|
テーマ:株式投資日記(20511)
カテゴリ:投資一般
私は日興コーディアル証券を主力証券会社として株式取引を行っている身で、この話題は結構気になっていました。
たくさんのアナリストが日興シティ証券を退社してカバレッジが停止されたままの銘柄がたくさんあります。おかげで困っています(もっとも同社の評価基準だと、かなりの銘柄が「買い」推奨になってしまうが、業界動向などは参考になる)。 退社されたアナリストの方は、別の証券会社で活躍されているのだろうか? はやく社内の動揺を止めてほしい。
三井住友銀行は最大8000億円まで増資すると伝えられています。 しかし、 東芝に対する優先株の出資が2000億円、日興コーディアルに対して5000億円と「使い道」が決まっています(別途、三洋電機の株式売却で3000億円近く回収できるはずだが)。万が一増資できなかったら、どうなるんだろう?
似たような話があった。三菱UFJグループのモルガンスタンレーに対する出資約9000億円を行った後に、同額近くを公募や優先出資で調達しています。 三菱UFJ(MUFG)とモルガンスタンレー(MS)の株価(週足)推移 モルガンスタンレーは、三菱からの出資と前後して、米政府からも100億ドルの公的資金を得たため、信用不安が一層されました。その後、サブプライム証券等の債権を大幅に償却して(現在の簿価は当初価格から10~20%まで落としていると言う)、かつ、09年1QのM&Aアドバイザリーランキング1位を取得(ファイザーやメルクなどの製薬メーカー再編などでアドバイザーを獲得)するなど、本職の投資銀行業務が回復しています。 直前の1Q決算を赤字で終えるまでは株価は25ドル付近まで回復しています。実にわずか半年で100%の回復しています。 もっともモルガンスタンレーは本来証券会社なので、普通の銀行よりもアセットが軽いため、資本市場が回復すると一番先に手数料が稼げるポジションにいるという銀行とのビジネスモデルの違いが株価の回復に現れると思われますが、これじゃあ、増資に応じた投資家は直接モルガンスタンレーに出資した方が断然お得でしたね(将来三菱系企業の海外進出の際、モルガンスタンレーを活用する機会が増える可能性も高いが、それがMUFGの株価上昇の原動力となるかは今は未知数)。
三井住友銀行の日興コーディアル買収はどうなるでしょうか? 証券会社の買収ということだけでは多分株価には長期的に見てあまり反応しないと思います。コングロマリットディスカウントの典型ですね。 ただし、増資した余力で一層の不良債権の処理も行うと思われますから、これは株価にインパクトがあると思います。この狙いはGOODだと思います。 「増資力」 が示せます。 買収で 「金融帝国」 の版図は広がりますが、株主価値から見た場合、「裸の帝国」 にならないようにお願いしたいものです。
欧州銀行の衰退はほぼ例外なく証券業務の「管理不行き届き」が原因ですし、バンカメもシティも同様のミスを犯しています。証券業務の拡大はグローバルトレンドに逆行しています。「ユニバーサルバンキング」に今突っ込む正当性は見当たりません。 リテール証券の囲い込みということですが、囲い込んでいるお客さんは、銀行の保有する退屈な金融商品ではなく、もっとエキサイティングな商品を期待しているはずなので、結局ホールセール証券がほしくなると思います。 銀行はお客様とほぼ同じ目線で取引をしていますが、証券会社はお客様との関係は、ほぼ、こめつきバッタ状態です。カルチャーも違います。利用者としては、これ以上のアナリストのリストラは止めてほしいところだが、彼らの所属は日興シティ証券のはずですね。コーディアルと「セット販売」でないと、利用者としては意味がないし、一応シティのネットワークもあったのに、それがなくなってしまうというのも不便だ。
3~5年程度のスパンで見て三井住友銀行の増資に応じるのが得か、それともシティグループの株を直接買ったほうがお得か? 後者は株価が落ちるとこまで落ちているし、潰さないと米政府は言っている、というのがポイントになったりするかもしれませんね。
ただし、そのときはどちらもコングロマリットのままであることは確かそう(シティの方がコングリ度合いは軽いかもしれない)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/04/27 12:11:50 AM
コメント(0) | コメントを書く
[投資一般] カテゴリの最新記事
|