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元・経営コンサルタントの投資日記

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2009/02/02
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カテゴリ:投資一般


浮世絵.jpg

1月はダウ、S&P500とも前月比ダウンで終わりました。何でも1月がマイナス指標だとその年の通算インデックスリターンもマイナスになる確率が80%というジンクスがあり、米国の投資家の間では早くも暗雲がたれこもっているそうです。

しかし、年初の相場がなんとなく高揚感に満ちていたので、この辺までは「想定の範囲内」でした。

今週は米国の失業者数やISM指標など重要KPIが発表されます。また、ガイトナーさんが何か経済政策を発表するらしいですが、「バットバンク」構想ももう一つのようで、私にはオバマ政権と議会は「ハネムーン」という印象は受けません。今伝え聞いている政策は民主党だから仕方ないのでしょうが、かなり内向きな政策のように感じます。

日本の株式市場は日系企業の決算発表と米国指標の両にらみの展開となりそうで大シケの予感がありそうです。日経平均7000円割れも覚悟しなければならないかもしれません。私の持つ日本株式の3月決算予想値も「甘いんじゃない」と思えるものも中にはあります(4Q以降、もう一段の下方修正の予感)。

 

最近読んだ本

「今こそ知りたい、資産運用のセオリー」 竹中正治 光文社

 

 今こそ知りたい資産運用のセオリー

「ピーターリンチの株式投資の法則」 ピーターリンチ著、酒巻英雄監訳 ダイヤモンド社

 

前者は国際通貨研究所の部長で元東京銀行の外為ディーラーの方で今でも日経ビジネスオンラインでコラムを提供されている方の本。昨年末に出版。

後者はフィリディティ投信の元伝説的ファンドマネージャーでマゼランファンドの主催者。株式投資信託はインデックスに勝てないといわれている中で、気を吐いた投資信託業界の英雄と言えます。ずいぶん前に出版された本です。

 

この2人、およびウォーレン・バフェットなどに共通する投資のアドバイスがあります。「株式は下がったら買い、上がったら売る」。当たり前すぎて笑われるだろうが、それがそうでもありません。

特にピーターは、定期的に株式を買い続けることを提唱しており(もっともマゼランファンドの成績がよかったので、次々と新規マネーが入ってきたのだろう)、竹中氏は下落局面で買い下がる(ナンピン買い)以外に投資で勝てる道がない、と述べています。

バフェットは「人が臆しているときに買う」と同じことを言っていますが、「株式相場から離れろ」と上記2人と多少違ったことを述べています。

 

興味深かったのはピーターリンチが米国のバロンズという金融雑誌で毎年1月にカリスマ投資家数人を集めた座談会でその1年の相場を占う、と言う特集に参加していたとのくだり。

米国のスーパースター・ファンドマネージャーが1日8時間以上議論したらしいが、意見が一致せず、客観的に振り返ると、自分たちのいいたいことが今年は買いなのか売りなのかさっぱりわからないと自分で述べています。それだけ、第一級の投資家の間でも相場見通しが違うということです(私は自分で投資をやらない評論家の意見は「参考」程度にしか考えないようにしている。野球経験のない野球評論家の意見はごめんだ)。

ただし、87年のブラックマンデーや米国のイラク進行、レーガンの高金利政策によるドル崩壊理論などがあったにもかかわらず、相場は毎年上昇し続け、ゲームに参加し続けることの重要性を説いている点は非常に興味深いものです。

ブラックマンデーの翌年88年は、ネガティブな1年で、それまでほとんど意見の一致しなかった専門家集団でおおむね意見の集約を見たらしい。あのジム・ロジャーズは「金融界の人間と世界中の投資家が全滅してしまう」と述べたらしい。しかし、88年にダウ平均は10.7%上昇しています(ロジャーズはつい最近「ポンドは終わった」と発言し、英国ブラウン首相は怒ったらしい)。

ピーターは「投資の際には、いつも何かしらの心配の種はある。「貴方は間違っている」と言うだけで尊敬される投資家がいつもいるのである。そういった人たちよりも企業に対する理解を深め、信念を持って投資することが大切である」、「株式投資に必要なものは、MBAの学位でもなく、強い意志である」(彼は立派なMBAを持っていますが)と、「ボトムアップアプローチ」のフィリディティ投信とは思えない根性論を唱えています(もちろん分析の方法も述べていますが。彼が投資して大成功を収めたアイアコッカ時代のクライスラーはさしずめ今のGM・フォードの様な状況だったのかもしれない)。

と。また、竹中さんは「下落する相場で買い続けることが出来る体力が勝負」といっていたのは印象的(彼の提唱する外為FXのドルの先物売はかなり参考になる)。

株式投資にも最後にものを言うのが精神論だったのか。

しかしながら、マゼランファンドでさえ「運用報告書をかっこよく見せる」目的でIBMを所有していて、結果的に1000万ドルの損をした、というのも興味深い(どこかの和製長期ファンドがトヨタやキヤノンの株を保有しているのと同じ理由か?)。

 

最近めっきり「100年に1度の不況」という言葉が独り歩きしているような印象を受けます。思い切って「100年に1度の投資チャンス」といえないか?

 

と言いながら、下がると弱気になっちゃいますね。ゼネラルエレクトリックはトリプルAより配当を取るようで、もう一段下がりそう。買い下がろうか思案中・・・。






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Last updated  2009/02/02 08:33:18 AM
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