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テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:チビ
今日は仕事が休みだし、もも造の遠足に付き合うことに。
今日は近くの大学の『Environmental Center(環境センター)』と言う場所だった。 普段通っている場所で、キャンパス内の建物で何か環境について講義でも聞くんだろうと思ってたんだがついてみた場所はキャンパスに併設されているってか隣にある草ぼうぼうの一角。道沿いにゲートがあってEnvironmental Centerと看板があるものの中を覗いてみても木が生い茂っていて何も見えない。 中に入ってみると意外と広い敷地のようで、スタッフの人達も見渡してみて面白いなと思ったのがその人達の風貌だ。 典型的なアメリカ人の『ワタシ、エコです!』ってオーラを前面に出してるベジタリアン風のナチュラリストのような人達か、イマドキ姉ちゃんタイプのピアスしたりタトゥーを入れたり髪が赤かったりそのままモデルにでもなりそうな若い世代の人達である。 ティナというスタッフに連れられてゾロゾロと最初に向かったのは『ただの藪の中』。 パッとしない場所だな~と思ったんだが、ありのままの林を残している場所で、その中のケモノ道程度の小道を進みながらティナの説明を聞く。 まず最初にティナがチビに言ったのは 『次の2つの言葉をちゃんと頭に入れてね。【Native・ネィティブ】と【Exotic・エキゾティック】。ハイ、言ってみて!ネィティブ、エキゾティック!』 ネイティブ!エキゾティック!とティナの後から連呼続けるチビ達。 ネィティブとはその土地原産、エキゾティックとは外来種のことである。 歩きながら次々と色んな草木の名前とそれがフロリダ南部のネィティブであるのか、他から持ち込まれて自生するようになったエキゾティックなのかを教わっていく。 触ると大変なかぶれ様で人によっては顔が倍くらいに腫れちゃったりして病院送りになってしまうPoison Ivyという植物。アイビーという名前だからまんまアイビーのような葉っぱの植物なのかと思ったら、なんてことは無いどこにでもありそうな植物で、よくよく考えてみたらうちの庭のお隣との境目の塀の所に生えていたような。。。 普段、ガーデニングなど小マメな作業が大嫌いなのが幸いし、庭の手入れは家に芝刈りに来るオッサン2人に任せているので酷い目にあう機会もなかったんだが、これからは気をつけようと早速お勉強した。 こんな感じで出会う植物それぞれをチビらは『ネィティブ!』とか『エキゾティック!』とか叫びながら覚えていく。普通にこの辺りで広がる風景らしいのだが、エキゾティックが意外と多いのにはビックリした。 しばらく歩いていくと目の前に高さ2メートルから3メートルくらいある植物が目に留まった。なんだか懐かしい植物なんだがやたらとデカイ。 ティナがその植物を指差して、『コレはアジアから来たエキゾティックのホニャララです。』と説明した。英語名ホニャララは忘れちゃったが、ススキである。遥か遠いアジアから一体どんなルートでこんなマイアミくんだりまでやってきたのかは分からないが、権造の頭の中のススキというのは中秋の名月なんかに月やらダンゴやらをバックにしてユラユラ揺れてるワビサビ的なススキなんだが。 所変われば何とやらで、ススキもトロピカル気候に順応して空高くどデカく成長したようだ。この巨大ススキ、今では南フロリダの生態系を脅かすほどの勢いであり、たまにニュースで流れる比較的乾季にたまにあるエバーグレースの湿地帯の火事なんかはこの巨大ススキの巨大な穂の部分に火が付くとあっという間に火の粉となり火事の範囲を一挙に拡大してしまうかなり厄介者なようだ。 こんなお勉強もしつつ、他にも始めてみたコットンの木にフワフワとくっ付いている見た目そのまんまのコットンに驚き(コレは種を守る為にフワフワを出すらしい)、 木に掛けてあるフクロウの巣箱がすっかりハチに占領されてて高さが充分な為にチビや大人が大勢ゾロゾロ真下を歩いてても全く無視されるのに驚いたり、 土を必要とせず木の幹や枝にぶら下がって勝手に生えている植物を観察したり(コレは南米産エキゾティックで原住民が薬として使っているもの)、 中々普段気に留める事のない身近な植物について学習した。 その後は敷地内の池と湖の中間くらいの大きさの貯め池のような所で水中に住む生き物にチビ達がエサをあげる。 謎の巨大魚からスッポンからめだかサイズの小魚まで。中に浮いてるブイのような浮き台の上からあげるんだが、三半規管がイタイ権造はコレに乗っただけでフラフラしてしまい、それでも写真なんか撮っているものだから、その後しばらく歩くのがきつかった。 ランチを食べてから、新聞紙をビンに沿って丸めて下を折り、その中に土を入れてヒマワリの種を蒔いてみたり。この新聞紙はケミカルなものがない再生紙だからそのまま帰ったら庭に植えていいよ、と言う。見てみると全米の中でも英語のレベルランキングがかなり低い地元マイアミヘラルドである。ティナに質問してみたらちゃんと印刷インクも植物性のインクで土壌の環境に全く問題ないらしい。 