総括(米国株は深夜零時の途中経過)
REIT安と円高にやられた1か月でした。
米国株:ちょっと不安ながらも、大幅改善。上位PFの上昇率が大きく寄与。10月末の下落が単なる機関投資家の利益確定売りだったことを裏付けた可能性大。ただし、円高・ドル安で改善幅が半減してしまった。
為替中立ベースで11%の上昇だったが、円換算ベースでは6%の上昇に留まる。
日本株:ディフェンシブ銘柄が多いため、微減で済んだ。決算が好調だった朝日インテックが30日の相場で結構上がってくれたのがよかった。
REIT:うわ~。9%も減少したんじゃ、被害大。民主党の「無責任デフレ発言」 による不動産価格、不動産賃料の先安感が一層祟ったのだろう。投資家の利益確定の意味もある。将来の希薄化懸念もあるのだろう。じっと我慢。
月間MVP(月に+15%以上上昇した銘柄)
Ford Motor Company +25.6%
来ました。第三四半期の大幅黒字達成、欧米での確実なシェアアップ、10月の米自動車販売台数の堅調さ、主力車種(フィエスタ、フォーカス、トーラス、Fシリーズ軽トラックなど)の性能に対する評価が改善、BRICS各国での増産や新工場立ち上げの積極投資、ボルボ売却案件の進展、そして極めつけはジョージ・ソロスの大量保有報告がプラス材料。
マイナス材料は引き続きくすぶる労組問題、増資による希薄化、金融部門の金融債権の減少、2010年の欧州における補助金打ち切りによる販売反動懸念、GMの追い上げ懸念などである。
Dow Chemical Company +19.1%
先月末の利益確定による下げの反動もある。しかし、IRで中期計画を披露。2012年に2008年と比較して、EPSを倍増するという野心的なもの。仮に目標EPSを達成し、PERを15倍とした場合、株価は65~70ドルに跳ね上がる。月末の株価は深夜現在27.95ドルだった。この中期計画は、ローム&ハースと言う電子材料に強い競合他社を強引に買収し、合併も完了し、資金調達のゴタゴタも終わって、投資家に New Dowを示す必要性から行われたもの。
65ドルは大袈裟かもしれないが、経営陣のやる気は十分伝わってくるもので、市場は素直に好感した。歴史と伝統と実績のある会社の計画である点がポイント。
フォードとダウは2010年を通じても当面ホールド予定。
次点
日本株やREITでプラスで終わったものは朝日インテックだけだった(+6.6%)ので、すべて米国株が今月のPFの維持に寄与している格好。
S&P500をアウトパフォームしたものに、P&G、アボットラボのディフェンシブながらグローバル企業がある。アフラックやHSBCも結局はあうとパフォーム。ドル安を反映しているのだろう。
A級戦犯(-10%以上)
アイチコーポレーション -19.1%
プレミア投資法人 -10.2%
アドバンスレジデンス投資法人 -12.6%
REITの下落は上述の通り。
アイチコーポの下落はよくわからない。建設機械市場や国内市場の悪さはずっと前から当然のことのはず。たぶんトヨタグループ=円高=株安という流れを引きずっているのだろう。しかし、国内向けが60%を超える当社はそれほど為替に敏感ではないのだが?
プラネットは買ってから2か月で-16%も下落。第一三共も薬価改正や円高で2カ月で-8.8%も下落。第一三共は反発予想があるのでこのままでもいいが、プラネットは安値放置圏内に入ったのだろうか?11月締めの1Q決算を見なければ何とも言えないが、国内化粧品メーカー等は売上がいま一つなのでかんばしくない可能性もある。配当利回り的には大いにお買い得水準でもある。減配はあり得ないだろう。損切りするつもりは今のところない。
銘柄異動
今月は静止を決めていたが、ドバイショックで急きょ変更。
売り:MSCIコクサイ為替予約なしを一部売却。目先の円高に嫌気。
買い:まさか、と思い指値をしていたREIT-ETF(野村)が刺さってしまった。買値には納得していますが、下がったものです。直近の分配金は100口当たり、1500円。私の買値は100口当たり85,000円だった。分配金の下落&希薄化懸念が残るが、仮に1300円とすれば、1300×4回 ÷ 85,000=6.1%の利回りになる。果たして皮算用は?
HSBC これはすでに記載済み。現時点でのドバイ懸念はひとまず収まっているようです。こんな事件でもなければ高くて買えない人気銘柄。株価はひとまず反発している。
12月のストラテジー
出来るだけ我慢(と言いつつ我慢できたことがない)。
日経平均はこうなれば3月末に向けた、弱気相場となるような気がする。
年明けの動向次第で買い出動もあるかも。日経平均9000円割れかTOPIX800割れが欲しい。
米国は、住宅市場はちょっと回復イメージがつかなくなってきた。12月は特に目当てがない(強いて言えばP&Gを買い増ししたい)ため、様子見予定。
ただし来季に向けた種まきは行う予定。
11月で興味深い点は、ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロスの巨匠2人がそろって、ウォルマート株を大量に買い込んだことが判明したこと。
米国でまさかのデフレを示唆するものなのか、景気低迷を先取りしたものか、(ドル安を含めた)その新興国を含めた成長性とバリュエーション(予想PERが13.8倍!)からピックしたのかわかりませんが、高い高いと言われている米国株のPERもこの程度です。
ソロスが米国株にロングポジションを取っている点は見逃せない(ドルショート、米国株買いか???)。