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カテゴリ:どーでもいい話
雨は好きじゃないです。足元が濡れるのがイヤ。傘を持つのが面倒。
道のぬかるみもイヤ。通り過ぎる車に水を跳ね上げられるのではないかと心配。 雨の日の電車は湿った匂いがします。好きじゃない匂いです。 なぜか車内の空気が止まったかのようにいろんな匂いにも敏感になります。 晴れた乾燥した日なら、好きなタイプの香水もうっとおしいだけで おやじのポマードにいたっては最悪です。 そして一番キライな理由がはっきりしています。 子供の頃に新しいズボンをはいていくと何故か大雨になりました。 せっかくの「折り目」が消えてしまうくらいズクズクになって とても悲しかったのです。でもそれでもないのです。 「雨の日にビーチサンダルでマンションの1階の吉野家にいき、 『つゆだく大盛り』を持ち帰ろうとして床のタイルで思い切り滑って転んで つゆだく牛丼をひっくり返し、ボク自身が腰を強打しながらつゆだくになった」 その時からです。 往来で派手に転んだ時って経験のある人は分かると思いますが 「痛い」より先に「恥ずかしい」があるので、結構何事もなかったように スッと立ち上がって歩き出したりします。 が、その時は違いました。もともと当時、腰痛持ちだったのもあるし デカい身体ってのもあり、そのデカい身体が一瞬宙に浮いてから ドシンと落ちたのです。 ボクが転んだせいで吉野家の店内で牛丼を食べてた人も 椅子から一瞬ちょっと浮いたくらいで・・・ってそりゃないか? で。なんとか立ち上がって通行人の笑いを我慢しながらの「大丈夫かあ?」に 笑顔で応え、散らばった牛丼を片付ける吉野家の店員に御礼をいって 「どうします?(もう一度作りますか?)」には 「もうええわ。(アホか)」と丁寧にいい、マンションの部屋まで おそるおそる帰ってベッドにたどり着き、倒れ込みました。 寝てたら治る・・・そんな感じでは全くなかったです。 尋常じゃない痛みでこの後、ボクはベッドから起き上がれなくなるなって かなり確かな予感がしました。「こりゃ病院にいかなきゃ」と思い 自分で救急車を呼ぶ事にしました。 が・・・電話のところまで痛くていけない。そんな広い場所じゃないですよ。 3~4mの話です。これが歩けないんです!!! そして電話する前に救急隊員が部屋に入れるようにドアの鍵を開け、 保険証と多少の現金を持ち、(そこまでするのもかなり時間がかかっているのですが・・・)準備万端にして119番をたぶん生まれて初めてかけました。 救急隊員(以後救ちゃん)「はい。こちら119番!(このへんはどー言ったか 忘れました)どうされましたか?」 ごんどうごんぞう(以後ご)「1時間程前にマンションで滑って転んで・・・」 救ちゃん「大分県でしょ?プッ(こんなことはいうはずがない。脚色ですな)」 ご「ふ・ふざけないでください」 救ちゃん「失礼しました。外傷などはありますか?」 ご「いや。それはないんですが、腰をかなり強打しまして、今一人で歩けない状態になってしまったんです」 救ちゃん「頭部などを打ったりはしていませんか?」 ご「頭は大丈夫です。打ってません。ただ動けない状態なので病院へ放り込んでもらえませんか?」 救ちゃん「わかりました。場所とお名前を?」 ご「四条大宮の王将の向かいのマンションです。777号室のごんどうごんぞうです」 救ちゃん「わかりました。よくデリヘル嬢が出入りしているという噂のトコですね」 ご「しらんがな!」 救ちゃん「ほんとに?」 ご「あのね。。。ところでさ、ボク、かなりデカいので2人じゃ無理かもしれませんので 4人くらい来た方がいいかもしれません」 救ちゃん「あはは!大丈夫ですよ。日頃、訓練してますから見せ所がやっときました!」 ご「しらんよ。ホントに」 救ちゃん「わかりました。じゃあ4人でこれからすぐいきますので!」 ご「あ!マンションの入口の暗証番号知ってる?」 救ちゃん「大丈夫ですよ。緊急の場合の為に届け出る義務があるんですよ」 ご「そうなんだ~」 ベッドで横たわって待っていたボクは段々近くなる救急車の音を聞いていました。 がサイレンの音階が変わり、遠ざかっていってしまいました。 ドップラー効果でしたかね。「迷っとるんかい!!!」 余談ですが、太った彼氏彼女と一緒にいて自分まで太ってしまう事を 「デップラー効果」とこれからみんなで呼びませんか? いや。違う救急車だったようです。2台目はあきらかにマンションの下に停まりました。 何人かの足音が廊下で響きます。 ピンポ~ン!!「開いてますよ」 ピンポーン!!!「だから開いてるちゅうねん」 どうも聞こえないようです。 ドンドンドン!!!今度は扉をたたき出しました。 「ごんどうごんぞうさん!!!大丈夫ですか!!!」 大きい声でいうなよ。恥ずかしいから。 ガシャ。『あ。。開いたわ』と小さな声。 土足で4人の救急隊員が入ってきました。 「もう大丈夫ですよ」 ってお前らは大丈夫か? ボクは約束通り両手足それぞれ一人ずつにかかえられながら タンカに乗せられました。タンカというか移動式のベッドのようなものでした。 いや。タンカ状のものからベッドに変身するタイプだ!ってどうでもええか。 エレベーターでは奥行きが足りないな?って思っていたら 壁の奥が開くんですな。ボクはその様子を寝ていたので見れなかったのですが すでに開けて待っていたようでした。 表に出ると野次馬がたくさんいましたが、 それよりも雨は上がっていて星が出ていました。 「けっこうキレイに星が見えるんだなぁー。京都の町中でも」って 暢気な事を考えていました。 「七夕も晴れるといいなぁー」 久しぶりにH出来るようにと織り姫と彦星の事も少し考え、 ついでに「マリリンに会いたい」のアホ犬の事も考えました。 数年前のちょうどこの頃だったと思います。今宵は読み切りです。 月刊りぼんみたいやな。しらんけど。 グッドラック。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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