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カテゴリ:投資一般
最近読んだ野村とゴールドマンサックスの分析および楽天証券の堀古氏のダウ平均ETFネット講演から。 はじめにお断りいたしますが、証券会社の予想は、その時々ですぐに変わりますので、下記の各社の意見が当該企業の以後の予想で金科玉条にはならない点を留意しておいてください。プロ野球の優勝予想でも、ひどい人なんてゴールデンウイーク過ぎると変わっちゃう人もいますしね(笑)。軽い読み物という位置づけということにしてください。 12月14日付 野村證券(グローバルストラテジーウイークリー) 米国 18% 日本 22%
12月11日付 ゴールドマンサックス(「US Weekly Kickstart」より) S&P500 13% → 1250
それぞれプラスだと言っています(上昇率の起点がレポート発表の前日終値)。
一方、楽天証券で解説した堀古氏は ダウ平均にネガティブな予想をされています(数値予想はなかった)。 彼の2010年悲観論は首尾一貫しています。
一応、野村証券は日米欧のアナリストがそれぞれ分析しています。 (今回の一連の増資引き受けの大半の幹事になっていることは留意する必要性がある)
野村とGSは株価のバリュエーションは、予想PERベースでは水準並み(以前ダウ平均で見ましたが、私も従来からそう思う)と言う前提に立っています。 GSのレポートからS&P500の12か月予想PER (NTM P/E)、と12か月実績PBR(LTM P/B)のヒストリカル推移。 強気予想の前提は
業績回復と低金利が主要根拠。Jobless Recoveryを示唆。
一方、堀古氏の悲観前提は
GSと堀古氏は、年前半はポジティブですが、後半以降はやや弱気です。 GSのS&P500指数の2010年予想は、年前半には1300に達し(+17~18%)、後半はFRB利上げ観測懸念から1250ぐらいまで戻すと予測しています。着地+13%アップ。
野村の予想は、米国の場合、おおむねS&P500レベルで1300を示唆しますので、GSの後半の下げがないケースに近いイメージですね。 GSは+13%の上昇率は1928年以来、61番目の水準だとのこと(そんなにアグレッシブな数字ではないと言いたいのだろうか?)。 ちなみに、野村は景気循環株に弱気で、ヘルスケアに強気ですが、GSは正反対でした。
GSの予想PERから察するに、米国株は2010年を通しても適正なバリュエーション(予想PER15倍前後)が維持される予定です。S&P500が1300の場合、15.8x、1250だと13.7xと言っています(当然企業収益が市場予想通りに推移する前提です)。
さらに2011年もEPSの増益を見込んでいます。したがって2011年も強気相場が継続するとみているようです。業績相場ということでしょう。2011年のEPSは2007年2Qに限りなく近づくそうです。サブプライムバブル期に戻るはずだと(本当ならすごいことだ!)。 GSの向こう12か月間のS&P500予想(下記EPSは営業利益ベースとのことですが)。2010年に$90は2011年のミスプリだと思います。 野村は景気循環株にはもう好材料が織り込まれている、と言いながら日本株に強気な結論は、円安の影響を織り込んでいますが、ちょっと矛盾あり。 (米国の)ヘルスケアは医療制度改革があったりして、十分低いバリュエーションだと思いますが、GSが弱気なのもなぜだと感じました。ただし、予想PERと株価のトレンドについては納得感あり(私の個別ポートフォリオの予想PERも似たような感じ)。 堀古氏の弱気予想は、2010年は米国の中間選挙という点を考慮していないことと(追加刺激策も辞さないと思う)、金利下げ止まりの場合、資産価格にはむしろプラスに作用するのでは、という疑問が残りました(彼はスタグフレーションを気にしていた)。 けど弱気派の意見は常に引っかかるんですよね。頭のどこかに。 3者に共通するのは、来年末には米国の金融緩和策のEXITが近いという前提です。
堀古氏の弱気論は多少マクロすぎて具体性に欠けるきらいがありますが、プロ野球解説者が「来年もペナントレースは盛りだくさんです」と言わないと盛り上がらないのと同様、マーケットの「プロ」も来年は盛りだくさんといっているのか、と思いますが、かといって、今やリーマンの知能を吸収した日本最強の野村と世界最強証券会社のGSさんの意見も無視できない、結局どっちやねんって感じ。 が、個人的なファンダメンタルズ重視感覚からいくと、GS・野村よりな見方をメインシナリオと思っています。
尚、日本株を語る上で、必須な為替は、GSは2010年末に105円、モルスタは100円(フェルドマン氏)と予想し、野村もレートこそ記載がないものの、いくらかの円安を期待しているようです。野村の日本株強気論は円安に支えられています。潮目は円安に向かっています。 これらは、年後半の米国の利上げ観測と日銀の追加緩和策を前提としているようです。 が、為替や株式の相場予想は、竹中正治氏の 「相場予想庁」 パラドックス(ジョージソロスの理論に近いと思う)の例もありますので、みなが上がる、と考えるとその逆を突かれる可能性も残ります。 特に日本の相場はそもそも業績予測が難しい業種が多い。野村さんのおかげで株式の需給という問題もある(だから余計ラッパを吹いているといううがった見方も否定できない)。 鬼だけが笑う結果は避けたいなあ。 (注:投資判断は各自でお願いします)
【ご参考】 GSの米国経済のマクロ前提をご紹介 2010年の右肩下がりのイメージは堀古氏のイメージに近いと思う(これたぶん名目GDPだと思う)
一気に円安に振れますね。円が105円で原油が95ドルだと、ガソリンはまたレギュラー1リットル180円とかになるのでしょうか? 銅も金も高い(ドルが高くなって金も高くなるイメージが私には湧かない)。 2011年の失業率10.7%!! でGDP2.4%成長は正直実感できない・・・。 2010年の10.3%でS&P500が1250に達するというのも、株価と景気の「体感温度」差が大きいなあ。住宅投資がすごい伸び。GSさん秘策があるのかな?金利上がりませんね。 が、もし2ケタ失業率でS&P500が1200を超えるのなら、米国企業の生産性や競争力はより一層強化されることを意味しますので、怖いですね(もっともGSはBRICs市場に強い、高いCF創出力のある企業への投資を勧めています)。 仮に2011年のEPSも予想通りに推移すれば、これ即ち、奇跡的な 「100年に一度のV字型回復」 になってしまいます。 その場合、雇用急回復局面が自然と発生するような気がします。 2010年を乗り越えると、2011年はインフレなく体感可能な景気回復が待っているのでしょうか?それとも 「ニューノーマル」? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/12/20 07:35:49 PM
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