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カテゴリ:投資一般
前回の10周年講習会に続く出席となりました。 楽天証券 サービス開始10周年記念投資セミナー 雑感 09/7/12
今回は前回より公演者の質的充実があったように思いました。今回の目玉は伊藤元重東京大学院教授でしたが、竹中平蔵氏やおなじみ堀古氏も公演してくれました。
基本的にこの3人が聞きたい人だったので、この時点で帰ってきました。 3者3様のモノの見方でしたが、前回の榊原英輔さんや森永卓郎さんより質的な内容は充実していたと思います。 大雑把な公演の解釈は独断と偏見が混じりますが、
全体的な論点では竹中氏と伊藤氏は食い違った日本のマクロ経済観があったのは驚き。 3人ともテレビで見るよりはるかに生き生きとした表情で持論を展開されていた点はナマで見てよかった点(言い換えるとテレビではいいたいことを言っていないということですね)。
初めに、(証券会社の講演会ですから、割り引かなければいけませんが)3人とも共通する表現がありました。「何もしないのが最大のリスク」という点ですね。 自分の意見に一番近かったのが伊藤教授だったので、感想は完全な独断ですね。
竹中平蔵氏 基本的には本やTVと同じで、日本の経済はこれだけ政治政策がひどくてもこの程度で済んでいるのだから、そこが正しい方向を向けば、その潜在能力は高いはずだという感じ。 変化を受け入れることの出来ない日本の社会(直接的には族議員と官僚組織)に警笛を鳴らす。中国経済はひずみが来るだろうと言っていました。いまや日本と同じGDPの国が10%前後も成長するのは常道を逸していると。上海万博以降は要注意とのこと。 民主党の政策はバッサリ。民主党はいずれ市場と向き合う政策を採らざるを得ないはずだと(納得感あり)。 景況感は夏以降に要注意といった感じ。需給ギャップは景気が回復すれば自然と治癒されるので、財政出動が必要で、その規模は数兆円単位とほのめかす。 W型回復論者ですが、悪材料出尽くし感がないことが根拠のようです。
堀古氏 おおむねこれまでの議論どおり。かつてトリプルAのものは大半が破綻や格下になった。米国債が格下されないリスクがない、とは言い切れない。 金に投資しているといっていましたね。それはお金の印刷競争がまだ続くからですね。 しかし、あれだけアメリカ経済に否定的なのに、なぜ年後半にダウ平均が反発すると言っているのか質問できればと思ったが、時間がなかった。
伊藤氏 少しだけ日本経済について言及がありましたが、バブル崩壊以降、GDP需要ギャップはずっと存在していた、2004年から2006年ごろに初めてこれが解消されただけで、このデフレーター部分は根雪に近いものであり、これを除去しなければデフレは解消しないとのこと。 私もこの意見に賛成です(解消は非常に難しいですけど)。竹中さんは景気がよくなれば解消するとご発言。 世界のお金の流れは、先進国の富が新興国や商品に向かうのは今後もトレンドであるだろうと。 世界経済についてはそれほど目新しいことはなかった。アメリカ経済の本質的な強さとアジア経済の復興にうまく乗っかっていくことに注目すべきという感じ。 短期的なバブルの崩壊については、あるけど大きく気にする必要がないだろうと。 アメリカ経済の本質的強さについては、企業が既にグローバルな点で各産業のリーダー的存在が多いこと、人口は毎年300万人程度の増加が見込まれること、これらは有色人種(ヒスパニッシュと移民)によってもたらされるが、移民の中には各国最高の頭脳を持ったものが大挙やってくるので、競争力がますます強くなるだろうと。これが、中国やインドよりも、もっと可能性を秘めた「新興国」だという意見(agree)。
竹中・堀古ご両氏は2番底懸念論者で、伊藤氏は取りこし苦労になる可能性を言及されていました。
まあ、いろんなご意見がありますが、物事を捉える時間軸を長めに取っておくと、世界経済全体はそんなに悲観する必要がないと思っています。日本経済はいかにおこぼれに授かるか、という見方は皆同じようですね。 竹中・伊藤ご両人とも、マスコミや専門家の中身をよく選んで情報収集しろとアドバイスがありました。私はこのご両人は、多分大丈夫だと思いますが、果たして。
楽天なんだから、広瀬さんのご登場もお願いしたかったところ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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