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カテゴリ:投資一般
実に刺激的なタイトルで、有楽町の三省堂で手にとって、パット見て、さっと買って、グット一気読みしました(酒みたいだなあ)。
このブログをお読みいただいているあなたなら必読ですぞ(すでにお読みかもしれませんが)。 ちなみに、私自身はもはや海外生活は、子供が巣立った後ならいざ知らず、それまでは国内でせっせと住宅ローンの返済をしなければなりませんが、余剰資金の一部だけ、この国を出ております。
刺激的な書き始め 「今や日本は、世界の荒波の中で、羅針盤も舵も失って、ただ沈没を待つだけの難破船のように見えます」 もう黙っていられない 柳井正
大前さんなら、「またか」と思ったのですが、ご存知、ファストリの柳井社長の書き出しだったので、「おおっ」と思い買ったしだいです。 ちなみに、柳井社長は日本を「経済敗戦国」と呼び、一部の外国人が温泉やスキー場を観光に訪れることを皮肉って「世界の保養所」とこき下ろされていますが、当たっていると思いました(ほかならぬ柳井社長の言葉だけに余計に響く)。
章立て •第一章 絶望的な状況なのに能天気な日本人 •第二章 誰がこの国をだめにした •第三章 変化を嫌う若者だらけの国を「日本病」と呼ぶ •第四章 「理想の仕事」より「自力で食える」人間になれ •第五章 21世紀のビジネスに「ホーム」も「アウエイ」もない •第六章 日本再生のための「経営改革案」を提示する
「勝ち組熟年コンビ」なので、若い者がだらしない、という見出しが多いように見えますが、よく読むと、「既得権益守り隊」(サラリーマン根性と表現されています)を乗り越えられない若い人への「渇」とも読めます。
柳井社長の失敗から学ぶチャレンジ精神や大前さんの戦略的観点(ちょっとワンパターンで食傷気味;いつもGEの話になる)は学ぶべきところが多い。
大前研一さんの話では、政治家は都合のいいキーワードだけパクッて、政策の中身はまったく無視しているとのことでした(高速道路無料化は大前氏が提案したが、もっと中身が違っていたそうです)。
本の内容と私見がやや異なる点は、柳井さんのファストリのような国内チャンピオンが「海外を目指せ」というのはそのとおりだと思いますが、国内で決着がついていない産業や業界が海外でそう簡単に成功するとも思えないので、まず国内チャンピオンを決めて、サッサと海外展開してもらえるような業界再編を強く望みます。 国内の安定的な収益基盤がグローバル化を展開できる前提であると(そんなこといっていたら遅いと思われても)。
私のポートフォリオ企業を始め、外資の日本法人は結構日本国内でシェアを伸ばしています(外資といっても従業員の大半は日本人)。 「この国を出」ている間に、「灯台下暗し」のように外資企業に席巻され、海外では欧米企業や地元企業に体力負けして(どうせ技術や品質で勝っても、資本にモノを言わせた物量攻撃に勝てない。まるで太平洋戦争の再現)、どこにも勝てないようなことがないように・・・。 ファストリにはこんな事態を想像できませんが。
ただ、個人となれば、国内海外を問わず、「民族大移動」はいいかもしれない。
応援よろしくお願いします。
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