カテゴリ:ヘンタイ系
今日、バスに乗ったら、忌まわしい(おおげさ)思い出のある運転手さんに、久しぶりに遭遇した。
その人に初めてであったのは、とある始発のバス停だった。3人の運転手さんが、立ち話をしており、その中で一番小柄なおじさんは、痩せた細面がネズミみたい。凶悪な目つきの持ち主で、しかもイライラしている様子だったから、「神経質そうな人だな~」と思った。「あの人のバスだと、いやだな~」と。 そして案の定(?)、ネズミのおじさんは、私が乗るバスの運転手さんだった。立ち話をしていた他の2人は、それぞれのバスに戻り、バスのドアを開けて乗客をのせ始めた。が、ネズミのおじさんは、一人、灰皿のそばでタバコをふかしているだけで、発車時間直前までバスのそばには近寄らなかった。 それは冬の寒い日だったから、早く乗って車内に座っていたいと、足踏みをしている人もいたし、おじさんの方をチラチラ見ている人もいたのだが、どこ吹く風だ。仏頂面でタバコをふかし続ける。 ようやく発車時間。おじさんと我々はバスに乗り込んで、直ちに出発した。 しばらく走ってから、ふとバスのバックミラーを見上げた私は自分の目を疑った。ミラーに映る苦虫をかみつぶしたようなおじさんの顔に、突如として満面の笑みがっ! そして向かいから走行してくるバスに、KABA.ちゃんみたいな仕草で、きゃ~~~っっと手を振ったのだ(ただし片手)。反対車線のバスに乗務している堅太りの中年男性も、きゃぁ~~~んっ、という感じでぶんぶん手を振っている。 一時期、「だっちゅーの」とか言って、胸の谷間を見せるポーズを取る、女性の二人組タレントさんがいたけれど、おじさんとその同僚の体つきは、ちょうどそんな感じだった。運転しているのだし、豊満なバストもないから、「だっちゅーの」した訳ではない。が、何というのか、女の子がカワイコぶるときの古典的ポーズ、肩をすくめて身をよじるような、ちょうどそんなポーズ。「いや~~~~ん」ってな感じで、お互い熱狂的に手を振っている。 ネズミのおじさんは、同僚のバスが通り過ぎても、しばらくバックミラーに向かって手を振っていた。が、ついに相手が視界から消えると、顔にカーテンでもおりるように、一瞬にして元の仏頂面に戻り、淡々と運転を続けた。 私が降りるバス停までの間に、その後も何台かのバスとすれ違った。でも、おじさんがあのように、ぶんぶん手を振ることはなかった。あの二人は、デキたてのゲイのカップルか何かだったんだろうか? そして、今日久しぶりに出会ったおじさんが、相変わらずの仏頂面だったことは、言うまでもない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|