カテゴリ:犯罪者系
昨日のカーラーおばさんの「トイレットペーパーしゅるるるる」で思い出したが、ウチの近所にはトイレットペーパーを購入しないことで有名な夫婦がいる。
いくら隣近所でも、スーパーで何を買っているか、なんてことは、お互いに把握しているはずがない。だが、その夫婦は昔風の下宿屋を営んでいる故に、特売日でさえ「トイレットペーパーを買ったことがない」という事実は、周辺の主婦たちの目を引くらしい。 うちの母も、親しいご近所さんから「あそこの家、変よねぇ」と言われる前から、それに気づいていたクチだ。「あの家って、今、2階に3人、下宿人が入っているのに、トイレットペーパー買ったの、見たことないわ~。共同のおトイレのカミ、どうしてるんだろ」 いいじゃん、そんなこと。業務用のトイレットペーパーでも、どこからか仕入れてるんじゃないの、と私は答えた。友人にも、別に下宿屋は営んでいない普通の家庭だが、業務用のを格安で購入しているヤツがいる。「安いんだよ~」と自慢げ。でも欠点は、「一部屋がトイレットペーパーの段ボールでいっぱいに埋まるくらい、大量に届くことかな」 かな、ってアンタ。それ、ひどすぎると思うぞ…… ってまあ、それはどうでも良いんだけど、そこの下宿屋もどきのトイレットペーパーの件では、私は結構「ヒトのウチのことなんてどうでもいいじゃん。どーしてオバサン連って、そうヒマなのかなぁ」とウンザリしていたクチだった。が、ある日、オバサンたちの鋭さに、敬服する出来事に遭遇したのだった。 去年の今頃のことだったが、その下宿屋もどきの家のご主人が、登山用みたいな巨大なリュックを背負って、近所の図書館に入っていくのを見かけた。私も図書館に用事があったので、後から入っていったのだが、しばらくすると、おじさんは、リュックを少しふくらませた状態で、図書館のトイレから出てきた。 「あれ???」 私はかなり鈍感な方なので、そのときは特に何とも思わなかったのだが、変なモノを見ることにかけては、人類随一、みたいな特技があるので(自慢にならない)、さらに1時間くらいして、もっと巨大になったリュックを見ることになった。 図書館での用事を済ませてから駅に行くと、またまたおじさんに遭遇。彼は駅ビルから出てきたところで、リュックは私でさえ、「うわっ」と思うほどに、すでに大きくふくれあがっていた。どうも、色々な公共のビルに入り込んでは、トイレからトイレットペーパーを盗んでいるらしい…… もちろん、おじさんが駅ビルで何か、ショッピングをしたということも考えられる。が、そこの家はケチなことで有名で、夫婦の夕飯が特売のカップヌードルと油揚げ一枚(何に使うんだろう?)ということも、しばしばらしいから、駅ビルなんぞでおじさんが買い物をするわけがない。 そんな訳であっけにとられて見ていると、おじさんは更に、駅近くにあるスーパーなどが入っている雑居ビルに入っていった。さすがに、リュックをもっとパンパンにして出てくるであろう彼を、待つことはしなかったが、トイレットペーパー泥棒(?)の事実は間違いなしと思われたのだった。 家に帰ってから、その話を母にすると「やっぱり! そういうウワサが出ているのよ。だって”お一人様1パック限り”でも買わないとしたら、どこかから盗ってくる以外にないでしょう、ってみんな言ってるわ」 この「お一人様1パック限り」というのは、ウチの近所にあるものすごい特売店で、時々「1パックしか買っちゃだめ」というほどに、超絶な特売をするときのこと。多くの人が、その特売店とそれぞれの自宅との間を、何往復もするほどに、激安な日が年に何回かあるのだ。こういう特売の時は、私も「帰りに買ってきて」と命じられるので、はなはだ迷惑なのだが、もしかして、一部屋が「トイレットペーパーの間」と化す業務用より、安いんじゃないかという値段である。 まー、そんなことはどうでも良いんだけど、それ以来気をつけて見ていると、おじさんは休日のたびに、巨大リュックを背負って駅の方に散歩に出かけている。トイレットペーパーなんて、そんなに高いものでは無いと思うんだけど、ご苦労な話である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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