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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:アメリカ生活
本日、元気すぎなお客さんが登場した。
他のスタイリストのお客さんなのだが、確か随分しばらくぶり。そして最後に見たときは腹がデカかった。 あ~、産まれたんだな、と思いお祝いの言葉をかけに行った。 『オメデトウ。いつ産まれたの?』 『オ~、ゴンゾウ、アリガトウ。3日前だよ~。』 えっ、、、、マジ???? って事は昨日病院から帰ってきたばかり?? ビックリしてる権造に、だからどーした?と不思議そうなお客さん。 はぁ~~~~。元気一杯である。 妊娠後期から赤ちゃんが勝手に出てきてしまう、え~と名前忘れちゃったが、そんな状態になり入院して安静にしてたらしい。妊娠発覚後もきっちり毎月必ず来てたので最後のほうは髪の毛が気に入らずイライラしてたそうだ。 なので、産まれたその日の夕方に病室からサロンに電話して今日の予約を取ったとか。 退院したのは昨日の夕方。そして初めての赤ちゃん。 今日は1ヶ月半産休取ってるダンナに赤ちゃんを任せて、とりあえずとにかくものすごく気になっていた自分の髪の毛をどうにかキレイにしようと来たそうだ。 ちなみにこちらの病院は普通に滞りなく出産した場合、入院は2日が相場である。 高額医療や医療保険の都合上2日となってるらしいのだが、保険を持たない人などは産んだその日に帰る人も居るらしい。ティッシュ1箱とかオムツなんかも料金に加算されないように持参するそうだ。大変な話である。 そして、妊娠中や授乳中のカラーリングは安全なのかと思う人も多いだろう。 はっきりした答えと言うものは無く、美容師もドクターも聞かれると『本人の意思に任せる』と答えることになる。妊婦で実験したこと無いから結局の所分からないし何かあったら答えることにより責任問題になるからだ。今までのお客さんもカラーリングを妊娠中にしてた人は半々であり、権造はいくつかのメーカーに問い合わせてみたことがあるが、はっきりした回答は得られなかった。 権造なんかは気にせずやってたのだが、気にしながらカラーリングするのは良くないと思うし、それでもカラーをやりたいと言う人が居れば地肌に直接触れないハイライトなんかの方法に変えるといいと思う。 このお客さんは2時間半ほどでハイライトとカットを堪能してすっかりきれいになった我が姿を鏡で確認して『よし!これから子育て頑張る!」』と帰っていった。 産んで3日目なんてまだまだドバドバ出血中だし、初めてで訳の分からない状態の連続なんだが。 権造も産んで4日後には車でスーパーに買出しだ何だと必要に駆られて出かけたりしていたが我が身の見てクレを気にかける余裕は無かった。 本当はゆっくり体を休めてるのがいいのだろうが、このお客さんのように精神的に自分を鼓舞するように思い切って自分に時間とお金を掛けて見るのも一つの手だと思った。 産後の過ごし方というのは文化の違いにより様々である。 権造のお客さんの中国人の親子が居て、娘のほうが出産したときは中国の習慣にのっとり産後1ヶ月くらいは髪を洗えなかったそうだ。 産まれたと聞いていたので、母子とも元気にしてるんだろうかと思っていた1ヵ月後位のある日、権造の携帯に大泣きしながら『サロンに向かっている』と娘の方から電話があった。 ビックリして話を聞いてみると、母が頑として娘に髪を洗わせず、産後かれこれ28日目なのに一度もシャンプーしていないらしい。時々ショウガ水で頭皮を拭いてくれるくらいで、とにかく気持ち悪いし気分も悪いからもう我慢できなくなって母が赤ちゃんをお風呂に入れているうちに家を抜け出しちゃったらしい。 『ゴンゾウ、お願い。シャンプーだけでいいからして。』 『え。。。。いいけど、いいんだけど、お宅のママ怖いし怒られない?』 『もう自分じゃ汚くって触りたくないからそこで洗って欲しい。』 ゲ、、、、。そんなに汚いんだろうかと思いながら待っていると彼女がやってきた。 