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テーマ:株式投資日記(20516)
カテゴリ:敵対的買収防衛
予想外の結果となりました。50%程度はとると思っていたのですが、総会の直前から原側のネガティブなメッセージがあったりしたので、「よもや」という感じには思っていましたが(MUF信託への牽制球とか)。
しかし、浮動票(この中身が実は曲者だったりして)の大半が日本ハウズイングに回ったような結果になるとは思ってもいませんでした。(Jパワーを含め)私は日本の株式市場に大きく不信を抱かざるを得ません。理解不能です。 今回も金融機関の持ち合いが最後には効いたような格好となり、金融機関の持ち合い株についての議論が出てきそうな予感もあります(事業会社が持合をやっても%的にはインパクトは小さいから)。 渡辺大臣、ガツンといってほしいものです。ご貴殿の政治理念とも比較的近くないでしょうか? 日本に世界の金融センターの座の一角を死守させたいのなら。
原弘産側は早速、 として、さらに睨みを利かせるという趣旨の声明文を出しています。 デベロッパー事業からの撤退を含めた成長戦略の達成ですね。上記声明文によると、日本ハの社長は総会で計画の達成と1000円以上の株価の達成約束について、明言しなかったとありますが、あれだけ書類の応酬合戦において、「当社の成長戦略における今後の業績計画は、原弘産が『1,000円』の根拠とした業績計画を凌駕するものであり、この成長戦略を確実に実行することにより、原弘産の子会社になった場合の株価を上回るものと確信しております。」と言い切っていたのでいまさらそれはないなあ、という感じがします。 株価はそのときのミスターマーケットさんの気分次第もあるので、コミットできないというのはわかりますが、計画は着実に行ってほしいものです。ブルドックとの違いは総会後も買収(希望)者側が「睨み」を利かせていることでしょうか?
原側の敗因はなんだったのか? やはり、買収企業側にしっかりとした経営体力がないとみなされたこと、TOBの買い付けが2/3未満という中途半端で上場維持という公約だったことでしょうか? 本件は相手もオーナー持分が30%以上あるので、上場維持はある程度作戦としてやむをえなかった可能性もありますが、制度的な限界、そもそも30%以上を固めている企業への挑戦、ランドマーク社との不透明な関係などでしょうか。
原側はまさかの敗北と、株価が気になるでしょう。保有の日本ハ株の含み損が増えれば自社の業績にも大きく足かせとなってしまうため、日本ハの株を保有することこそ「著しく企業価値を毀損する」元凶になりかねません。(なんと言う皮肉!) それにしても、開票結果は何時に判明したのでしょうか?株価の動きからすると、午後3時以前にはわかっていたことになりますが、ヤフー掲示板を見ても午後3時以降の書き込みで、総会は続行中ということになっています。ちょっと気になる動きです。
今後、原、カテリーナ、ランドマークは同じとみなされるのでしょうか?(それぞれが大量買付け希望の対象となるのか。即ち、例えばカテリーナ単独で買い増しを行うと「ルール違反」になるのか?)この辺もあいまいと感じます。
正直、日本の事例は様々な意味で追いかけるだけアホくさくなってきていますが、読者の方の親近感といったところからすると、日本企業の記事のほうがアクセス数がよい(と思う。楽天ブログはアフリエイト規制が厳しく、ニンジャツールなんてリンクできない)のですが、個人的には海外事例のほうがタメにもなるし、展開が面白く、かつ、ダイナミックなので、今後のエントリー主体がそちらにシフトするかもしれません。 海外=善、日本=悪・レベルが低い というわけでないことも具体的に感じてもらえると思っています(しかし、どちらかといえばそういった図式は当てはまることが多いというのがざっくりとした感想)。
私が推測する限り、当ブログの読者層はこんな感じです(個人名はわかるはずもないですが、ドメイン名はわかります)。皆様ありがとうございます。特に、2月ごろまでは1日150~200程度のアクセス数だったのが、最近は(特にアデランス事件以降)500前後に急増し、特に「Jパワー」という記事には反応が大きいようです。
