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テーマ:株式投資日記(20508)
カテゴリ:投資一般
米国株投資を行っているので(若干の香港ドル投資もある)、為替レートというのは気になります。為替レートは以前はどっちに転ぶか皆目検討がつかない、単純に日本経済が衰退するので円安かなあ、と思っていました。
しかし、賢い人の本を読んで、今の状態では長期円高が今後とも継続する、ということで今は腹落ちしております。
特に参考にしたのは2人の日本人です。
藤巻健史氏
竹中正治氏 藤巻氏はあの有名な「伝説のトレーダー」として名をはせた方で、著書も多数あります。実弟はあの元福助の社長さんですね。 一橋大、三井信託、JPモルガン銀行を経て現在独立されています。
竹中氏は現在、京都の竜谷大学の教授でエコノミストです。 東大 東京銀行 東京三菱 国際通貨研究所 を経て現在大学教授をされています。
共通する点 外為ディーラー(トレーダー)を経験。藤巻氏は説明の必要がないでしょう。竹中氏は東銀の為替ディーラー(東銀のディーラーということは、邦銀最先端のディーラー部隊の一員だった)という点、その後三菱と合併してもその道を歩んでおられます。ディーラー引退?後、経済調査を担当され、それが縁で、今の道に進まれていると推察します。
相違点 藤巻氏は己の才覚を信じて、外銀へ転職。一気に花が開く。JPモルガン東京支店長退職後は長者番付に名が載ったらしい。当時米銀の支店長で日本人だったのは彼だけだったようだ。 竹中氏は、大卒以来就職先で、正直 「肩たたき」 にあうまで同じ銀行に勤務。しかし、その能力の高さを買われ、今はエコノミスト(市場を知っているエコノミストとして存在価値は希少だと思う)。
人生(私の想像) 藤巻氏は浮き沈みの激しい人生で、大勝利をおさめたモルガン時代とやや失敗の独立時代(リーマンショック時の大暴落)を持ちわあせる。 竹中氏は、「日本の銀行マン」らしい? 着実な人生を歩んでおられる。形容すると「負けない人生」と言いましょうか? 出世はかなわなかったようですが、個人の能力は認められていますし、著作を拝見すると、投資の道でも確実な成果を上げておられる。
外為観? 肝心の外国為替に対する考え方ですが、これを言及するために2人の特徴を申し上げたようなものです。
藤巻氏は、もう根っからの相場師といった感じです。経常収支説と経済力を反映したものが為替であるというのが主説と感じました。日本の経済力が衰退すると円高圧力が円安に代わってしまう、とする説です。ただし、彼は自らもその方向に投資していて、ポジショントークも混じっていることを素直に告白されています。今の円高が行き過ぎているとはっきり主張。為替は国の経済力を反映するため、ドル円は200円ぐらいでもおかしくないと(極端な気がする)。(今の)日本経済のためには円安がよいとも。
竹中氏は、やはりエコノミスト的切り口で、購買力平価を主説とされています。ただし、平価と言っても、基準を極端に外れることがあるのが相場であり、現在の円高は理論値からすれば、やや行き過ぎである、と述べられています。 我々にうれしいのは、サラリーマン的視点での投資アドバイスが入っている点です。
藤巻氏の相場観はやや願望めいたものがあるし、やや短期的な視点が混じっている。昔は「俺がしゃべったとおりに為替が動いたものだ」と。竹中氏は逆に短期的には、どっちに転ぶかわからないが、長期的には購買力平価に基づき円高になるというもの。藤井財務相もこの路線を述べているものと推察されます。
その他経済観 米国経済については、共通している。特に2人とも資産効果説(単純にいえば、株価や土地が値上がりすると、羽振りが良くなって景気が良くなる)を重視されており、米国の資産効果ダメージは過剰に悲観的であると述べています。 アプローチの仕方は藤巻氏のそれは、ややアナログ的な面が否めないが、竹中氏は完璧な分析がある。 2009年8月「米国経済の復活。過大評価されている家計のバランスシート調整のインパクト」
私も(継続調査中ながら)アメリカのサブプライムローン証券の減損は過剰減損ではないか、と感じる面が多い。
こういった意見を聞くと、米国株に強気になれる。
日本経済については、竹中氏の資料からはうかがい知れないがおおむね今の金融を悪とする意見には否定的で、これも同感。藤巻氏は日本国債バブル崩壊説で金利急騰、インフレ到来を予言?している。二人ともどちらかと言えば悲観的。やはり過少税収、過大予算という点に尽きる。
個人的な好き嫌い 2人とも今現在は円高が進み過ぎており、いずれ揺り戻りがあるという点は共通。ただし、藤巻氏はやや極論的なところあり。竹中氏は非常に理路整然としていて、納得感がある。 藤巻氏には、経済ニュースの読み方が非常に参考になる。ウラを読むとまではいかないが、しゃべった本人の都合をよく考えるべきだ、というのは納得感がある。100年に一度の経済危機からこんなに簡単に立ち直るのはおかしいですよね。 2人とも自らポジションを取って投資を語る点は共感できる。リスクを取らない頭でっかちな評論家は政府の飼い犬に等しい。
結論 一気に10%の円高ドル安になって、自らのドル資産が10%も毀損したと仮定しよう。しかし、その時は米国株式市場ではなく、日本株式市場が大混乱に陥っているので、日本株PFはたぶん10%の毀損で済まないと思います(今回のサブプライムバブルでは、ダウが14,000ドルから7,000ドル、日経平均は18,000円から7,000円ですからね)。 ドル安になるということは、米国企業の輸出競争力が増すので、米国株に有利に働きます。インフレも同じことで、株式投資に有利になります(資産効果も出てくる)。
したがって、短期的な為替レートの変動を気にせず、ドル投資を行っていくつもりです。もちろん円が105円を超えるような羽目になってしまいますと、FXでドルの先物売りを噛ませてヘッジを行いますが、今はとことん円高につき合う予定です。 この前、米国株投資を始めた2008年6月ごろからの通算した個人の総平均のドル換算レートは96.1円、2009年に入っても93.12円であった。この程度の円高であれば株高で充分おつりが来る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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