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元・経営コンサルタントの投資日記

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2009/07/19
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カテゴリ:投資一般
注目のシティグループと、バンクオブアメリカの2Q決算が発表されました。

各紙では「予想外」に黒字だった、と書き立てましたが、本当に予想外だったのでしょうか?

シティはスミスバーニー証券をモルガンスタンレーに売却することに合意、日興コーディアルの三井住友Gへの売却など、証券部門の売却を合いついて発表しています。

この売却益(特に前者)を取りこぼしていた、なんてことはありえない(後者は3Q決算でしょうか)。

Morgan Stanley and Citi Launch Joint Venture to Create New Global Leader in Wealth Management

6月に発足。

このニュースの第一報は

Citi may get at least $2 billion for Smith Barney deal

と2,000億円程度の収入(実際は1.1兆円!)は見込んでいたはずだ(注:1ドルを100円と便宜上みなす)。

 

バンカメも中国建設銀株の売却はきちんと発表されていました。

Bank of America sells stake in China Construction Bank

これにより約5300億円の収入があったようです。

 

アナリスト各氏が、これを漏らしたから、アナリストの事前の業績予想が「粉飾」されていた可能性があるのだろうか?(米国では不況のときはアナリスト予想は低くなりがちであるというデータがあるようです)

 

日本企業で言えば、子会社売却に伴う株式売却益により、黒字を演出したに過ぎません。

クレジットカードの延滞や住宅価格は下落が終わったわけではありません。ここに来て商業不動産の下げもきつくなってきました。

即ち、保有債権は保有し続けると、益々減価される可能性が高くなっていますので、多少安くともさっさと分離した方が、損を確定できてよいはずです(はやくPPIFが始動しなければならないと思います)。

株式投資で言えば、銀行が不良債権を引き当てだけで済まして、保有し続けることは、他人が空売りしている銘柄を弱気相場の中で保有し続けるようなものです(益々損が広がる)。

 

底を打つまでには、もう2~4四半期(半年から1年)様子を見ていた方がよいかもしれませんが、株式相場がこれから、両行を必要以上に売り込めば、打診買いもいいかもしれません(特にバンカメ)。

 

シティの不良債権比率の推移。5.88%。依然上昇中。

してぃ1.gif

 

決算は

皮肉にも、証券業務+で、銀行業務- で証券が銀行を補っていますね。

 

さらに、

GSの決算がよかったのは、ある程度読めた感じがありますが(冬から、リスクをとって、トレーディングで稼ぐと言っていた)、インテルの売上高増加の方が、マーケットインパクトは強かったようです。

しかし、インテルの決算のほんの数日前、デルコンピュータは「PC業界の需要底打ちはまだまだだ」と発言したばかりなので、インテルの決算は意外だったようですが、どちらが本当なのでしょうか? パソコン世界一位のヒューレットパッカードの決算を見た方が無難かもしれません。

6月中旬からの下降相場が一気に急上昇となっているのは、また急下降がありえるのではないかと勘ぐってしまいます。

 

この2Q決算は総じて、アナリストの事前予想が「控え目」なので、ポジティブサプライズが多いようですが、私の投資先 Abbot Laboratories(ABT) は決算が予想通りだったにもかかわらず、主力製品の売上高が予想以下だった、という理由で売り込まれてしまいました(押し目買いを考えていますが)。

市場は単純にコストカットして利益を出した、では評価されず、明確な売上高増加という結果を求めているような気がします。

市場の期待ははっきりした増収シナリオになっていますので、足元実態とはまだまだ、「期待先行」が強い印象を持ちました。

 

なおかつ、ABTの決算説明会でアナリストが指摘していましたが、在庫調整完了に伴う売上高増加(要するに問屋が在庫不足になったため、少し在庫を持とうとしたので、本来の需要以上に一時的に出荷増加になっている分があるのでは、という質問があった。会社側は「その可能性は否定できない」といっていました)というイレギュラー要因がある可能性も否定できないので、3Q決算での売上高トレンドは注視した方がいいかもしれません。

 

また、ABTは米国外売上高が半分以上を占めるため、為替が非常に大きく決算に影響を及ぼしていました(ドルは円以外では高くなっている)。増収分の大半がかき消されていました。

 

結論としましては、業界にもよりますが、個人的に勝手に、夏~秋にかけてゆり戻しがあるボックス圏相場が続きそうな気がします。引き続き、各銘柄の自分で定めた買いのターゲットプライスになるまでは様子見を続けます。

ただし、ABTなどの米国外売上高比率の多い企業は2010年度では為替の影響もなくなるので、自律的な業績回復基調になりそうな気がしています(これは日本企業にも当てはまるかもしれませんが)。






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Last updated  2009/07/19 10:07:54 AM
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