|
テーマ:株式投資日記(20510)
カテゴリ:投資一般
原油相場、商品相場とも上昇を続けています。特に原油はOPECが増産見送りで、1バレル60ドル台を固めつつあります。
鉄鉱石は新日鉄、ポスコが渦中のRioティントと一足早く、08年度比▲33%の価格で妥結してしまいました。 その後、新日鉄は速攻でトヨタと鋼板10%値下げを決めました。
資源エネルギーは景気が最悪の中でも下げ止まっています。トヨタは30%ダウンの生産調整を強いられながら、最高水準だった昨年の10%減程度の価格を受け入れた模様です。
米国債金利上昇に伴うインフレ懸念、または金利上昇が消費の芽を摘む危険性や強いてはドル安懸念を撒き散らしています(しかし、ユーロや円の方がもっと経済が弱いのではないか? ユーロ、円、米ドルの3つを比べると、消去法で米ドルが一番と思うのですが?先日のムーディズの日本国債への「おほめの言葉」(国民の貯蓄率が高くて、国債の消化が進みやすい環境というやつ。貯蓄率は過去一貫して相対的に高いんじゃなかったのか? 貯蓄率が高くても国民一般が買う国債なんて額が知れている)が効いてくるのかな?)
一方、グローバルリーディングカンパニーの経営トップのうち、消費者に距離の近いCEOの発言や方針に弱気の姿勢が目立っています。
トップバンクと言っても過言ではないHSBC Holdings Plc(UK)のグリーンCEOは2009年、2010年はタフな年になるといい、見通しに慎重姿勢を崩しません。この銀行は香港、中国、シンガポール、インドネシア、インドといった新興諸国に強い経営基盤を保有しており、ここで稼いでなんとか、欧米の債権償却を進めていくようなイメージです(一方、米銀の首脳は公的資金を返済したいばかりにやや強気発言が目立ちます)。
HSBCはRBSの保有するアジア資産買収に参加しない見通しです(私がSMBCだったら、日興なんて手を出さずに、こちらに手を出すだろうなあ)。
世界最大の家庭用品メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル、P&GのCEOも2009年度、2010年度の業績見通しを発表しましたが、アナリスト予想を下回る数値をガイダンスしています。それは弱気な数値でした。 また、同社はこれまでの高級品路線(洗剤Tideにもプレミアムからベーシックまであるそうです)から「お値打ち価格路線」にシフトして景気低迷下の消費者の生活防衛に備える方針を打ち出しています。 パンパースも安くなるのだろうか?ムーニーよりは確実に高かったと思う。 さらに、新興国でも販売拡大を図っていき、OECD諸国依存度を引き下げていくとのことです。これは日本の家電メーカーみたいな感じでしょうか?
さらに世界第二位のパソコンメーカー、デルコンピュータも「パソコン業界の景気は底打ちしていない」、と意外な発言でやや失望気味。デルの場合、消費者以上に法人顧客への依存が高いためそのような見通しもありかな、と思っていましたが、世界一位のヒューレット&パッカードもあまりさえない決算結果でした。 この第一四半期決算の第一陣だったインテルは「景気は底を打った」と言いましたが、それを使っているデルは否定しました。 マイクロソフトもついに減収に追い込まれています(社債を発行した資金で自己株式を買い取るらしい。買い取った自己株式でヤフー買収を再開するんでしょうか?)。 そういえば、GEのイメルトさんが日本に来て、景気が回復しているようなことを言っていましたが、彼は上流・下流とも位置するはずで、クレジットカード事業は大変厳しいはずなのに、どういうことだろう? 産業の上流では価格が高止まり、より消費者に近い下流ではネガティブな見通しを持っています(それが証拠に政府の見通しはなぜか楽観的)。 ということは遅かれ早かれ値下げ圧力に晒される可能性が出てくるのではないでしょうか? 無理やり値上げすることは、なかなか難しい環境になってきそうです。 上流の資源エネルギー会社は高い価格のイメージのままで、設備投資を行っているので、簡単にその水準を引き下げることが出来ないはずです。RioティントもBHPビリトンも鉄鉱石の増産には、鉄道・港湾の整備まで含んだ設備投資を必要とします。 しかし結局在庫の山を作っても仕方ないので、減産か安売りを強いられる可能性があります。
それとGM、クライスラーの再建問題。政府主導での法的整理再生。GMの社債権者が哀れだという意見もあるが、1,2年前にGMの社債を買う人なんてハゲタカ投資家以外にいた、ということの方が驚きです。仕方ないでしょう。 けどちょっと強引だったような気もする(クライスラーの担保付き債権を額面の8割カットはキツイ)。これが尾を引く可能性もある。
現時点では円高を利用して、さっさと値段交渉を決めた新日鉄が「技あり」かもしれません。とにかく09年度は損益を確定できそうな環境に持ち込みましたから。
しかし、インフレかデフレか? もうひと波乱がありそうです。やっぱりお金を印刷機であまりにもたくさん刷るとあまりいいことはない、というのは本当のようです。
このところ景況感が一日一日変わるなあ。が、マーケティングに長けているP&Gやデルの言葉は重いという発想が支配しつつあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[投資一般] カテゴリの最新記事
|