カテゴリ:犯罪者系
とあるバスに乗っていたときのこと。途中、足の悪い老婦人が乗車し、「△△は停まりますか?」と運転手さんにたずねた。が、彼は返事をしない。おばあさんがもう一度「△△に停まりますか?」と繰り替えすと、「書いてあんだろ」と彼は言った。
親切な運転手さんであれば、お年寄りの乗客が座るまで停車していてくれたり、ゆっくり発車するものだが、彼はもちろん違った。おばあさんを転ばそうという意図が感じられるくらいの急発進。近くの手すりにすがりついたおばあさんが、転ばずに済んだのは、運が良かっただけである。 しばらく走ると、そのバスはバス停でもないところで急停車した。降車口のドアが開く。そしてその運転手、あろうことか、マイクをオンにしてこう言った。 「降りろよ」 週日午後の空いている時間帯で、大した人数はいなかったものの、乗客全員が「はあ?」と首をかしげた。誰に何をどうしろと言っているのだろう? 「おい、ばあさん、降りろよ」 ば、ばあさん。。。。。 運転手は今、乗車したばかりのおばあさんに、「降りろ」と命じているらしい。おばあさんも混乱して「何でしょう?」と座席から立ち、悪い足をひきずりながら、運転手さんのそばに行った。 「降りろって言ってんだよ。ここで降りな」 「でも、何故ですか?」 「△△には行かねーんだよ。だから降りろよ」 「停まるって、おっしゃったじゃないですか」 「書いてあるだろ、と言ったんだ。通らないってことは、書いてあるだろってな。だからここで降りな」 「でも、ここはバス停じゃありませんよ」 「行かねぇんだから、乗っててもしょうがないだろ。降りろよ」 「次のバス停で降ろさせてもらいます!」 気の弱いおばあさんだったらあの場所で、次のバス停に行くにも、元のバス停にもどるにも、かなり歩かねばならない、あの場所で降りてしまったかもしれない。でも、足の悪いその人は、無礼な運転手を完全無視して、再びイスに座った。運転手のマイクはまだ生きており、舌打ちの音が車内に響いた。 あの運転手が、一体どういうつもりでああいうことをしたのか、謎だ。わざと途中で放り出してやろうという意図が、最初からあったようにしか思えないのだが、そんな人間っているのだろうか? そのバス会社はその少し後、乗客の老婦人を転ばせ、大腿骨を骨折させるという大事故を起こした。バス停で急発進したのが原因らしいと聞いた気がする。もしかしたら、あの運転手のバスかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月25日 20時30分51秒
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