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テーマ:徒然日記(23486)
カテゴリ:極楽人生
NHK教育テレビで午後10時から1時間半放送された、『ETV特集 KOBE 巨大災害の時代を生きる』。
これが観たくて、子供らをさっさと寝かしつけたかったのだが、案の定時間がずれこんでしまいました。 相棒が裏番組のNHK総合『チェオクの剣』を予約録画しているために録画できず、リアルタイムで視聴するしかないので、もう子供らには迷惑だったでしょうが、そのまま居間にどんと居座って娘に授乳したり息子の相手をしたりしながら観ました(相棒は爆睡)。 番組の内容は、巨大ハリケーン「カトリーナ」に被災して甚大な被害を蒙ったニューオーリンズ市から市議会議長ら市の復興担当者が、阪神淡路大震災を経験し奇跡的な復興を遂げた神戸を視察に訪れ、被災住民の体験談などを聞いて回る。 また、後半では津波災害に遭ったインドネシアで神戸のNPOが行っている支援活動の取材。 私としては意外だったのは、開拓者の国、というイメージのあるアメリカで、復興政策が全てトップダウン式に行われ、被災市民の声はすくい上げられないという事だった。 あれだけ個人主義、民主主義の国なんだから、政府よりも先回りして自分たちで立ち上がっているものだと思ってました。 現実にはニューオーリンズの大多数を占めるアフリカ系住民たちは、生活を再建させる余力も無く、知らない土地にトレーラーハウスでバラバラに暮らしている。 阪神淡路大震災の被災地の復興計画では、行政と住民との間、そして住民同士の間で揉めに揉めたことが当事者であったまちづくり協議会の人たちによって語られる。 ・・・思い出しますよ・・・被災当時は手を取り合い、助け合った筈の近所同士が、その後の復興計画で換地(自分の土地を行政に差し出して、代替地を割り当てられること)や建築基準法や何やでいがみあった事。 復興の過程で人々の思惑や都合がすれちがい、気持ちが荒んでいくという話はざらにありました・・・。 大規模な火災のあった長田地区、兵庫地区の、新しいながらも下町情緒を残した佇まい、防火用と人々の憩いの場所を兼ねた用水路のせせらぎに金魚が泳ぎ、子供が遊ぶ姿がニューオーリンズの人々を感動させていました。 「我々も希望を持って歩んでいくしかない」と。 悲惨な目に遭い、立ち直れないほどの傷を受けていながらも、何とか昔の自分たちの暮らしを取り戻そうと努力し続ける人々と、その営みを映す神戸の街の姿が他の誰かの励みになる。 番組では街の再開発がうまくいったところと、そうではなくて未だに空き地に雑草の茂るところと、両方ちゃんと映していました。 未だ震災の後遺症から立ち直れない人々も現実にいるわけで、公平な取材だと思いました。 HIROSIMAとNAGASAKIが今の姿を通して、世界の平和へむけて強い希望のメッセージを送り続けているように、KOBEも、また自然災害の被害にうちしおれている人々に復興の希望を与える都市となりうるのですね。 それこそまさに、震災で失われた多くの命への償いであるような気がしました。 ああ、いい番組だったから再放送してくれないかなぁ<NHK教育 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.24 15:30:18
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