確かにかなり恐ろしくバッチイ髪になっている、、、。こりゃー痒いし気持ち悪いだろうと同情し、色んな物を洗い流す専用のシャンプーでゴシゴシ洗うこと5回。やっと本人的にさっぱりしたようで見違えるように元気になって帰っていった。 入れ違いにママの方から権造に電話が。 『もしかしたらウチの娘が行ってない?家抜け出したみたいなんだけどっ!』 これこれこういう事でたった今5回も洗っちゃった、ゴメンと言うとやっぱりものすごく怒られた。中国では出来るだけ長く水を使わない事で後々の本人の体調にかなり良い影響をもらたらすそうだ。なんでも水を使うとエネルギーがどんどん抜けていってしまうらしい。 彼女はアメリカに居る若い年代の中国人の仲ではダントツで頑張ったと思うし、怒んないでやってくれとお願いし電話を切ったんだが、1ヶ月洗わないのはツライよな~~と思った。 分娩室ストーリーも様々で後になったから笑える話しもたくさんあるんだが、権造のお客さんのラテン夫婦は、ダンナさんが張り切ってビデオカメラなんかを持ち込んで立ち会ってたらしいんだが、よっしゃ産まれた!って瞬間にマッチョ体質とは裏腹にも気が遠くなってしまったらしくヨロヨロ後ずさりしたかと思うと計器類が並ぶポイントで気を失い心拍数なんかを測る機械をぶっ倒してしまったらしい。当然分娩室はパニックになりへその緒切るどころじゃなくなってしまい、ぽっかーんとするママをよそにダンナの手当てとぶっ倒れた計器を外したりするのにみんな大慌てだったらしい。 他にもダンナがゲロったとキイキイしながら怒りまくるお客さんも居たり。 こんな話を聞いていたのでいざ権造出産のときはビビり作造に立ち会ってもらうのは辞めようと思っていた。作造も耐えられるレベルなのか想像も付かなかったようで、立ち会わないという方向で望んだのだが。 もも造の時は何もかも初めての体験で、比較的痛みには強いと自負していた権造はエラそうに『無痛分娩なんて必要ない』と豪語していた。 が、実際に襲ってくる陣痛というものは過去の人生に経験したことの無いものであり、そんなことをすっかり見越していたドクターに『何でもいいから打って楽にしてくれぇ~~。』と懇願しすでにスタンバイしていた無痛のお兄ちゃんに背中にブツっと凄い長さの針を刺してもらう。 そこから麻酔薬がちょこっとずつ流れ込むようになってるんだが、打って数分後には嘘のように痛みが消えて、看護婦さんがちょっと休めと言うにもかかわらず本を読んだり音楽聴いたりすっかりご機嫌に浮かれていた。 ところが2時間ほどした後。作造が無痛の麻酔の計器を見て 『コレ、目盛りギリギリなんちゃうかー。』 え???と計器を見てみると確かにゼロギリギリライン。その瞬間に思いっきり痛みが戻ってきた。 イーーーーデデデデーーーー!!!!!! いきなり天国から地獄に逆戻りでのた打ち回る権造。作造パニックでナースを呼びに走っていく。麻酔の兄ちゃんがあせって戻って来て麻酔を足そうと試みたが時すでに遅し。 なんだか子宮口が何センチだか開いてしまったあとは麻酔を足したらいけないとかなんとか。要は量を間違えちゃいました、ゴメンって事らしい。 もーこーなりゃさっさと出すしかないっしょ、とナースのプーーーシュっ!の掛け声が始まる。 作造はずっとウロウロ煙草を吸いに抜け出しては戻ってこなきゃいいのに戻ってきたりしてたんだが、この時点でアウト。 『ちょっと、ハズバンド、何してるの?こっちの脚持ってっ!』 ナースに命令されて最後の逃げ道を失ってしまった作造。 その後、ドクターやナースがゆっくりゆっくりと権造に言うも、もう権造としては超デカイ鋼鉄製のウ○コがどうしたって出てこないような状態で、出すこと以外に生きる道は無い感じである。 『ノーノー!!ウェイト!いきむな!』 『ウ~~~る~~~せ~~~ぇぇぇ~~~!!!』 『ストーーーップ!!!』 『い~~~や~~~じゃ~~~~!!!!』 地獄のやり取りの後、作造曰く、もも造はポンっと飛び出すようにこの世に出てきたらしい。