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テーマ:☆ボクシング☆(642)
カテゴリ:ボクシング
当初東京開催のこの興業、節電大臣のおかげでセリーグの開幕戦はナベツネでさえ折れてしまったため、急遽神戸開催となった(帝拳ジムの試合は原則日テレ)。 観客席にはこれまでのボクシングでは想像つかない数のスーツにネクタイのサラリーマンがいたように思った。 プロ野球と違い、観戦料が違う(多分1席1万円はすると思う)ため、観客を集めるのに苦労したのだろう。
しかし、出場したボクサーはほぼベストコンディションだったのではなかろうか。
粟生 対 グチェレス 帝拳ジムはこの粟生をデビュー当時から、スターとして育ててきて、早くから長谷川穂積などと一緒に練習させるなど英才教育の限りを尽くしてきた。かれは元々アマの高校チャンピオンで圧倒的な強さを誇っていた。 ただし、プロ転向後は、試合内容に物足りなさが目立ち、正直世界チャンピオンは難しいなあと思っていた。KOできるパンチ力がなければフェザー級で世界チャンピオンを取るのは無理というのが相場(「がんばれ元気」と同じクラスですね。今回は1階級上でしたが)。 あまり期待しないでいたところ、ライバルだった日本人、榎選手(引退)に勝利し、一皮向け、一気に世界チャンピオンに。 前回はドイツのタイベルトという元オリンピックメダリストからダウンを奪い、今回のグチェレスにもボディーカウンターで一発KO(先日世界チャンピオンになった井岡のKOの再現のようなすごいパンチ)。 タイベルト、グチェレスというアマチュア出身の強豪(攻守にしっかりした技術をもつ)選手から、一瞬でダウンを奪うカウンターのよさは強力な武器。 元々ディフェンスは上手なので、今回のような積極的な仕掛けで行くと、得意のカウンターははまりやすいような気がした。ただし、パワー不足は否めないので、気後れせずに今後も戦って欲しい。ナイスファイトだったと思う。
西岡 対 ムニョス アルゼンチン出身の選手というのは、とにかく試合数をこなしていて、パンチを思いっきり振り回すタイプが多いように思う。地理的に孤立しているので、あまり世界チャンピオンは多くないが、いったん世界チャンピオンになるとめっぽう強い選手を輩出する(カルロス・モンソンやサントス・ラシアルなど)。 ムニョス選手もあのパンチの勢いを9R まで持っていったというのはちょっとびっくり。アルゼンチン系の特徴かもしれない。 西岡は兵庫加古川市周辺の出身の選手で、地元はバンタム級時代以来ではないか? 若いころは生意気な口をたたき、そのくせ、世界タイトルに手がとどかなかった(ウイラポンに決定打を与えなかったが、自分も決定打を奪えなかった)など、強気な選手。 しかし、実際は慎重な試合運びが特徴。 私はこの選手は日本で生まれた世界チャンピオンでも歴代上位に入る名選手だと思っています。攻守のバランスがいい。渡辺二郎という逮捕されちゃった元世界チャンピオンがいましたが、全盛期の彼と試合すると面白そう。 順調にKO勝利を収めましたが、非力な選手だとムニョスの馬力に屈していたかもしれない。 西岡は次こそラスベガス挑戦を果たして欲しい。
長谷川 対 ゴンザレス 長谷川はバンタム級チャンピオンになった当初から、ランキング上位選手と意図的に戦ってきて、強い相手と戦いたいという気持ちが人一倍強い選手。 今回もその傾向があったのだろう。本来KOできる選手ではなかったが、バンタム級時代はそのパンチスピードがずば抜けていて、チャンピオンになったころからKO勝利が増えてきた。本人も自信がつき始めたころに、モンティエルにKO負け。 昨日の試合は、これからというときに一発KO負けはくいが残る。バンタム級時代では届かなかった距離からのパンチと思われ、体はフェザーではなかったのだ、ということがいえるだろう。 彼自身が進退に慎重な発言をしているが、私は復帰するのでは、と思うが、数試合ノンタイトルをこなしてから世界タイトルに再挑戦して欲しいような気がする。相手のゴンザレスも西岡に強烈なKO負けを食らってから、数試合調整して復帰してきたので万全を期すような感じが望まれる。
西岡がモンティエルとの試合に意欲を見せていますが、この4人の関係は
ゴンザレス ○ モンティエル 西岡 ○ ゴンザレス モンティエル○ 長谷川 ゴンザレス ○ 長谷川
となっていますので、西岡有利の予想がされます。またモンティエルはドネアというフィリピン人に完璧にKO負けしています(モンティエルの商品価値が少し落ちている)。 長谷川がこの事実を一番よく理解しているでしょうから、内心はカムバックをしたいと思っているでしょう。
西岡は辰吉を引退に追いやったウィラポンに4度挑戦し、一度も世界タイトルを奪えませんでした。しかし、そこから這い上がって1階級上げて世界を獲得できました。 長谷川は、思いのほか、順調にそのウィラポンに勝利して世界タイトルを獲得し、順調に防衛を重ねました。 長谷川に西岡の慎重さがあればいいのになあ、と思いますが、うまくいかないものですね。しかし、不屈の精神と慎重な試合運びを同郷の西岡から学んで再起して欲しいものです。 長谷川が負けてしまったので、今回は西岡一人となってしまったが、ボクシングの世界チャンピオンというのはかつては、野暮い独身男性が世間を見返すツールだったようなところがあった(ガッツ石松なんて典型)。 辰吉や薬師寺時代から少し変わって、「プロボクサーの妻子」 というものがクローズアップされるようになり、長谷川や西岡の妻子もTVで有名になっていった。西岡の娘さんも大きくなって、抱っこがきつくなったかもしれない。 殴られたお父さんの近くに娘さんを持ってくるというシーンが違和感なく受け入れられるという不思議な時代になったものだ(西岡が強いからこそできることであるが)。 亀田一家といい、家族とボクシングというのが90年代ごろからの新たな潮流があるのかもしれない。 そのうち辰吉の子供(寿希也君、覚えているかな)が世界タイトル挑戦という日があるかもしれない。
最後に粟生は次が指名試合(ランキング1位の選手との試合)だと思います。真価が問われるでしょう。ぜひ乗り越えて欲しいものです。昨日の感じならいけそうな気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/04/09 02:00:49 PM
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