以下推測する読者層 大企業に勤務の方。ただし、おおむね日本を代表する企業の方が多く、防衛策なんて導入されていない(と思われる)企業の方が多い。 大学関係者の方(教員の方か学生さんかはわからず)。しばし、大杉先生が取り上げてくださるので、急増中。日本を代表する大学のドメイン名が入っていたりすると、書くほうも緊張します。最近はどう考えても海外大学のドメイン名まで見受けられ、留学生の方もお読みいただいているらしい。 法律関係の方。Toshiさんのブログでかなりご紹介いただいたからかもしれません。自分はこの分野には詳しくないのと、買収防衛となるとどうしても「市場と法」といった構図が出来るので、少しネガティブに書くことが多く、申し訳ありません。しかし、日本の会社法は経営者に優しすぎるというのが率直な感想です(特段、弁護士の方に責任があるわけではないですが)。 それと利益相反についても制度なのか運用なのか、甘く感じています(認識不足かもしれませんが、日本社会で結構あいまいな側面だと思う)。 市場の参加者。個人の方から法人(と思わしき方)まで。こういったプロの方の目線まで内容が伴っているか正直疑問ですが、今後ともよろしくお願いします。 そして 当事者企業の方。出来るだけ、経営に絞ってウンチク書かせてもらっているので、従業員の方がお読みになると、賛否両論かもしれません。ただし、私は敵対的買収やアクティビズムの成功と従業員の幸・不幸は別問題だと思っています。もちろん現経営陣の覚えメデタイ方はネガティブに考えられるかと思いますが、要は必要な人材はどこでも誰でも必要とされるのです。 現在、アンハイザーブッシュとインベブの買収合戦でも、買収側のインベブはバド事業を一切リストラしないといっていますが、アンハイザー側は株価を引き上げるためにリストラを敢行するような声明文を出しています。 マツダや日産自動車も友好的なM&Aでしたが、大きなリストラが行われています。世論が勝手に「敵対的買収は必ず従業員を不幸にさせる」という根拠が希薄なメッセージを少しでも感じ取っていただければと思っています。日本板硝子や日産自動車などを見ていると、むしろ、従業員の方が一番変化を望んでいるのかもしれません。買収者は被買収企業に買収後、がんばってもらわないといけない宿命にあります。友好か敵対かを問わず。
マスコミ関係者? ネタ探しか巡回ロボットか著作権侵害を見回っていらっしゃるのか。書きぶりが恣意的だと思ったことは率直に申し上げさせていただいています。 その他 プロバイダ名だったりするので特定が出来ないですが、ありがとうございます。 Jパワーについて はじめは特段Jパワーを追いかけるつもりはありませんでした。海外のアクティビズムを調査するうち、日本の増配要求なんて子供だましぐらいにしか思えなくなり、海外のアクティビズムを少し具体的に調査しようということにしました。 そうすると、ナイトビンケとTCIに行き着きました。正直前者のほうが、「カルパースの代理人」という正当性、アタックする企業も自分の土地勘のある銀行(HSBCという世界最大級の銀行)で、アプローチ方法もしつこく、かつ、徹底しており、こういった事例のほうがよかったかもしれません。 TCIの方がやや過激でちょっとそのバックグラウンドが不透明なことがあったのは事実でしたが、「実績」が大きかったのと、日本でも投資活動を行っているということでTCIを追いかけているうちに、Jパワー問題が再燃したということです。そうするうちに、問題が大きくなりすぎた、というのが実感です。要は「株価を上げるためにもがんばります」というメッセージがあればそれでいいと思います。
総会が終わり、今後のエントリーネタの方向性について試行錯誤するかもしれません。ただし、事例を中心に深く突っ込んだエントリーが中心であるというのは継続を予定しています。経営戦略と同じで選択と集中(Deep & Narrow)で行きたいと思います。 バドワイザーは多分「その20」ぐらいまではやるかもしれません。ヤフーも遅れを挽回するかもしれません。モトローラも秋ごろから再燃するかもしれません。BHP等の資源ネタは溜まりまくっています。糞詰まりのような日本のネタより、当ブログの読者層からいたしますと、そういったネタのほうが実は貢献できるのかなあと思ったりもします(英語が大変ですが)。
今後ともご愛読のほどよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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