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テーマ:株式投資日記(20509)
カテゴリ:投資一般
5月の全米自動車販売台数が発表されました。ロイターによると、5月単月では前年比▲31.2%の922千台でした。09年1月以降では前年比▲35.6%となっており、依然30%割れが続いています。しかし、月次グラフで見ると(以下データ等はウォール・ストリート・ジャーナル紙のものを借用。ソースによっては数値が微妙に違います)・・・
2009年の1月頃が底打ちだった可能性があります。ただし、ガソリン価格も底打ちしており、販売台数はガソリン価格に敏感に左右される可能性も否定できません。 メーカー別シェアランキング5月 これよく見ると、5月に限ればシェアを落としているのはトヨタ、ホンダ、クライスラーで米国車、欧州車、特に韓国現代あたりのシェアは伸びています。日産はかろうじて横ばいをキープしていますが、トヨタの落ち込みが激しい。米国勢ではフォードのシェアが確実に回復に向かっています。GMはあれだけゴタゴタがあっても20%のシェアがあります(9位は 起亜自動車。GMの子会社のはず)。 メーカー別シェアトレンド トレンドで見ても、トヨタは凸凹の山が低くなっているように見えます。ここでもフォードの回復振りが見えてきました。 フォードはピックアップトラックの新型を春に発表し、さらに7月から+10%増産すると発表。GM、クライスラーが破産手続き中に一気にシェアアップを狙うつもりです。さらに新型トーラスが投入される見通しで、現在車種別の1位 ピックアップトラックとともに拡販していくと息巻いています。 09年5月は報奨金を減らしても、シェアがアップしており、経営陣は復活への手ごたえを感じていますし、多くのアメリカ人はダウ平均銘柄にGMの後釜はフォードがふさわしかったと思っているようです(シスコシステムズが採用される見通し)。 日本人がプリウスやインサイトを応援するように、あちらではフォードびいきモードが芽生えつつあります。 車種別の人気車ではフォードのフュージョンというセダンがモデルチェンジしたからか、唯一08年5月比較で増加しています。 これはフォードフュージョンのハイブリッド型。ミッドサイズセダンとして燃費34.5キロメートルの新記録を樹立したとのこと。
新車発表のタイミングなどもあるので単月のみで一喜一憂しても仕方ないのですが、とりあえず足元はこんな感じです。 特に昨年の今頃は原油価格が急騰し、燃費のいい日本車に人気があったので、その反動が大きく出ている可能性もあります。それと為替の影響もあるかもしれません。しかし、フォルクスワーゲンやBMWといったドイツ車もシェアが回復しているという事実は見逃せません。
オバマ大統領は自動車燃費規制を強化すると発表し、2016年までに1リットル15キロの燃費にしないと罰金となる見込みです。現在この燃費基準は、シュワルツネッガー知事のカリフォルニア州でのみ採用されている全米一厳しい基準ですが、これを全国基準とすべく動いています。 これが採用されると、2009年モデルではプリウス、シビックのハイブリッド以外は皆不合格となるらしく、自動車の燃費規制はグローバルレベルでさらに広がっていくのかもしれません。
世界一位の自動車市場は中国となってしまったようですが、さりとて中国で稼げるのか、といわれると日米とも厳しいのが本音でしょうから、米国自動車需要の回復はいろんな意味で重要になりますが厳しい規制の中、次の試練が各社に待ち受けています。
一方、原油は1バレル70ドル台が目前になってきました。原油が上がると日本車が売れる、エコブームも再開する、中東勢・ロシア(最近やや政治的に暴走しつつある)も潤う、イランも機嫌がよくなって外交的にもチャンスが広がる、しかし庶民が困る、という図式が出てきそうです。 あまり暴騰すると景気の芽を摘みかねませんので、ホドホドが皆の利益になるのでしょう。本来は地球温暖化の諸悪の根源ですが、値上がらないと誰もそういった騒ぎを起こさないと言う不思議な資源です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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