしたい若者を受け入れてくれる施設や団体をどうやって探すか これから私たちがどんな活動ができるか・・・などいろんなことを話しました。 皆で案を出しあって、また楽しい企画ができればいいな☆ 北山村から片道2時間半、山道を長距離ドライブ しかも息子を助手席(チャイルドシート)に乗せて。 途中で、シートから降ろせ~!!となることを覚悟していたのに 行きも帰りもいい子に座っていてくれました。 ココロくん、今日はお付き合いどうもありがとうね♪ おかげさまで素晴らしい一日が過ごせました! ◇◆天神崎についての説明等は「天神崎の自然を大切にする会」パンフレットを参考にしました◆◇ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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