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カテゴリ:投資一般
今月は休むことになったのだが、金融株があまりにも悲観に振れ過ぎているのではないか、と6月頃からずっと思っていました。けど結局、この間は金融株を買わずじまい。悲観の中で買うことの難しさを改めて知りました。
所有株にはHSBCとアフラック(アメリカンファミリー生命)がありますが、どちらも無茶苦茶に下落していて、「何%下がったら機械的に損切り」なんてルールがあれば、確実にどちらもサヨナラしているはずです。 なぜ下がったのか、といえばユーロ危機と景気後退観測に違いありませんが、アフラックはその資産運用のかなりを欧州の銀行の社債(サムライ債など)や優先株・劣後債などに投資しており、かつPIIGSへのエクスポージャーも大きかったからです。
アナリストの人もアフラックへの見通しに弱気で(今でも弱気)、この間買うのに躊躇していました。
そこで、3Q決算を見てから考えよう、ということになり、先週決算発表がありました。
結局、日米ともしっかりした増収増益基調にあって、投資適格以下の運用資産の処分のかなりの部分は終わっていると説明(ギリシャ・ポルトガルの債券はないと説明)し、10%の増配を発表しました。(円高を差し引いても)PL面での堅実経営を改めて確認した次第。BSはまだ膿を出し切っていない可能性が少し残る。
会社側は円高を利用して、運用資産の減損・売却損を埋め合わしているようだ(全資産の7割近くを円で運用している珍しい米国企業)。
株価はその前後のEU危機収束に向けたメルケルさんの発言などで大幅なラリーで一気に上昇してしまいました(こうなると想定していたものの、確信と言えるほど自信はなかった)。
ちょっとボラティリティが大きすぎて、こういった場面で手を出すのにはもう少し訓練が必要だと思いました。お化け屋敷かジェットコースターに乗った気分でこれを楽しめる余裕はまだないなあ。
生命保険会社の収益構造は本質的には損をするはずがないのですが、資産運用を誤ってしまうと大変な目に合ってしまいます(日本でもアクティブな運用を行った生保ほど「危ない生保」とレッテルを貼られる。当社が特別危ない運用をしているとは思えないが、リーマンショック並の冷や冷やものでした。
相場雑感 株価全体はこれで安泰か否かはわかりませんが、とりあえず超悲観は織り込んだようです。
ただし、業績面においては、QE2の副作用でもある原材料高を十分に価格転嫁できない消費財メーカーは苦戦しているようです。人員削減を発表しているところもあり(P&Gなど)。
上流のエネルギーや素材メーカーでも、単価の上昇による恩恵をフルに受けていますが、数量は頭打ちに近い状況が見られます(シェブロン、ダウケミカル)。今後は単価を下げて数量をさばかないと稼働率が落ちてしまいます。
第4Qはサプライチェーンの上流企業は第3Qと比較して単価減・数量増が想定され、下流企業はまだ原材料高を十分に吸収しきれていないので、下流企業は対前年比増益をキープするのはきついのではないか(フォードやP&Gは難しそう)。
上流企業について今期はともかく、来期には単価減は避けられず、それを補うほどの数量増と言うほど景気の回復も期待できずに、決算がきついかも。
可処分所得以上の伸び率以上の消費をしているアメリカの個人消費の状況などと合わせると、もう一回インフレ率が下がる可能性もあるのかなあ(ということは来年の夏ごろにダメ押しのQE3?)。
個人的に2012年の前半は弱気ですけど、2011年を見ていると、だからと言って株価がどう反応するかは別問題ですね(アメリカのGDPが一番冴えない時期に株価が上昇し、一番マシだった時期に株価が最悪でしたから)。
日本人としてはドル高による米国物価や商品市況の安定を期待したいところですが、その気はなさそうですね。レパトリ減税(米国企業の海外現地法人が米国本社に配当などで送金する資金への課税を免除する案。現在有税なので、企業は米国外の現預金を寝かしたような状態になっている)は否定されていますし・・・。
為替介入はタマがいくらあっても足りない(今日の介入で75円を切るのは難しいような気もしますが)。 当面は11月中旬から下旬に今年最後の買いを想定しています。それ以降は来春かなあ???
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Last updated
2011/11/01 12:13:19 AM
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