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元・経営コンサルタントの投資日記

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2010/01/30
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カテゴリ:投資成績
 

 

1月.gif

 

概況

後半の下げがきつかったですね。米国の第4四半期GDP速報値(5.7%)はGSさんの予想値5.8%とほぼ同じで、GSさん、さすがですね。当初はこの速報値が出たら、「好材料出尽くし」感から下げに転ずるのでは、と思っていました(今回のGDP成長率は在庫投資の集中に伴う 「最大瞬間風速」 )。

相場は色々理由付け(金融規制、失業率、ギリシャ、中国etc)されていますが、3月に政府による米国債やMBSの買い取り終了が現実化されるため、その後の金利動向や、イージー・マネーの撤退などがもっと大きい原因じゃないかと思います。彼らにはうまい逃げ口実が出来た。金も原油も商品も下落傾向です(ドルがイマイチでユーロも下落すれば金が上がってもおかしくない)。

次はいよいよ業績相場への転換点を探るのでしょうか?それはしばらく先になりそう。

 

米国株

私のポートフォリオの決算発表も折り返し地点を過ぎましたが、フォードを見ればわかるように、業績は良かったです。けど株価は下げています。バリュエーション的には改善してきました。S&P500の実績PERは31.9倍もありますが、予想ベースでは14.06倍です。私のPFも下げすぎの銘柄が出てきました(2010年のEPS成長率は13%と期待されるアボットラボラトリーズの予想PERは11.4倍です。2009年は11.5%のEPS成長でした)。

 

日本株

堅調でした。ユニチャームペットケアは決算が良いと確信していましたが、素直に株価に反映され、ホッとしました。最近はウォール街(外為)と直接関係のない好配当内需型株を虎視眈々と狙っています。

 

J-REIT

空室率、平均賃料とも改善が見られませんが、指数は上がっていきます。日本ビルファンドの投資法人債、起債再開ニュースなど明るい兆しもありますが、スタンダード&プアーズ辺りは、過熱化を戒めています。それでも不動産取引は徐々に活発化されるでしょう。銀行もたっぷり増資しましたので融資に余裕が出てきているところもあります。私もボチボチ買い増しに動かねばならない状況です。

 

月間MVP(+15%以上) なし。比較的パフォーマンスが良かったものに、フォード(+8.4%)、アフラック(+4.7%)、朝日インテック(+6.9%)、ユニチャームペットケア(+4.3%)がありました。フォードはちょっとミニバブル化していますね。この3ヶ月で実に60%ぐらい上昇している。

 

A級戦犯(-15%以上)

アルコア-21% 昨年末、勝手に20%以上も上昇し、今月同じだけ下げた格好。中国景気引き締めインパクトが大きいと思う。場合によっては押し目買いも。

フレディマック -19.7% これも昨年末、米政府がほぼ無制限に支援すると発表したことを受けて急騰。今月はまたしぼんだ格好。当社のCEOが、「住宅価格は多少のゆり戻しがあったとしても、最悪期を脱した可能性がある」と注目すべきコメントがあった。GSEのトップが住宅市場に前向きな発言とは頼もしい。

 

銘柄移動

売り;なし

買い;バンクオブアメリカを少々。私の今年の「種まき」業界が米国金融業界です。PBR0.68倍です。コア・ティア1比率7.8%、ティア1比率10.4%です。

ちなみに、増資したばかりの三井住友グループのこれらの比率は、PBR1.14倍、コア・ティア1が7%程度、でティア1比率が10%台とのことです。

バンカメの業況は何とか、証券部門の利益でリテールの損失を補填して最終損益の帳尻を合わせている状況です。これがもう2から3四半期続くと思いますが、大きな資本の毀損をきたすことはないでしょう。政府優先株配当(10%)など公的資金関連費用がなくなることも好材料。

優先株配当および買取関連コストは09年度で85億ドル(7600億円!!)の出費があった。4Qだけでもこの優先株の買取コストは40億ドルに達している。

批判もされましたが、それだけ支払った、という点は無視されますね。

 

仮に証券業務を分離しなければならないと将来なった場合、旧メリルリンチ部門を、売却・IPO・スピンオフのいずれかの処置を施す必要性がありますが、規制の趣旨(銀行と証券の分離)を勘案しますと買い手はいない(モルスタ・GS・野村等同業しか買い手候補にならない)と思いますので、IPOかスピンオフでしょう。

スピンオフ(日本の会社法の人的分割のような感じ)の場合は私に新メリルの株が割り当てられますので、損害はありません。IPOか売却の場合、得たキャッシュで常識的には大規模な自社株買いをするでしょう。

まず、新法案が可決するのに最低半年、上記分離を実行するのに最低半年で、少なくとも1年以上はかかります。その間に不良債権処理を終えて、景気が正常化すればよいわけです。

 

バンカメはメリルを約5兆円で買収しました。09年のバンカメの税引き後の証券部門の利益は71億ドルでした。5兆円(仮に500億ドルとした場合)、09年税引き後の部門利益の7倍程度です。旧メリルの保有していたサブプライム証券はもう償却が終わっているはずです。

統合してまだ1年ですし、旧メリル部門の主力はニューヨーク、バンカメの本体はノースカロライナ州ですし、分離に大きな作業は必要ないでしょう。

 

これ以上、業務収益で償却できない大きな不良債権は発生しない前提で、巨大な証券部門を保有するバンカメをバリュー銘柄と判断した次第。株価は金融規制の先行き不透明感で当面モタモタするでしょうからあせらずゆっくりと買い上げていく予定。今回は「オバマショック」でガグンと下げたところをすかさずキャッチ。

 

2月の展望

ギリシャ・ショックによる円高(と思う)で、ドル両替を継続する予定です(しかしドル指数は結構上昇しているのが不気味。ドル高で円高、ユーロ一人負けの状態)。

ギリシャは国債を買い支える手段があるのでしょうか?(中国?) かつてのジョージ・ソロス対イングランド銀行のようなことにならないか心配です。ギリシャが屈すると、他にも飛び火しそうですね。ヘッジ・ファンドがどこまで体力回復しているかが争点かな?

 

イージー・マネー亡き後の米国債を買うのは誰だ?(中国は米国債保有をこれ以上積極化するとも思えない。日本はお金がない。サウジアラビア? 米銀はシティもバンカメも預金残高は増えていますね)

 

引き続き、雇用統計、住宅価格、長期金利に注目しながら押し目買いのチャンスを探ることになるでしょう。

 

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Last updated  2010/01/30 10:55:26 PM
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