119573 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ごんどうごんぞうじゃ。

ごんどうごんぞうじゃ。

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ごっくん。

ごっくん。

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

山野はたけ(頭の固… 山野はたけさん
焼肉のたれにゾッコ… meetmeatさん
&#私の生きる道2&#& かぜにはるるさん
  今は百舟百千舟 … 百千華さん
年間500軒以上を食べ… 田川 耕さん

コメント新着

ごっくん。@ Re[1]:ついに60かよ!(02/29) ありがとうございます!こんなに稀にしか…
かぜにはるる@ Re:ついに60かよ!(02/29) お誕生日おめでとうございます。
ごっくん。@ Re[1]:大曲花火大会(09/11) かぜにはるるさんへ こちらこそよろしく…
かぜにはるる@ Re:大曲花火大会(09/11) あけましておめでとうございます。今年も…
ごっくん。@ Re[1]:誕生日(02/29) 六花*さんへ ありがとうございます。…

フリーページ

ニューストピックス

2011.01.28
XML
続きです。すいません。

でも、彼はいないのは当然なのだが
彼どころか、誰もいないようだ。
玄関の戸を開けて中に入って
大声で「こんにちは~」と呼びかけても
家中がシーンとしている。
おかしい。さっき高速のインターを降りる時に
電話したら、お母さんが出たはずなのに。
まさか宇宙人にでも一家全員さらわれたのでは?

みんなで裏口に回ってみる。
飼い犬が尻尾をふりながら、ワンワン吠える。
「近づくな!噛むぞ!」ではなく、これはきっと
「誰か知らん人やけど、遊んでーな」と吠えている。
Tが近づくと案の定、さらに尻尾をふってじゃれて来た。
見知らぬ人を見ると吠えるので
番犬の役目は果たしているのだろう。

「お墓にでも行ってるんかな?雪かきに」
Mがいう。
「そうか。お墓にも行きたいってさっき電話したから」
Jもその推理に賛成のようだ。
Tは犬と遊ぶのに夢中だ。
するとその時、窓越しに中から人の声が聞こえた気がした。
「中から声がするよ!T君、裏口から声かけてみな」
ボクがいうとTも聞こえたようで
犬から手を離し、裏口を開けた。
「こんにちわー、こんにちわー」
久しぶりに聞く関西弁のそれは笑福亭仁鶴を思わせる。
そして中の誰かとボソボソと話してたと思ったら
「表から入ってくれって」と手前で待っていた
ボクらに声をかけた。
ボクたち四人はもう一度玄関先に立った。
お父さんもお母さんもご高齢なので
少し耳が遠いのかもしれない。
まずはお母さんが出て来て部屋に通してくれた。
お父さんはどこかそこらにいるらしい(笑)
奥さんは仕事で近所に出かけているので
彼女が戻るまでお茶は待ってくれと言われた(笑)
なかなかおもしろいお母さんだった事も含めて
昔の事を思い出しながら話していると
ときおり亡くなった息子の事を思い出すのだろう
生きていたら皆さんくらいに
なってたんやねぇーって涙ぐむ。
それを聞くとボクたちもつらくなって泣きそうになる。

奥さんが帰ってきてお茶を入れてくれた。
大きなシュークリームも出してくれた。
彼はシュークリームが大好きだった。
シュークリームが大好きだった先輩の事が出てくる歌も
大好きだった。でもその先輩も病気で死んでしまう歌だ。
そのエピソードをいいかけたけど
泣かずに最後まで話す自信がなかったのでやめた。
そろそろお墓の方に案内してもらおうかと伺うと
お墓までの道が雪がすごいという。
奥さんが「スコップ持って一緒に行きます」と
いってくれたが、それでは申し訳ないので
仏壇で済まさせてもらう事にした。
となりの間に通されると鴨居の上に
数枚の写真が額縁に入って並べられていた。
一番手前に彼の写真があった。
30代の写真だろうか?
若い彼が笑ってこっちを見ている。
久しぶり!とでもいっているようだ。

順番に手を合わせるひとりずつに奥さんが正座をして
「ありがとう」と深々と頭を下げている。
居間に戻り、また彼の想い出談義に花を咲かせる。
そろそろ1時間たつので
おいとましようと席をたちかけると
襖が開いて、お父さんが現れた。
お父さんは正座下かと思うと両手をついて
「せがれの事を忘れずに来てくれてありがと・・・」
途中からは涙で言葉にならず
それには流石にボクたちも堪えられなかった。

でもお父さん、お母さんにとって
淋しい気持ちもあったろうけど
嬉しい気持ちの方が多かったと思うので
本当に行ってよかった。
「麻雀大会頑張ってください」って奥さんにいわれて
「きっと、O君が勝たせてくれますよ」といって
みんなで笑った。

最後に家の前で四人で記念写真を撮ろうとしていたら
奥さんがまず撮ってあげると出て来て
続いてお父さんお母さんも一緒に撮ろうという事になり
駆け足で参加してくれた。
今年90になるお父さんは背筋もしゃんとしていて
88のお母さんもしっかりした足取りで
とてもいい写真が撮れた。
きっと大切な写真になると思う。

さあ、麻雀大会だ。京都に戻ろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.01.28 21:33:46
コメント(1) | コメントを書く
[なぜに私は京都に来たの?] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X