テーマ:ちょっと、お出かけ。(2323)
カテゴリ:買ってたべるおやつ
その日、私たちはある場所へ向かっていた。 夕方に出発したとは言え、夏の日はまだ長く、 青空と入道雲がドライブを盛り上げてくれる。 行楽気分の私とは対照的に、 運転席の彼は緊張と興奮の入り混じった横顔。 心なしか言葉も少ない。 なぜなら、彼の夢が叶う瞬間が近づいていたから。 そして、私はそれを見届けに行く。 でもさぁ、 その前に、寄り道して鯛焼きを食べようよ~♪ (緊張感、ゼロ) ガブリ。 これこれ、これが私のイチオシの鯛焼き。 恵比寿にある ひいらぎ のものです。 皮は内側にもっちり感を残しつつもサックサクで香ばしくて、 餡はクドさの無い、すっきりした甘みです。 恵比寿に行く時にはここははずせません。 焼きたてを道路で食べることも厭いません。 これが好き過ぎて、 今では近所のたい焼き屋さんでは満足できない私です。 しかもこの日はスペシャル。 ずっと食べたかったソフトクリームたいやきに初チャレンジ。 なんとシュールなビジュアル。 (ホントにこの状態で渡されるんですよ) アイスクリームと餡の組合せが好きな私には、 ご褒美のように嬉しいコラボなのでした。 たいやき ひいらぎ 東京都渋谷区恵比寿1-4-1 恵比寿アーバンハウス1F 03-3473-7050 さ、私の夢は叶ったので(笑)今度こそ彼の番。 感動の舞台は日が暮れはじめたお台場、潮風公園。 駐車場はほぼ満車状態だ。 なんとか車を停め、公園の内部へ向かう。 ねぇ、いつもよりずいぶん歩くのが早いね。 そう言いながら横を見ると、 そこには頬を紅潮させて少年の目をした彼がいた。 だが、それは彼だけじゃなかったのだ。 その場にいるたくさんの大人たちが好奇心たっぷりの面持ちで、 目をきらきら輝かせて一方向を見つめているではないか。 何百もの目線の先にあったもの、それは・・・ ガンダム。 高さ18mのモビルスーツがそびえ立っていた。 正直なところ私は、プラモデルとかアトラクションとか そういったものを想像していたのだが、 それは大きな間違いだということにすぐに気づく。 目の前にあったのは 日本中、世界中のガンダム世代の人たちの夢を具現化した、 モビルスーツそのものなのだった。 ふと見ると、数メートル先のガンダムの足元に彼の背中があった。 私の存在など忘れているかのような背中。 いつもなら文句のひとつも言うところだが、 この日の私はそんな背中を見るのが楽しくも嬉しくも感じた。 それを見届けたくて一緒に来たのだから。 何時間でも付き合う覚悟で、 私は私でガンダムの周りをゆっくりと歩くことにした。 大勢の元少年たちの笑顔とガンダムの姿を交互に見ながら。 ガンダムを横から見る位置に辿り着くと、 曲線好きの私はふくらはぎから目が離せなくなった。 ドキッとするほどセクシーなフォルムをしていたのだ。 いったいいくつのパーツでできているのだろうか。 ガンダムをよく知らない私でさえも、 今にも動き出しそうなこの精巧な建造物に 感動を覚えずにはいられなかった。 海風が少し肌寒く感じた頃、 ライトアップの時間が終わった。 あたりが暗くなってもまだ多くの人は帰らずに、 名残惜しそうにガンダムを見上げていた。 と、その時、整備の車が数台近づいてきて ガンダムを取り囲み、作業を始めた。 見る見るうちに車両からアームが伸び、 ガンダムの腕や肩のあたりに整備員たちが小さく見えた。 予想外のこの光景に、 私は自分でも驚くほど興奮し、 何度も何度もシャッターを押していた。 たぶんこれが、 この日一番、ガンダムをリアルに感じた瞬間だったのだと思う。 すぐ前に、整備を監督する作業員の後ろ姿があった。 顔は見えなかったが、 きっとこの人も少年のような目で、誇らしいような気持ちで、 ガンダムの点検を見守っていたのではないだろうか。 いつの間にか彼が横にいた。 朝から晩まで外で遊んできた夏休みの子供。 そんな充実感のある笑みだったので、私も笑った。 GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト http://www.gundam30th.net/event/real-g.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[買ってたべるおやつ] カテゴリの最新記事
|
|