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テーマ:株式投資日記(20510)
カテゴリ:投資一般
NHK特集で放送している 「マネー資本主義」 特集(注:我が家は真面目に受信料を支払っています)。このテーマソングはなんだか、はかない気分になりますね。 若干、金融市場に誤解があるような点(ヘッジファンドは危険という前提など)もあるものの、赤裸々とその金融経済の裏方を映し出しています。 全5回のうち、昨日で3回目。
これまでは 1回目 暴走"はなぜ止められなかったのか ~アメリカ投資銀行の興亡~ 4月19日 2回目 "超金余り"はなぜ起きたのか? ~カリスマ指導者たちの誤算~ 5月17日 3回目 年金マネーの"熱狂"はなぜ起きたのか 6月14日
以後 4回目 天才たちが作り出した「禁断の果実」 ~金融工学・夢と暴走の軌跡~(仮) 7月19日 予定 5回目 世界はバブルの誘惑を断ち切れるか ~世界の賢者に聞く~(仮) 7月20日 予定
が予定されています(個人的には最期の「バブルの誘惑を断ち切れるか」という問いの答えには、難しいという気がしますが)。
昨今の株価急回復の要因の一つに、「投資しなければならない人々」 の存在がいる、という指摘がなされていますが、その最大の要因が年金基金でしょう。 やはり、NHKだけあって、かなり問題の本質にかかわった人々にインタビューをしています。この点はさすが。 カルパースの上級幹部へのインタビュー(ただし、現役というより、現役を退き、直接今回の損失の責任とは遠そうな人だったが)などは普通では見られない。 特に欧米の年金基金は、給付レベルも高く、日本よりも加入者の圧力も強いため、「損を取り返す」 必要性は今の相場の加熱振りから見ると、今回益々高くなっているような気がいたします。
日本では、こういったときは、大衆紙を初めとするマスコミからうがった見方で、「株式投資はバクチ」 的な見方が支配的になりがちで、年金運用者は高い給付レベルと狭い投資選択肢(株式投資はなかなか理解を得にくい環境があるかもしれない)の中で、悪戦苦闘するかもしれません。 物事の本質は欧米よりも日本のほうが切羽詰っているはずなのに・・・。
そういえば、07年ごろも 「過剰流動性」、「グローバルマネー」 と盛んに言われていました。それがサブプライムバブル崩壊で、一気に 「流動性不足」(これは主に金融機関同士の決済資金のことですが)といわれ、今また、「過剰流動性問題」(今回は、各国政府支出と戻ってきた投資資金の双方をさしていると思う)が発生しています。 兆円を超す資金の運用というのは、想像を絶してしまいます。もちろん地銀クラスだと、おおむねそのレベルを超える資金を運用していますが、それをマンハッタンのオフィスのディーリングルーム(何人いるんだろう)で、毎年20%を超えるリターンを挙げる・・・。 要するに地銀と同じレベルの資金運用を地銀の何百分の一の効率性で、地銀よりもはるかに高いリターンを出しています。えっ?銀行預金は絶対安全だって? 地銀では今も公的資金漬になっているところはありますし、不良債権処理、や持ち合い株の損失処理などに追われているから損を出すのは同じようなもの、と仮定すれば、日本の地方銀行レベルの運用の非効率性もまた浮き彫りにされる。 農林中金は、ほとんど攻守逆転のような増資を行いましたが(過去には危機に陥った農協の資本注入をやったんじゃなかったか? 今回はその疲れ果てているはずの地方の農協等から増資を仰ぐ)、じゃあ、今後何に運用するのでしょうか?? オーバーバンキングにならないと騒がれない。 ヘッジファンドと銀行では社会的使命が違いますので、これ以上議論しても意味ないですが・・・。 (個人的には黒人社長の運営するヘッジファンドに好感を持った)
これからも資金の運用者側である年金基金は、運用委託先に益々効率性とハイリターンを求めてくることでしょう。これまでは、「株主の分際で、経営に口出しするな」 という風潮が日本にはありますが、そのうち、本格的に運用先の効率性や意思決定の透明性などに口出しする機会が増えるかもしれません。 なにせ、「高い利回りで 運用しなければならない」 のですから。
世界はバブルの誘惑を断ち切れるか? 応えは 「報道メディアは、出来事を客観的に伝える観察者という体裁をとっているが、実際には出来事の当事者となっている」 (ロバート・シラー、「株式投資の未来」よりシラー氏はS&Pケースシラー住宅指数の生みの親の一人)。 というように、群集心理をあおりだしている。
また、こういった運用をしなければならない人たち(もちろん私の加入する厚生年金基金も同じだろうが)、はたまた私たち個人投資家も含め、ブームアンドバーストをこらからも繰り返すのでしょう。 むしろ、ブームアンドバーストを前提とした投資計画を立てていくことのほうが、「安全運用」かもしれません。バーストしたときに、いかに機動的に動けるか、を考えていきたいと思います。 (経営破たんさえなければ)株価は元に戻っても、配当は出し続けるのが企業ですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/06/15 12:19:23 AM
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