|
テーマ:ニュース(100218)
カテゴリ:ニュースから
昨日の日記には実は続きがあった。
あまりに長いのと、話の内容が段々食い違ってきたのでバッサリ消してアップしたんだが、とさま氏のコメントにあった内容と重なる部分があったので再び頑張って書いてみる。 カルデロン父さんが果たして15年間の間にいかなる仕事をしていたのか、税金なんかは払っていたんだろうかというのが気になっていた。 権造にも身に覚えがあるからだ。 はるか昔の学生だった頃。 当時は学生ビザでアメリカに滞在してる留学生は週に何時間以内だったか忘れたが、許可を取れば大学のキャンパスで働くことが出来た。 権造は学生センターの窓口で学生証の発行手続きなんかの事務をして微々たる給料をもらっていた。コレはもちろん税金を差っぴかれてもらう給料であり、確か最低賃金だったと思う。 車を買って、あちこち出かけられる生活となり学校の微々たるバイト以外にも何か収入を得たいと思い、レストランでバイトを始めた。 コレはみんなやっていたとはいえ不法である。趣味が引越しだったので引っ越すたびに近くにある日本食レストランでバイトしていた。その中のひとつのお店は親身になって権造の世話を焼いてくれて、『将来アメリカにずっと居たい思ってるのなら税金を払ってみたらどうか。』と言われた。 不法労働者の税金を国が受け取るんだろうか、それよりもソレっておかしな話じゃないか?矛盾してないか??と思ったものの、とりあえず人生の先輩の言葉を聞いてその後はずっと税金を払ってみた。 そんなこんなしてるうちにグリーンカードが当たった。毎年申請者の中からアットランダムに選ばれて大当たりだったら、その後犯罪歴の有無や健康証明書なんかを提出して面接して無事に通ればもらえるというものである。競争率がかなり激しいのだが、実は作造も同じように大当たりしている。 当時の面接は東京のアメリカ大使館で行われ、その為に日本に帰国して面接に望んだ。 ダメだったら、アメリカ再入国の時に空港の移民局でお断りされるというギャンブルのようなものである。 面接官の前に立ち、本人である事を証明してから面接がスタート。ウソは絶対に付いてはいけない面接である。 『アメリカ滞在中に違法で働いたことはありますか?』 いきなりの面接官のこの質問は、必ず聞かれると言われているものであった。 『ハイ。』 素直に答える権造に面接官の眉がピクリ。すかさず用意しておいた納税証明を提出して 『違法で働いていましたが、税金は払っていました。』 面接官は眉ピクリから眉ニッコリに変わり、その後は質問らしい質問も無くあっという間に面接は終了。 そして今権造はここに住んでいる。 抽選に当たった限りよっぽど悪いことをしていなければ普通に面接後に発行されるこのグリーンカード。権造は当たった時点でもらえる基準は満たしていたが、面接時にこの納税の証明という最終兵器が面接官の心証をすこぶる良くしたであろう事は見ていて感じた。 当時はSSN(国民登録番号)カードには、今の学生ビザ保持者の場合はきっちり印刷されている『就労は認めない』という注意書きが無かった。、この個人情報が全て詰まった番号を使って税金を払い続けても管轄が違うし横つながりが全く無かったと思われるので、違法労働者の納税というのは多分どちらかといえば珍しい分類に入るのに、見つかる事も咎められる事も誉められる事も無かった。 そして話は戻ってカルデロンさん一家の場合。 昨日の日記の『異国に住む決断を自分の意思でした時にその国の法律に則るのは必要なことだと思う。』と書いた一行について。 まずは最初に不法滞在の件から書いてみると、あれこれ支援団体のHPやら入管のHPを覗いてみたりした結果。 * 一家は在住する市に外国人登録をしている。 * 住民税なども納めている。(この『など』と言う表現じゃなく所得税とかも払ってるのかどうか明記して欲しいと思った。) * のり子さんが小5の夏休みに両親が不法滞在を解消するべく正規の在住許可申請をしようと思っていた矢先に母親が不法滞在容疑で逮捕、10ヶ月収容された。 * 以後は一家の国外退去を前提とした『仮放免』状態が2年ほど続いている。 * 外国人登録は日本に連続90日以上滞在する外国人は一部を除き(米軍や大使館など)登録する義務がある。 * 外国人登録票の記載条項には『在留の資格および在留期間』が記されている。 * 在留期間の規定は永住や外交・公用以外は長くて3年である。 * 具体的な在留期間は在留資格ごとに定められている期間の中から、上陸許可、在留資格の変更、在留期間の更新、在留資格の取得又は在留特別許可の際に決定される。 最後の1文なんてのは、だから結局最大何年更新できるのか、という所まで辿り着けずに挫折したんだが、要はこんな感じである。 分からなかったのが、正規の在住許可申請というのがどの位不法滞在者にとって困難なものであるのかという事。 アメリカの場合は一旦不法滞在が発覚すると10年は入国拒否となったりで、日本の場合はもっと困難かと思うんだがどうなんだろう。反面、アメリカの場合は『恩赦』がたまにあったりして、恩赦で永住権を獲得した日本人の人に以前聞いてみたら『○○年以前に入国して現在不法滞在している者』が対象だったりしたらしいから、アメリカの例は参考にならない気がする。 ただ、カルデロンさん一家の場合、のり子さんという子供が居る。子供の人権擁護というのは人道的見地からすると法律の上に立つ場合もあるらしい。日本はこの条約の締結国なんだが、『子供の権利条約』の第9条にはこんなのがあった。 第9条 1. 締約国は、児童がその父母の意志に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続きに従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りではない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要になることがある。 う~~ん。。。もっと難しくなってきた。 こういう事を色々踏まえて考えてみると、のり子さんが成人するまで両親の特別在留を認めるとか、そういうのもアリな気がしてくる。が、どうなるにしても両親が法を犯したという事は事実であり、両親がちゃんとした形で償う事は必要かと思う。 カルデロンさん一家の為に活動している団体なんかのHPを見てみると、フィリピンから出稼ぎで不法に入国してくる背景なども書いてある。確かにヒドイ状況なのは分かる。 それでも、外国に住む決断をした限りはやっぱりその国に根ざした生活をするべきで、それにはその国の法律を守るという事も含まれると思う気持ちは変わらない。 以前サロンに居た同僚は、キューバから親戚を頼って夫と娘と一緒に移住してきた。 天国だと思っていたアメリカは実際に暮らしてみると、医療保険や車の保険は破産するほど高い、国では薬剤師をしていたのにアメリカではアメリカの免許が必要でマトモな職に就けない、子供をもっといい学校に行かせてあげたいが学費が高くて払えない。とにかく生活苦にあえぐ事になってしまった。彼女と夫はキューバに帰りたかったんだが、年齢的にもすぐに新しい環境に慣れてしまった娘は絶対にキューバには帰りたくないと言う。『ママは英語が話せないから恥ずかしいから友達に話しかけないで。』と娘に言われ、大泣きしながら仕事を辞めてしばらく語学学校に行ってたものの、相変わらず英語が話せないままにアメリカ生活の不満をを並べながら出張ネイルの仕事をしているようだ。 前日書いた、エリアンの事件。当時の世論は6割程が『エリアンはキューバの実父のところへ帰るべきだ』という意見。 随分前に知っていた、両親が不法滞在でアメリカで生まれた子供は今頃高校生の日本人家族。奥さんは日本の家族親戚に会う事も一時帰国することすら出来ない生活がイヤになり一人で永久帰国。ダンナさんは今も潜って生活していると思うし子供はきっとそんなお父さんと住んで居るんだと思う。 アメリカに来てすぐに日米貿易摩擦の影響で『ジャップがジャップカーに乗りやがって。』と車に放火された。今では随分自分をとりまく環境も変わったがそれでもここに住もうと思っている自分。 なんだか、そういう事を色々考えていると余計にこの家族にどうなって欲しいのかと言うのが分からなくなってくる気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ニュースから] カテゴリの最新記事
|