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元・経営コンサルタントの投資日記

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2010/03/14
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カテゴリ:投資一般
 

pandit7-inside-small.jpg

シティ・グループ パンディットCEO

 

米国政府の支援により、何とか一命と取り留めた金融機関の株が急騰しています。

バンクオブアメリカとシティ・グループ。サブプライム後の強気相場1周年記念という面もあります。

 

株価はそれぞれ年初来11.9%($15.05→16.85)、16.7%($3.40→3.97)と好調です。

私は1Q、2Qはまだ不良債権処理が残っているので、年後半が勝負だろうと思っていましたが、こんなに早く投資家が殺到するとは意外でした。

 

米銀に強気になる理由はほかにもあります。CNBCの人気コメンテーター、ジム・クレイマーの解説がわかりやすい。

 

bankbull.jpg

 

 

1:不良債権処理のピークアウト

2:金融制度改革(ボルカールール)の限界

3:シティのパンディットCEOの強気発言(冒頭写真)

4:資本増強の完了(規制対策、株価の希薄化がない)

5:配当再開期待

6:商業不動産相場のボトムアウト

7:差し押さえ?(Forecloseの間違い?)の減少

8:銀行セクターはずっとアンダーパフォームしている

9:消費の回復

10:雇用の増加

 

一言でいえば、米国経済の持続的な回復期待感が強くなってきた、ということにつきます。

 

あまり楽観的になりすぎてもいけませんので、付け加えると

不良債権処理がピークアウトしたというには早すぎますが、前回の決算の一部の指標やクレジットカードの延滞率などはピークアウトの傾向を見せています。しかし、住宅ローンはそろそろピークだろうという推測ができますが、はっきりと数字に表れるにはもう半年から1年程度かかると思います。

しかし、不良債権がピークアウトを迎える先行指標が雇用と消費者動向ですので、こちらが先に建設的な動きがあることが不良債権ピークアウト期待を呼んでいるといえましょう。

商業不動産はここ2から3か月、価格が下げ止まりつつあります。米国のファンドマネージャーはホテル等の不動産株を推奨しています(広瀬隆雄さんも昨年末ごろからスターウッドあたりを推奨されていました)。

しかし、住宅税制支援が切れると、元の木阿弥という説も依然捨てきれません。

 

ボルカールールの限界は結局、極端な規制を敷くことはできないだろうという面が最近では出つつあります。医療制度改革もかなり後退していますし、日本と違い米国では、市場ルールを規制する動きは歓迎されないようです。

 

シティ・グループのパンディットCEOはこれ以上の景気悪化が起こらない前提で「Citigroup is well-positioned to return to sustained profitability」とIRで宣言し、最悪期を脱して次のステージに向かっていると自信を示しました。

2012年に資産収益率を1.5%に改善するといいました。WSJの試算では、達成できればEPSは0.66になるそうです。

仮にPERが15倍とした場合、株価は$9.90になり、現在の約2.5倍に達します。

ジム・クレイマーは12ドルになるといっています(注:彼はCNBCのコメンテーターなので、嘘はつかないですが、やや株式相場には強気な発言が多い)。

 

一方でシティの株価に強気になるためには、1:政府保有の27%の株の放出、2:決算で実際に不良債権処理が改善していることを2四半期程度示す必要がある、との慎重な見方もあります。

 

決算を待ってから買うべきか、今買うべきか、これが勝負の分かれ道?

住宅取得税制支援の終わりが4月にあります。ここで弱気派が勢いを増す可能性もあります。夏ごろの住宅価格や中古住宅販売動向がカギでしょうか(当然に雇用の改善を前提としている)。

 

日本の税金で救出した企業に外資が資本参加すると、「外資に買い叩かれた」 という情緒論が飛び交います。なぜ日本人の血税を入れた会社を外資にもうけさせるのだ、と。

 

そういう御仁、今あなたも外資を 「買い叩く」 チャンスがゴロゴロ転がっているのですぞ。自分が儲け損なったことで、他人が儲けたことに文句を言うのはみっともない

 

もっとも「買い叩いた」と言えるのは、スーパーリターンを出した後に振り返って、「あの時の安値」 という具合に言われるので、今外資を買い叩いても、1:そもそもリターンが出るのか、2:まだ数年先の話 という点で気の早い議論です。

 

 

私自身はシティ、バンカメはジャブを打った程度の投資額ですが、それでもポートフォリオをけん引しています。機会損失をぼやくのか、喜ぶべきか。

 

おっと、米国債の第二位の債権者は日本でした。シティやバンカメ、AIG、フレディマック、ファニーメイ等に注入されたのは間接的にはわれわれの「血税」だった可能性もありますね。

 

フレディやファニーは米国政府の潰さないお墨付き(2012年までは債務超過にならないよう全面的な資本支援を約束)があるので、これは日本政府が旧長銀に付けた「瑕疵担保責任条項」と性質的には同じだと思います。

 

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Last updated  2010/03/14 12:24:46 PM
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