モスコパンダ懐妊中
お腹の大きいモスコパンダのメス。左に寄り添うのが旦那。グッピーの場合、メスの方が体格はいいものの、至って地味な体色のため、鑑賞という面ではオスの足元にも及びません。が、繁殖と稚魚の育成に情熱を燃やす者としては、むしろメスの方に目が行きます。写真のメスはご覧のとおりの太鼓腹で、産仔間近。数日中におしりにとんがりが出てきてカウントダウンとなるはずです。多い時には一回に100匹近くも仔を産むすさまじい繁殖力で、これがたまらない魅力のひとつですが、前提に”年魚”という悲しい現実があります。寿命が約1年と、極めて太く短い生涯なのです。よって「1分1秒でも無駄にはできない」とばかりに精力的に異性を追いかけ、エサを探し回ります。エネルギーの塊のようなその姿をみていると、自分が恥ずかしく思えてきて、単にキレイだのカワイイだのといった浅薄な関心とは違う次元の魅力、感動に近い思いにとらわれてしまいます。成熟したメスはほぼ1ヶ月に1回のペースで産仔をするため、飼い主としては日常的に新しい命の誕生を目にできます。反面、短命な魚のため死もまた日常です。ある程度の数のグッピーを飼っていれば、否が応でも毎日のように生と死について考えさせられます。短くともなるべく楽しい生涯を送らせてやる、飼い主にできることはこれに尽きると思いますし、これ以外には何にもできないようにも思います。