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カテゴリ:病院
僕がいるHCU室は呼吸疾患患者や重病人が集まる。ナースステーションとは扉一枚で隔てているだけで、すぐ駆けつけられるようになっている。
全部で六床あるが、ほどんど寝たきりだ。意識障害も少なくない。もちろんテレビなどの一切の娯楽がなく、病室用のでかい呼吸器に連結され、身動きとれないまま二十日が経過した。 こういう時ALS患者のクリアな意識は困る。 睡眠剤を入れたら顔が動かなくなり往生した。 伝の心もだいぶ馴染んだが心配も多い。 四肢麻痺のため病室のナースコールが使えない。だから自分で無線コールを用意し、おでこのセンサーで動かしているが、いつPCやセンサーの不具合で動かなくなってもおかしくないし、そうなっても気切して声が出ない今では誰も気づいてくれないだろう。 それなりに怖い目にもあった。呼吸器外れである。 一昨日の夜、突然喉から回路が外れたのである。幸いナースステーションにいたナースがアラームに気づいてくれて事なきを得たが、彼らだって忙しい時間帯は出払ってしまっている。それを思うと怖くて涙が出た。 外れ防止の留め具とかないものか? 入院期間は胃ろうの事や年末の在宅受け入れの難しさもあり、短くなることはなさそうだ。部屋が空けば個室へ、の許可が出て狂喜しているところだが、呼吸不全患者で、外れ事故に見舞われている僕が果たして本当に個室で大丈夫なのだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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