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2009年03月17日
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テーマ:ニュース(100211)
カテゴリ:ニュースから
異国に住む外国人としてずっと興味を持って追いかけているニュースがある。
フィリピン人のカルデロンさん一家のニュースだ。

このニュースを見るたびにマイアミに住む者として思い出すのが1999年の年末から2000年の初めにかけてマイアミ中を巻き込んだエリアン・ゴンザレスという5歳の男の子の事である。
カルデロンさん一家とは状況が違うから比べるとかではなく、子供が翻弄されたという共通点で思い出す。

エリアンは母親と義父に連れられ、計14人で手漕ぎのボートでキューバから脱出し、アメリカに亡命しようとしたのだが、途中でボートが転覆。タイヤに捕まって漂流しているところをアメリカの沿岸警備隊に救助された。14人のうち2人はアメリカに漂着したものの、エリアンの家族は死亡した。
エリアンの実父はキューバにおり、実父のおじがマイアミに居たのでエリアンはそこに引き取られたが、実父は息子のキューバ帰還を要望。国を巻き込んでの大事件になった。

移民局が早い時点でマイアミの親戚の保護下で永住することを認めたので、キューバのほうでは大騒ぎとなる。エリアンは小学校に通いだし学校は奨学金を出す決定をしたり、親族が亡命申請を政府にだしたりする間に、親権を持つ実父の居るキューバではエリアンの帰還を求めて大規模な抗議行動が次々と行われるようになる。
慌てたアメリカ政府と移民局は実父にエリアンを返すように送還を決定する中、マイアミ中の中南米系移民も抗議行動を次々と起こし、そんな中アメリカ沿岸警備隊に救助された5ヵ月後にエリアンは送還を拒む親戚宅に突入した連邦警察の武装部隊130人によって連れ出され、ワシントンの空軍基地に待機する実父の元に帰される。
そしてキューバを脱出してから7ヵ月後に実父らと共にキューバに帰った。

これが事件の概要である。最後のほうはマイアミの親族の政治亡命請求を政府が裁判所に棄却するように求めたりかなりドロドロと政治的な圧力がかかった後味のわるい事件だったのだが、ハバナとマイアミで抗議行動が次から次へと起きていたとき、権造は今のサロンで働き始めてしばらくした頃だった。

当時はおかまっち2人と前のオーナーのキューバ人イザベル、英語の全く出来ないネイリストのキューバ人イシスと権造の5人しか居なかったのだが、丁度騒ぎが大きくなり始めたこの頃におかまっち2人がマイアミを数日離れた事があった。それがピッタリとマイアミの抗議行動のピークに重なり、ある日権造が仕事に行くとイザベルもイシスも来ていない。しばらくしたら来るだろうと思っても来ない。イザベルに電話してみると『今日は自宅でエリアンの為に祈るから仕事には行かない。』
この日は朝のニュースでマイアミ中でキューバ系移民を中心とした人達が仕事をボイコットする、と流していたので知ってはいたが、イザベルもイシスも揃ってボイコットである。
結局、2人のお客さんには権造が電話して全部キャンセルしてもらい、たった一人で1日仕事したんだが、当時フロントに置いてあったテレビによると、バスも走らない、学校も先生が居ない、生徒も居ない、ありとあらゆる職場で人が全く居ないという異常事態に陥っていたそうだ。マイアミのキューバ人街のリトルハバナでは抗議集会が開かれて、デモ帰りにやってきたお客さんの話を聞くと全く身動きできないものすごい状態だったらしい。

おかまっちが帰ってきてから大変だったと愚痴っていると、アメリカ人のおかまっちジムが『ゴンゾウはこの事件についてどう思うのか。』と聞いてくる。途中で一時ニュースを見るのもウンザリだった時期があり、詳しい法的措置については知識が欠けていたので逆にジムに『結局、エリアンの今の滞在は合法なのか違法なのか。』と聞いてみたら、爆笑されてしまった。違法なのは最初からなんだが、それをすっかり忘れたところで起きてる騒ぎじゃないか、コレは、と。

アメリカに海を漂流してやってくる政治的難民達。
この人達は命がけでやってくるのだが、途中で沿岸警備隊に見つかったり不慮の事故にあって遭難したりする。そんな中、一旦アメリカ本土の海岸に無事に到着すればアメリカ政府は亡命を認めるという決まりがあるので警備隊に見つかった人達はボートから次々と海に飛び込みなんとか逃げ切って海岸に辿り着こうとする。一旦救助されてしまえば本国へ送還されてしまうからだ。

