|
カテゴリ:子供
昨今の育児の常識は、「子供を叩いてしつけないこと」なのであるが、私はどうしても息子や娘に手を上げてしまう鬼母なのである。
自分がわりと叩かれて育って来ているので、どうしても「やさしく諭す」よりも「きつく叱ってぱちんとやる」方に傾いてしまうのだ。 ・・・それだけではない。自分自身のたまった鬱憤を晴らすために子供たちに手を上げることもある。 疲れて機嫌が悪い時、金切り声で二人がかりで泣き叫ばれたりすると正直頭がおかしくなってしまいそうな気がする。 泣きっ面にハチ、という諺は本当にうまく言いえてると思う。 私がイライラしている時に限って、息子が牛乳を畳の上にぶちまけたり、娘をひどく叩いたりと怒りのスイッチを押しまくるような行動に出る。 そうして本当に器量の小さい私の自制心のダムがぱかっと決壊して、「このバカ!バカバカ!」と大声で怒鳴りながら手を上げてしまう。 そんな時の私の態度は、すでに虐待だと自分でも思う・・・。 そして今日も。 私はイライラし続ける自分の気持ちをもてあましていた。 どうしても気分転換できないのだ。 「あれもやりたいのにこれもしなきゃいけないのに」と忙しなく台所で茶碗を洗いつつ、そこらじゅうを散らかして回る娘をしかりつけていた。 そして、ふと見ると、息子がテレビの画面に気を取られてコップ一杯分のりんごジュースをぶちまけてしまった。 それが本日二度目の粗相である。 「あんたは何やってんのー!」 私は息子のところに飛んでいって、思いっきりほっぺたを引っぱたいた。 踏み台に座っていた息子は、勢いよく後ろにふっ飛んで壁に頭を打ち付けてしまった。 それでも怒りのおさまらない私は、 「なんで3歳にもなってまともにジュースも飲めないのよっ!バカ!」と怒鳴りつけると、火の付いたように泣き出した息子が「ママがひっぱたいた~痛い~痛い~」と繰り返し叫ぶ。 ・・・えっ!?ろれつが回ってない!! 「ママらひっぱぃたらぁ~、いはいー、いはいー」と聞こえるのだ。 血の気がひいた。 息子は痛さと悲しさで泣き続けているが、言葉がどうもはっきりしない。 さっき転倒した時、かなりの勢いで後頭部をぶつけたのでもしかして!? 大慌てで転がって泣き叫ぶ息子を抱き起こし、ゆっくりと話しかける。 「ぴよちゃん?大丈夫?ぴよちゃん??」 正気に戻ったらしい母親の表情を見て、息子は言った。 「お口いはい(痛い)」 勢いよくぶったので、少し口の中を切ったのだった。 ほっとして力が抜け、そして自分自身の情けなさに体の芯から腹が立った。 こんな幼い息子に加減もせず暴力を振るってしまった卑怯な人間。 短気というレベルではない、自分の感情も抑えられない未熟な人間。 この世で最も可愛くて愛しくてならない存在を傷つけた人間。 それが私だと思うと自分自身を噛み千切ってしまいたい気がする。 息子を抱き締めて泣いた。 そしてずっと謝り続けた。 もう二度と子供を平手打ちしない。決して。 そんな当たり前のことを、あえて誓ってしまう自分。馬鹿なのは私だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[子供] カテゴリの最新記事
|