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カテゴリ:投資一般
1:ニッポン株式会社のガイジン度 6月20日に東証で発表されています。22年度の比率は26.7%だったようです。 過去最高だった2006年度、2007年度の27.8%、27.4%に次いで史上第3位の比率でした。
外国人持ち株比率は、バブル時の平成2年度は4.7%に過ぎませんでしたが、どういうわけか、バブル崩壊とともに増加傾向にあり、ITバブル崩壊でやや小康状態となりましたが、その後も順調に増加を続け、平成16年度には27.8%に達しました。リーマンショック時には落ち込みましたが、それでも昨年はピーク付近まで回復しており、日本株って結構人気がありますね?
東証の資料では、外国人の国籍まで判明しませんが、最近では中東オイルマネー説や中国系ソブリンファンドの噂もあり、企業のIRの方はドバイに会社説明に飛ぶなどということも言われております。
2:何を買っているのか?
外国人保有比率の高い業種と低い業種のランキングです。 (これも東証の資料から)
人気業種の鉱業というのは、社数も少ない(住友金属鉱山ぐらいじゃあ?)のですが、総合商社が鉱山株化している点も勘案すると、投資ストーリーから考えても外国人が買い易いのかもしれませんね(資源獲得→中国 商品値上がり→増収増益)。
保険業も意外でしたが、確か外資の投資ファンドが企業再編の火付け役になっていたと思います。また、損保の準備金の引当がグローバルレベルで見ても割高だとか言う理由で、PBRが押し下げられているという話を聞いたことがあります(個人的にはそれでも魅力を感じたことはないけど...)。
3位以下は、まあ、日本的な感じ。不動産ってのは中国系???
不人気業種は規制や事実上の規制とも言える省益?で守られている業種がズラッと並びました。空運ってANAぐらいじゃないのか...。
3:どれぐらいの金額を買っているのか?
外国人投資家の売買動向(億円単位)
外国人保有比率の動向を考えれば、当たり前かもしれませんが、ここ10年ではリーマンショックを除いては買い越しが続いています(億円単位です)。
4.ガイジンは投資が上手なのか? さて、前回の「ニッポン株式会社と株式相場」では、『一株当たりの価値を大事に経営してもらえないと、日本株なんて買えないよなあ』と言っていましたが、あれれ?外国人投資家は、バブル絶頂のころは日本株をうまく避けていたようにも思えますが、その後、TOPIXの下落基調とは正反対に(相対的に)買い漁っている、という構図になります。
単純に80年代後半から90年代の(日本を除く)先進国における強気相場の影響で、日本にも分散投資資金が入ってきただけなのかもしれませんが...。
外国人から見放されるとか、日本から拠点を移したとか、何だかんだ言っても、彼らも買い続けている点が興味深いですね。
ドルベースでみた場合とかを考えてみないとフェアでないかもしれませんが、有名ブロガーのこねたさん等の統計でも円ベースといえど、日本株は世界をアンダーパフォームしていました。
外国人投資家の動向を素早くキャッチして、投資に役立てよう、というテーマの記事をよく見かけますが、これを見ても、ホンマかいな? と私は思ってしまいます(自分では、ニューヨークの相場動向を気にしたことはあるけど、外国人投資家の日本株の売買動向なんて気にしたことがないけど)。
厚生年金や企業年金なども払い出しが多くなって、解約取り崩し傾向や、「リスク回避」傾向から株から債券へシフトなどとも報じられており、さらに、人気の投信は外国の債券やREITなどですから、今後も外国人持ち株比率は上昇する可能性があります。特に外国人の中身に厚みが増すことが想定されます。
株主のグローバル化が、経営のグローバル化、そして結果的に日本経済の効率化になってほしいと思うばかりです(しかしながら、2007年ごろの27%位では、色々話題を投げかけたものの、大きくは変わらなかった。Step by Stepということか)。 それが我々将来の年金の(多少なりとも)減少を食い止めることに貢献してほしいなあ。
観点を変えると、外国人投資家がもし日本株を買っていなかったら、TOPIXはどこまで落ちたのだろうか? ということも言えそうです。 応援よろしくお願いします。
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