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カテゴリ:なぜに私は京都に来たの?
『レイコー、懐かしい呼び方です。
でもどちらかというとレイコーではなく、 レーコーが近くないですか?』 どなたか知りませんが、メール、ありがとうございます。 そうですね。発音をカタカナにすると レーコーかもしれませんね。 ただこの場合、レイコという登場人物がいますから あえてレイコーなのです。 そこんとこ、わかってもらえますかね~? ボケ♪ 抹茶ラテ、吸いたいなぁー。ゆうべの続きです。 「ちゃんとお祝いしてあげ」 そういうとマスターはケーキを小箱に入れて渡してくれた。 「今はええと思っていても、行かへんかったら後で後悔する」 「そやろか?」 「レイちゃんもきっとダイスケが追いかけて来てくれるって待ってるって」 「・・・」 「御池通りのバス停に、いつものベンチにきっとまだいるし」 「・・・しゃーないなぁー、どいつもこいつもふらんすもあめりかも」 ダイスケはケーキの小箱をかかえて、寺町通りに出た。 強がりを言っているくせに、だんだんと急ぎ足になり、小走りになり そしていつの間にか、全力で走っていた。 三条の角のお肉屋さんを通り過ぎた。 「ここ、すき焼き屋さんもやったはるんやなぁー。 牛肉100g千円やて! 高いけどいつか・・・いつか一緒にいこな」 いつだったか、めずらしくレイコが 長い台詞をはいた事をダイスケは思い出していた。 (まだいってへんがな) 巨大なカニが店先の2階にへばりついて 大きなハサミを左右に振っている。 まるで、声援を送っているようだ。 「あそこのかにみそ寿司、サイコーやなぁ」 レイコの笑顔を思い出していた。 (あいつ、くいもんばっかやんけ!) 食べる事が大好きなレイコの事を思い ダイスケはケーキの小箱がなるべく揺れないように 両手でかかえた。 右手に老舗の漬物屋が見える。店先には春ならたけのこ、 秋には松茸、冬には千枚漬けが大きく場所を占めるのだが この暑い時期には何が有るんだろうとダイスケは思った。 あまり見た事のない丸い大きめのナスがゴロゴロしていた。 地方出身のダイスケが それが賀茂なすという京野菜だと知るのは ずっと後の事である。 「ダイスケも個展やりーな」 古いいかにも格調の高そうな画廊がある。 いつだったか、レイコが 冗談とも本気ともつかない事を言っていた。 「この店の前、線香臭くっていややわ」と ダイスケが言うと笑いながらレイコは 「鳩居堂さんて東京にもあるんやで」といった。 その後、何かのニュースでそれが銀座にあり 日本一高い土地だと知ったが ダイスケにはちっとも興味のない話だった。 たかが100mほどの通りをこうして走り抜けるだけでも こんなにレイコとの想い出があるなんて・・・ ダイスケは初めてレイコを失いたくないと思った。 大通りが見えた。 バス停のベンチにレイコはいなかった。 肩で息をしながら、ダイスケはベンチに座り込んだ。 「なんだよ。映画みたいに感動的に抱き合うんちゃうんかい。 いーひんのかい。ボケが」 ガッカリして肩で息をしているダイスケの その肩を後ろからポンと叩く人がいる。 レイコだった。 「途中で抜いて行った」 「え!そうやったん!全然気づかんかったわ。 相変わらず目立たんやっちゃ!まあ、座れ」 「うん」 「せっかくのマスターからのお祝いのケーキ、食べなあかんやん。ここで食うか?」 「うん。あのな・・・」 「なんや?」 「うち、イコールのデザイナーなんて出来るやろか?」 「出来る! レイコなら出来るって。 胸張って堂々といかんかい!ちっちゃい胸やけどな」 「うん。ありがと。ここでケーキ食べた事な、 なんかずっとずーっと後にな、 二人おじいちゃんとおばあちゃんになってて そやなぁー、この同じ御池のバス停で笑って話せるといいな。 二人そうなりたいなぁー」 ダイスケはレイコの長い台詞を珍しく黙って聞いていた。 ケーキの小箱の蓋を空けると蓋の内側にマスターの走り書きがあった。 『レイコ マイラヴ ソー スイート くらい言えよ』 今朝の検量:またまた前日よりプラス600g もう歯止めが効かない感じか?ていうかトータルでプラスちゃうの? これが貯金やったらなぁー(笑) 頭に来たし、明日から韓国に行って食べまくってきます。 今回は三発四日です。食べる前に写真を撮るように心がけます。 ではしばらく留守しますが、お元気で。 グッドラック。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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