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カテゴリ:投資一般
Dividend Growth Stock をどのように選択するのか、なぜそのような企業が良いのかについて簡単に触れてみたいと思います。
選択基準(私の場合) 1:一株当たり配当金(DPS)は最低でも10年、できれば20年間毎年増配している企業 2:あるいは、少なくとも今後10年間は増配が見込めそうな企業 3:あるいは、過去10から20年間に置いて、平均増配率は年換算で5から15%程度はある企業 4:対象銘柄の配当利回りのできるだけ高いところで買う(PERが低い地点と類似した概念) 5:配当性向は10年程度のトレンドで見て一定のレンジ内で収まっている企業
コメント 1,2は過去のトラックレコード同様に将来の見通しが良くなければ投資そのものの目的に適合しませんので、当然の様な基準かもしれません。ただし、アメリカ企業の場合、「今後配当を積極的に還元していく」とCEOがコメントした場合、毎年増配を視野に入れた発言であると想定されるため、2の基準も入れました(マイクロソフトやシスコシステムズはこの部類だと思います)。
3は日本企業のターゲットを増やす前提で入れました。2000年代に入ってから日本企業も欧米企業に触発され(株主が欧米化したことも影響あり)、積極的な株主還元を実施するようになっています。 ただし、よく観察していると、毎年着実に増配するというよりは、一気にグイッと配当を引き上げ、業績がイマイチだと据え置き(あるいは減配)など階段に例えると踊り場のような年があります(特にこの1,2年)。 そのような場合、毎年増配にこだわる必然性もないのかな、と思いました。要は中長期的な増配率が重要です。また、日本企業ですから為替リスクフリーなのでアメリカ企業より、3%程度低くとも許容されると思います(日米長期金利差程度リターンが低くとも仕方ないと考える。この差は長期的・実質的には差ではなくなるはず)。
4については、結局はいかなる株式も割安時点で買う、ということに尽きます。アメリカ人の著書で、優良株への投資は配当利回りで決めろと言う本を読んだことがあります。 着実に増配する企業であれば、配当利回りが歴史的水準と比較して高い時点で買えば、長期的には高い確率で報われるというのを実証しています(分子のDPSの数値が上昇するので当然ですね)。 株価の過去のチャートを見て、その相場で底値だった時点の株価とその当時のDPSを計算していくと、概ねその株式の「底値配当利回り」が推測できます。 その時点の配当利回りと現在の配当利回りを比較して、今の株価水準が割安か否かを推測する手法です。 ただし、アメリカ株については徐々にそのような場面は少なくなってきました。 この方法は、銘柄をスクリーニング方式で選択する人よりも、買うと決めた銘柄を普段から狙っていて、「安くなったから買う」 というタイプの人に向いているかもしれません。私には合っていそうです。 いいビジネスを安く買う、というより、いいビジネスが安くなるまで待つ、という感じ。
5は無理に増配を行っても仕方ないと言う主旨です。過去のトレンドで見て、ざっくり20~60%以内に収まっていれば、それでいいのではないでしょうか? 企業には業界や各企業に適した内部留保(事業への再投資資金)のレベル感というのがあって、その範囲を逸脱してまで配当に回しているようですと、かえって要注意と言わざるをえません。 我々が望むのは、事業の中長期的な持続的成長ですので、歪んだ配当性向を継続している企業は長期的な増配を維持できないでしょう。 この1,2年はリーマンショックもあって配当性向は歪んでいるでしょうが、景気低迷時点は過剰設備になっていることもありますので、多少高くとも気にしなくてよいかもしれません。 ただし、普通の大企業であれば、40%はあってもいいように思います。日本企業で30%あれば合格点というのは個人的には物足りない。
ちょっと長くなりましたので、なぜ配当株がよいのかについては次回にいたします。
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