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元・経営コンサルタントの投資日記

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2011/06/26
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カテゴリ:投資成績
 

これまで定量的な投資目標というものをあまり具体化しておりませんでしたが、リーマンショック後のボラティリティも収まり?少し落ち着つつあることや、投資残高も膨らんできたことから、自分の投資目標にあった定量的な目標を立てて行こうと考えておりました。

資産運用の対象を金融商品のみと限定しているわけではありませんが、当面不動産直接投資は予定していませんし、債券投資も現状ではあまり考えていないので、株式投資が中心になります。

 

最終目標:公的年金に依存しない老後(退職後)資金の準備

 

定量的目標(中長期的な年平均での目標)

 

1:総投資資産残高の増加(配当込):年率10%以上

2:受取配当金の増加  :年率10%以上

3:投資元本に対する配当利回り:10%(但し、20年後を目処)

 

1:総投資資産残高の増加

配当金込の年率平均増加額です。ニューマネーと配当金込みの残高なので、少し紛らわしいかもしれません。圧倒的な下げ局面でもなければ、毎年すこしずつ投資していけば達成可能な範囲内と期待しております(今年はこれまでまったくダメですが・・・)。

ただし、年々分母が大きくなっていけばいくほどきつくなってきそうです。

 

株式投資で考えてみた場合、理論上

 

投資残高=株数 × 株価 + 配当金 - 各種手数料

です。残高の増減要因は以下の通りです。

 

増加要因

株数の増加(新規購入、株式分割、DRIPによる再投資)

株価の上昇

 

減少要因

株数の減少(売却が主)

株価の下落

 

配当金については後述。

 

大半の資産運用理論は、株価の上昇・下落にフォーカスされていますが、資産運用の残高を増やすためには株数と配当金の増加も重要ではないかと思う次第です。

 

もちろん効率的な運用残高の増加のためには一定の予算でたくさんの株数を買って(すなわち株価が低いときに買う)、たくさんの配当金をゲットする、ことが重要であることはいうまでもありません。

 

10%が目安な理由

株式投資家が長期的に期待するリターンはDCFのWACC方式のエクイティリターンを算出する際

 

長期国債金利+株式リスクプレミアム×ベータ値

 

となっています。

DCFは現在、たとえば買収提案が自社に持ち込まれ提案株価の判断基準の際、取締役は自社の事業計画をDCFで評価して計算された企業価値から株価を測定し、提案株価が高いか低いかにより、提案内容の優劣を判断する、というようなときに用いられます。

 

簡単に言えば、取締役の自社の株価への善管注意義務ラインのリターン水準です。

 

結果、1.5%+5~6%×0.8~1(配当株はボラティリティが小さい)=5.2~7.5となります。これに配当利回り2.0~3.0%と「実力???」が加わりますので、10%が導き出される、ということになります。

 

え?実力はたったの1%程度かって? ポートフォリオ企業はインデックスを構成する企業が多いので、これと大きな差をつけることもまた容易ではないという矛盾点も抱えております。

 

アメリカ企業の場合でも、国債金利分2~3%が余分に上乗せされることになりますが、この差額は日米インフレ格差となって理論上、実質実効為替レートなどに織り込まれますので、結果、実質ベースの円でのリターンはどちらも同じということになります(このロジックに気がついて、欧米グローバル企業の実態を理解すれば、株式コストなんて頭にないガバナンスが劣る日本企業に投資するのがばかばかしくなるはず)。

 

インデックスだと投資したくないような企業に基準値が左右されたり(ITバブル時のS&P500が典型)、重要指標である配当金の増減コントロールが難しかったり、何より理解できて信頼できる投資先に投資していきたいという方針や、マクロ経済、ミクロ経済を自分で調査するのがすきなのでしょう。

 

 

もちろん、年率15%、とぶち上げたいところですが、向こう20年間にわたって15%をキープし続けるとなると、Buy & Hold With Homeworkの投資戦略が変わってきます。最終目標が達成できる手段であるべきです。

 

さらに、アメリカS&P500企業のEPSの年平均成長率は6~8%程度です。これに現在の配当利回り2.0~3.0%を加え、配当金再投資の効果も加味(配当金で株を買えば、株数の増加と増配分の配当増のダブルエンジンで、資産残高が増加する効果)すれば、やはりドルベース10~12%程度のリターンが狙えるはずです。インフレ格差を調整すると結果は同じようなところに落ち着きます。

 

アメリカにAT&Tという電話会社がありますが、現在配当利回り5.5%程度。EPSの過去の平均成長率はザックリ5%とやや低成長です。しかし、EPS成長分だけ増配する(配当性向一定をイメージ。同社は過去30年以上増配記録を持つ)場合、配当金を再投資し続けると年率10%を超えるトータルリターンになる(株価成長率5%+配当利回り5.5%)。電話会社でもIRR10.9%が理論上可能です。

ちなみに株価の上昇率が年率3%の場合でもIRRは9.92%になります。

 

また、アメリカ企業は現状の株式相場では、EPS成長率の年率換算で0.5~1.5%程度の自社株買いを積極的に行いますので、景気が低迷している状況でも、EPSを成長させることを厭いません(フィリップモリスやIBMなどは2~3%ぐらいまで自社株買いでカバーする)。

 

それと毎年新規資金で投資残高を増やすので、1~2%程度の総資産残高は増加するでしょう。

 

リーマンショックの様な年もありますので、年平均、と見た場合です。

S&P500の最近30年程度の年平均上昇率が9~10%ありましたが、長期金利はざっくり5~6%程度だったと思います。従いまして、やはり、今の低金利が継続すれば、徐々にリターンは厳しくなりそうです。

低金利下では、すべての金融資産のリターンは芳しくなさそうです(アメリカ国債のソブリンリスクに伴う暴落劇はあまり悲観していません。皆、「首を突っ込みすぎて、首が抜けなくなった」状態だと思う)。

 

2:受け取り配当金の増加と3:投資元本に対する該当利回りについては次回といたします(続く)

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Last updated  2011/06/27 12:24:28 AM
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