漢字生保が日本で生き残っている理由の一つが分かったかもしれない。

ネットをこまめに始めて、興味のなかった金融業界も少しずつ窓を開いて
いって、日本に従来からある生命保険会社がナカナカどうもよろしくないらしい
・・・と言うものを知った。
まだまだ勉強不足な面もあるが、世界的に見てもどうやらいかんらしい・・・。
そりゃもう知ったときはショックだった。

そして今私は、毎日わけのわからない葛藤の中にいる。

なぜって？？？



働く人のなんて朗らかな事・・・・

働く人のなんて潔い事・・・・

働く人のなんてキラキラとギラギラと輝いている事・・・・・

きっとうちの営業部に限った事じゃないでしょう。
沢山の営業部がそうでしょう。。。
たくさんのおばちゃんたちがそうでしょう。

そう感じるといてもたってもいられない気分になる。
　
　「どうして否定できようか」

こんなに素敵な人たちなのに・・・

会社が悪いって？
日本の行政が悪いって？
不況だって？
ブッシュが悪いって？

話がでかい、でかすぎるよ。
そんな大きなものに飲まれているの？私たちは？私は？


私の後ろの席に座っている松本さんは57でこの世界に入った。
今年で23年目。途中旦那さんを亡くし、足の手術もし、未だに現役で頑張って
いらっしゃる。70にもなるのに歩くのもやっとなのに毎日会社に出社する。
私と目が合うと色々と話をしてくれるのだ。
最近気がついたんだけど、同じ話を何度もするのでちょっと心配な今日この頃。
今日も私を捕まえて勇ましい話をしてくれた。

この年でさえ足が丈夫であれば一日中開拓をしたいと言っている。
そんな松本さんの足はひどく曲がっていて、ちょっと歩くと休憩をしなければ
痛さに悲鳴を上げてしまうそうだ。
そんな中でも、班のため、部長のため、会社のため働き続ける。

「あんた、最近帰りが早いじゃない？何か次の働き先でも見つけてるの？
　　あたし、そうじゃないかと思っちゃってドキドキしちゃったよ。
　この仕事嫌い？営業やりたいって思う？あんたいないとさみしいよ」

思わず涙をぐっとこらえてしまった。
私はこの仕事は好きだと言った。嘘じゃない。
でも転職を考えている事は言えなかった。

今まで沢山のアルバイトをやってきたけれど
後ろ髪を引かれる思いで辞めた事は一度だってなかった。

今は・・・・。

ああ、神様のいじわる。



松本さんの話を聞いていると、日本が見えてきた。
義理人情に熱く、お人好しで、助け合いで、ちょっとの事はまあいっかで・・・

私は上司から人間関係を作りなさいと教えられた。
いまでこそこの言葉は逆手に取った卑怯な言葉にも聞こえるのだが
ちょっと前の日本ならその通りだったかもしれない。

人間同士助け合う。
”あんた気に入ったし、いつも世話になってるし、”
そんな声が聞こえてくる気がする。

この業界が日本でものすごく大きい訳は
そんな日本の国民性がもたらしたんだなーって思った。