エコとは対極だと思ってた地元新聞だったが、ちょっと見直した。 そこの隣にはオーガニック菜園があり、トマトやバナナや色んなものが植わっており、端の方には枯葉や枝を無造作に積んである一角があり、そして腐葉土を作る機械も何も無いのに何故かウサギ小屋が。 思いっきりシンプルなオーガニック菜園であり、何のことはない。無造作に積んである枯葉や枝を適当な小ささに切って蒔き、結構な大きさのウサギ小屋を定期的に移動させてウサギのウ○コをそのまま垂れ流してそれで充分だそうだ。ちなみに小屋の中の2匹のウサギは以前ハンバーガーだのジャンクフードばかりあげてる酷い飼い主がシェルターに捨てたのをここで引き取ってきてナチュラル食をあげてブクブクだったのが普通の体形に戻った頃からオーガニック菜園の肥料係として居るそうだ。 そしてその後は再び小道を歩く。途中横道があり直ぐにもとの所に戻ってこれるんだがチビだけ入っていって『そこに存在しないはずのものを9つ見つけなさい』とお題を貰い必死に探していた。木々の中にミニチュア兵士のフィギアだとか、陶器のカエルの置物だとか、ステンドグラスのハチドリなんかが隠れていて周りの景色と同化してて中々見つけられないチビ達。 一体意図するところは何なんだろうと思っていたらカモフラージュの勉強だった。たまたま木の枝の上にイグアナが登っていて、イグアナはカモフラージュなんて必要ないんだけど枝や葉っぱの色と同じなので全く気付かなかったが思いっきりみんなの頭上に居た。 ガサっと音がしてみんなで上を見上げたらいきなりイグアナだったので、悲鳴がコダマする事になり、こっちの方がカモフラージュの勉強っぽいとティナが言っていた。 その後、うだる暑さの中をフラフラに歩く一行はやっと屋根のある所に辿り着き、お決まりの生き物講義を聞く。 もちろん、親が悲鳴をあげるシリーズでサソリ(ネィティブサソリ。砂漠のイメージが強いのでこんな湿地帯エリアに居るとは知らなかった)やらヘビやらトカゲやら毒グモやら。 こちらはネイティブが多いもののやっぱりエキゾティックも混じっており、交通手段の便利さと共に生態系が変わってきているのが何となく実感できる感じだった。 9時から2時までビッチリで、暑くてフラフラになったものの最初に思ったショボいイメージよりは遥かに学ぶ事が多かった。 途中、あちこちで色んな大きさのイグアナに出会い、大きいものは体だけで1メートルくらいあり、尻尾まで入れると権造よりも大きい感じだ。 このランチ中、巨大イグアナが向こうの方をノシノシと歩いてくるのが見えたのでみんなでキャーキャー言ってたら、親の一人が自分の食べてたサンドイッチを投げた。イグアナは全く意に介せずでそのままノシノシ歩いていたのだが、サンドイッチのカケラの横を通ったときに、ん??って感じでそちらを向いて次の瞬間にはバクっと食べてしまった。 オイオイ、環境についてお勉強に来てて、さっき人間の食べ物でブクブク太ったウサギの話を聞いたばかりだろう、とちょっとカチンと来ていたら、立て続けにこちらに呼ぼうと他の親や子供達もポップコーンだとかハムだとかを投げ出した。 ティナが居ない間だったし、ちょっと我慢がならなかったので、注意しようと先生が立ち上がったのと同じに権造が一言言おうと思ったら、ティナの怒声が響いた。 『ちょっと!そこの人達!何の勉強しに来てると思ってんのよ!!』 そうだよな~~。全くその通り。投げちゃってイグアナの近くに散乱してる人間用フードをイグアナ怖くてビクビクしながら拾いに行かされる親達。子供の前で大失態である。 小道沿いにおいてあるベンチなんかも全て再生プラスチックで出来ており、 昼食を取った場所は珍しくリサイクル用の分別のゴミ箱がちゃんと置いてあり、チビ達も今日ばかりはアルミホイルはここ、ビニール袋はここ、紙くずはここ、とちゃんと分別していた。 今日はアートのクラスがあったので、もも造はそのまま学校に居て権造は暑さにやられちゃったので一旦帰って頭痛薬を飲んで休憩しその後2人を迎えに行った。 帰宅してから、新聞紙ごと庭の隅にヒマワリを植え、積んであった蘭の苗木をもらったのでそれも植木鉢に入れて水をあげて、この2つの成長をもも造は楽しみにしているようだ。 あ、ちなみにイグアナはエキゾティックである。 元々このトロピカル気候のマイアミ原産だと思っていたが南米からやってきたそうだ。 普段、たまに住宅地でも見かけたりするのでこれには驚いた。 ティナがチビとやり取りした中で一番印象に残ったのがコレ。 『アナタ達ってネィティブ?エキゾティック?』 『マイアミで産まれたからネィティブ!!』 『違います。みんなエキゾティックだよ。あなた達のおばあさんでもひいおばあさんでももっと先の人達でも、外国から来てる人が殆どだと思う。アメリカのネィティブはインディアンの人達です。』 また1つ、勉強の課題だけ与えられたような感じだ。 チビがきょとんとした顔をしてる後ろでミス・ナバが『そのうちちゃんとフォローして教えておかないとね。』と言っていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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