そして慌てて受け止めようとしたドクターの手の上をツルツルっと滑り危うく床に落下するところを作造が見事にキャッチしたらしい。 まーー作造の話というのは話半分でジャストサイズなので、置いといて。 結局、へその緒まで切らされたらしく、あれだけ本人達の立会いしないという方針があったにも関わらず諸々の事情ですっかり一部始終を目撃してしまった作造。結果的にはそれなりに感動的な場面だったらしくいい経験になったらしい。 こんないきさつがあったので、ここ造の時は用意周到であった。 もも造の時は2日間陣痛に苦しみ病院に行ってはまだまだと帰され、今度帰れって言うなら他の病院に行って産んでやる!訴えてやる!と逆ギレしてやっと病院に受け入れてもらったので、ここ造の時はギリギリまでうんうん唸りながら我慢した。夜中に作造を叩き起こして、もうムリ、絶対にムリ、と病院に連れて行ってもらったときにはすでにかなり子宮口が開いており無痛が出来るギリギリだったらしい。急いで走ってきた無痛担当の兄ちゃんを指差し、『1度目の時の担当の兄ちゃんは量を間違えてミスってしまい大変地獄な経験をした。今度こんな目にあったらオマエを絶対に許さない。』と最初に宣言し、たっぷり無痛を打ってもらう。おかげで再び楽ちんな分娩室ライフ。 もも造も分娩室に来ていたので夜中に起きてハイになってるもも造の相手をしてたりした。 いざ出産と言うときになり、3歳のもも造がすべてを目撃するのはやはり早すぎるだろうと、作造に外に連れ出してもらう。 作造ともも造が出て行った後、『ハズバンドに付いてて貰わなくって大丈夫?』と言うナースに、麻酔たっぷりで絶好調な権造はノープロブレムと返した。 しかし、この無痛分娩ってのはスゴイ。 陣痛の波が来るたびにお腹がキューっとする感覚はあるものの、痛みが無い。 よっていきみだしてからもナースや担当の女医さんと談笑しながら進んでいく。『お腹を痛めて産んだ』という言葉がある日本では楽して産むのはどうなのか、という声もあるようだが、産後の回復の事を考えても体力を温存できるこの無痛分娩には権造は賛成である。アメリカの場合は産後2日入院という事情も関係してくるんだろうが、これから始まるノンストップの子育てに向けてくったくたに体力使い果たすよりはやっぱりいいと思うのだ。 いよいよプーッシュ!も佳境に入り、ここ造の頭が見え始めた頃に女医さんが権造に聞いてくる。 『このコの後、もう一人産む予定は?』 『いや、2人ってことでこの後の予定は無いよ。』 『そう。じゃ最後の経験だから見てみる?』 そしてナースが鏡を持ってきた。ええええ???? 出てくるここ造を見ろという事らしい。一瞬、見たいんだろうかコレって、、、と悩んだがめったにない事だし見ておくか、と体を少し起こして鏡を見る。 ひぃぃぃぃぃ~~~~~~~!!!!! ここ造との初の対面はわずかに見える頭頂部とであった。。。。。 いや、もう結構です、、、とその後さっさとお仕事(プッシュ)に専念。 そしてもも造の時の修羅場とは大違いにあっさりすんなりここ造はこの世に出てきた。 病院に到着してからわずか数時間。楽ちん出産であった。 こうして思い出すと全く違うよな。もも造とここ造。 ここ造の時なんかは2回目だし元気そうだし大丈夫でしょ?と1日半で病院を放り出されてしまった。まあ、こっちとしても家でゆっくり出来るほうが良かった気もする。 どちらの時にも母造は間に合わず、もし出産当日にマイアミにもう来ていたのなら、間違いなく母造も立ち合いさせられていたハズである。 結束強いラテンファミリーなんかは分娩室には2人までしか入れないんだが、入れ替わり立ち代り家族親戚一同がいきんでるなか入って来て脚を支え励ましながら見守るらしいんだが、ギャラリーずらりの出産というのは権造はご免な気がする。。。 あれからそういえば7年近くも経つのか。 もも造ウ○コの痛みとここ造頭頂部は絶対に忘れないと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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