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前略。 夏の日差し強く、蝉がけたたましく泣く今日この頃。 お前さんは元気でしょうか?
お蔭様で俺らも結婚1周年を間近に控え
もうすぐやってくるであろう秋・・・すなわちお前さんの命日ですね。
何時も愚痴をこぼしあい。退院した時は二人で飲みに行こうと誘われ
何か事あるごとに馬鹿をして、笑い合い
時には苦楽を共にし
いい加減、ウンザリするほど何時も仲が良かった。
お前さんが血が足りなければ俺が輸血し
俺が痛かったらお前さんのアスピリンをこっそり飲んだ
嫁とは上手くやってるさ。それこそ鴛鴦夫婦って訳じゃないが。
まぁ、時には言い争い、包丁片手に枕際に立たれる事もあるかもしれないが
何とかやってるさ。お前さんはそっちで可愛い女の子ゲットしたかい?
苦しい時や悲しい時、どうしようもなく不安な時
「どうすればいいのか・・・」と途方に暮れた時。
お前さんは笑ってその不安をどっかに吹き飛ばしてくれた。
「定年後、二人で田舎暮らしするか」と誘ってくれたあの笑顔
今でも脳裏に焼き付き、鮮明に思い出します。
とある晩、二人とも体調が良く 病院を抜け出してコッソリ飲みに行った日が忘れられません。
お前さんはキリン派。俺はアサヒ派で意見が真っ二つに割れたね。
そんな時に偶然コンパで飲み屋に来ていた嫁に見つかり 婦長からもっすごい剣幕で怒られたのもまたいい思い出です。
俺が退院し、TWに乗り、嫁と付き合い始め
仕事も落ち着き始めたその矢先
すべてが順調だったと思えたんだ
夜中に嫁からの電話でその事実を知り
泣きじゃくる嫁を尻目に俺は亡き骸となったお前さんを呆然と見てた あっけなかったね。
冷たく横たわるお前さんに何を言えば良いのか判らなかったんだ。
「辛かったね。頑張ったね?」
「ここまで良く頑張ったよ」
お前さんは1個だけ俺にウソを付いた。
定年後2人で田舎暮らしするって言ったじゃないか。このウソツキ。
でもまぁ、何だかんだで多分背中に今でもくっついて下界を楽しんでるのかな。
お前さんが自縛霊として居るなら別に構わんさ
そんな5回忌を迎えるこの夏
こんな蒸し暑い夏を過ごす度にお前さんを思い出すんだろうな・・・。
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Last updated
Aug 9, 2010 02:44:00 PM
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