エリアンの場合は、わずか5歳にして一人必死にタイヤに捕まっているところを警備隊に救助され保護されたので心情的には本当に命を落とさずに良かったと思うものの、法的には亡命は認められない。救助されたのだから送還されるのが筋である。マイアミの親戚が名乗りを上げたので移民局は永住を最初認めてしまったが、その後親権のある実父がキューバに居ることが判明した。ここでも法的に言うなら親のところに帰すのが筋である。

ところがマイアミに住む移民たちはキューバから逃れてここに住んでいるわけだから祖国の体制に関しては批判的な人達が多い。
キューバに送り返すなんてとんでもない。
父親が居ようがどうしようが関係ない。
エリアンの将来をこのまま奪っていいものか。
マイアミは元々我々キューバ系移民の手によってここまで大都市に変貌したのだから、政府はその点を充分考慮して特例としてエリアンの亡命申請を認めるべきだ。
こんな意見が多かった。

政府としてはそんな前例を作ることは決して出来ない訳だし、何よりも深刻な国際問題に発展していたので結局は圧力をかけて親戚宅に居るエリアンを武装した部隊が強制的に連行するという結果になった。武装部隊に拳銃を向けられ泣き叫ぶエリアンの写真や連行されていく様子はすぐにテレビで流されて結果マイアミのあちこちで暴動が起きた。

心情的にはものすごくやるせないものがある。
アメリカに来てすぐ6歳になったが、まだまだ自分で物事の判断が出来ない小さい子供なのだ。アメリカの学校に通いだし、あちこちから寄付されるオモチャに囲まれて笑顔でカメラに応えるエリアンの映像は毎日毎日流された。
ママも死んでしまった。義理のパパも死んでしまった。5歳ならなんとか分かる頃である。
自分も一生記憶に刻まれるような怖い思いをしながら海の上をさまよった。
そんな悲しみとは正反対の物があふれる生活や人に祝福される生活。
キューバから息子を迎えに来た実父とエリアンがどんな仲だったのかも分からない。母は義父とキューバから逃げ、この実父も再婚していたようだ。
本当はエリアンはどうしたかったのか結局のところは分からないんだが、この年齢なら親と過ごすのが一番幸せだと考えるのは一般的には妥当だと思うし権造もそう思った。

最終的には法律に則った血も涙もない結果となったが、心情的にはやるせないが親権が世界で認められている法律である限りそして移民法で海上で救助されたものは送還されると決められている限り仕方のない結果だと思う。
せめてエリアンがキューバで死を間近に体験した事から立ち直り、実の父と一緒に幸せに暮らしている事を祈るばかりである。


今回問題になっているカルデロンさん一家の場合、両親共に偽造パスポートで入国しのり子さんは日本で生まれた。
自分や家族が合法的に住む権利があるのかどうか、のり子さんは知っていたんだろうかと思うとのり子さんには同情してやまないし、家族が引き裂かれる結果になってしまったのは残念でしょうがない。
それでもやっぱり、このカルデロンさん一家や近所の人達や学校の友達には申し訳ないが、異国に住む決断を自分の意思でした時にその国の法律に則るのは必要なことだと思う。

日本は今職を失った人が路上に溢れる反面人手が足りずに外国人労働者に頼るという矛盾した状態にある。これからもどんどん不法労働者不法居住者というのは増えていくんだろうが、それを政府がどう扱って行くのかはまだ分からない。
もしかしたら10年後だったら一緒に暮らしていける状態になっていたのかもしれないが、今の現状である限り不法滞在者は送還されるのが、国の規律を保つための措置なのだ。

アメリカもこのような話はとても多い。
何年かおきに移民局の捜査が入り、業種によっては働き手が全く無くなってしまうと言う状態になったりもする。移民を積極的に受け入れている(というよりはテロの後は受け入れていた、の方が正しい)アメリカでも半分お手上げ状態だから、移民に対する免疫が少ない日本の政府は現状維持ではいつか対応が困難になってくると思う。

親子が離れ離れに引き裂かれるほど悲しい事はないと思う。
今回在留許可の下りたのり子さんが親戚の下で頑張って生活し、将来最も自分の為にいい決断をして生きていって欲しいと思う。






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最終更新日  2009年03月17日 12時14分02秒
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