カテゴリ:オタク系
以前友だちから、夜の新宿郵便局はスゴイ、という話を聞いたことがある。本局は24時間営業だが、夜中にヒトなんか来るのかねぇ、と思うとさにあらず。結構な人出でにぎわっているのだそうだ。
特に繁華街に近い新宿郵便局は、あやしーい雰囲気が漂っているという。段ボールいっぱいの内容証明とか、督促状らしきものを持った、そのスジの方っぽい怪しいおじさんたちで長蛇の列、という話。 そんなもんかねぇ、と思っていた私、先日、至急送らなければならない書類を、うかうかとバッグに入れたままにしておいたのに気がついて、あわてて近所の(と言っても結構遠い)本局にすっ飛んでいった(こういうとき、Expack500の買い置きがあると便利なのにー)。23時を過ぎていたのだが、行ってビックリ。うねうねと蛇行するほどに大行列ができていた。 蛇行の原因は、外がまだ寒い時期だったから。新宿本局ほど広くないロビーなので、縦に10人ほど並ぶと最後尾のヒトのせいで、自動ドアが開いてしまう。風が入ってきて寒い。と言うわけで、誰が言うともなく9番目くらいのヒトが脇に立ち、その後から来たヒトがそのヒトの脇に立ち、といった具合で、ロビーにぐにぐにとした行列が完成、というワケだ。 ただし新宿辺りと違って、ウチの近所の本局はふつーの方が多かった。商店主らしきおばさんとか、ちょっと酔っぱらった学生とか。若干目を引いたのは外人さんくらい。と思ったら、いたよ~、変な人! 彼はニットの帽子を「それは目のないマスクかい?」という深さまで目深にかぶった、おそらくは20代の男性。フリーターっぽい雰囲気で、ぼろぼろの紙袋を4つも持っていた。それも何のガラもない茶封筒のデカイの、みたいな紙袋。持ち手はワラをよじりあわせたみたいなヤツだ。 私より5人ほど前にいた彼は、その紙袋を小包として送ろうとしていたが、袋があまりにぼろいので、郵便局員に「これじゃ破れますよ。中身は何ですか?」と訊かれてたいそう狼狽していた。 局員さんが訊いたのはたぶん、袋が破れたとき、バラバラになって紛失しやすいような、小物がたくさん入っているのか、それとも多少破れても、こぼれ落ちる心配の無いものなのか、ということだったと思う。が、ニット帽くんのあわてぶりから見ると、よほど怪しいモノが入っていたようだ。 しばしフルフルとあちこちに目線をさまよわせていた彼。突然、斜めがけしていたショルダーバッグに手を突っ込んで、何か丸いものを取り出した。 あまりの勢いと唐突さに、応対していた局員さんと、変な彼を注目していた私の約二名が「ひゃっ」と仰天した。が、それは平凡なガムテープだった。彼は後ろに並ぶ行列に気を使うこともなく、へろへろした紙袋をガムテープでぐるぐる巻きにし始めた。 窓口が二つ無かったら、暴動が起きていたかもしれない。私もぐるぐる作業を続ける彼の隣の窓口で書留郵便を出し、本局を後にしたが、3個目のフクロに到達した段階で、ガムテープはかなり残り少なくなっていた。あの後どうなったのか、ちょっと気になる私だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年04月05日 04時01分31秒
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