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カテゴリ:仕事
昨日の朝、作造から横領容疑の電話がかかってくる前、クラウディアが権造の所に来た。
おかまっちジムがずっと何年もクラウディアの髪をカットしていたのだが、去年おかまっちが去ってからはジョージがカットしている。が、最近なんだかスタイルがどうも気に入らないらしくセットするのも一苦労だと言う。 こういう事は多々あり、長い付き合いであったスタイリストから別の人に変わった場合、スタイル自体を変えずにチョコチョコ揃えていたりする場合は前の人のカットが抜けるまで意外と時間がかかったりする。そして『新しいスタイリストのカット』に変わった頃から、アレ?なんだか前と違って扱いづらい??と感じ出すわけだ。 う~~~ん、それはアレだねぇ。。そろそろスタイルの変え時じゃない??と権造が説明すると、じゃあゴンゾウだったらどんな感じがいいと思う?というので、クラウディアが2年ほど前にやって凄く似合ってると思ったスタイルがあったので、それを今の長さに合わせた感じのがいいんじゃないかと提言してみた。 あ~、アレね、そう言えば凄く評判良かったのよ。ふーーーーむ。。。とクラウディアは考え込んでいる。イヤそれよりもしたいスタイルとか無いわけ?と聞いてみると、どうしていいのか全く決まらないらしい。 クラウディアはあれだけ仕事っぷりはビシビシ厳しく、この世の中には白と黒しか存在しなくてワタシの辞書にはグレーは無い、ってな感じの態度なくせに、髪に関してだけは意外とグルグル同じところをひたすら廻って悩み続けるタイプである。コーヒー飲みつつ『とりあえず、ヘアスタイルの本なんて腐るほどあるんだから見てみたらいいんでない?』とお勧めして朝ごはんを食べていたら再びやってきて、爆弾発言をした。 『ゴンゾウ、今日1時間空き時間があるからその時に私の髪を切ってくれない?』 へぇ???マジですか?? クラウディアはとにかくややこしく難しい性格なので今まで誰も切りたがらず本人もそれを分かっているのでオーナー以外の誰にも頼まなかった。 よっぽど今のスタイルが気に入らないんだろうと推測し、『さっき言ってた感じで切るのならいいけど。』と了承した権造。 その後作造から電話がありそれから仕事に入り、お客さんがシャンプーしてる時にジョージが権造の所にやってきた。 『今日、クラウディアのカットするんだって?!』 『うん、なんか話の流れでそうなったみたい。』 『彼女はビッチだぞ!頑張れよ!ワハハハ!!』 そう。クラウディアは心の奥は優しい人だが、自他共に認めるビッチである。 Bitch(名) (略式・軽蔑)いやな女、ばか女、アマ と辞書にはあるが、要は『このクソババァ』の最上級である。 そして子供の前では使うのはNGで、映画じゃボロボロ連呼されてるが、一般のテレビではピーーーーっとなる単語のはずである。 サロン内でクラウディアの形容詞にもなっているが、別にガラが悪いサロンでもなく従業員同士いがみ合ってるわけでも無く、権造達の場合は愛情こめてビッチという単語を使っていると一応誤解の無いよう書いておく。 権造の空き時間になりクラウディアが権造の鏡の前に座ると、同僚全員が、え???と言う顔でこっちを見た。皆にとっても権造がカットするのは驚きな事であり一番驚いてる権造はさっさとカットに突入した。 手が空いてた者は後ろに座って興味津々に見てたりする中、チャチャっとカットは終わってドライカットだったのでその後シャンプーしてから『どうする?自分でセットしたい?』と権造は一応聞いてみた。とにかくセットもこだわりにこだわってる様子が朝の会話からも窺えたので自分でやったほうがいいかと思ったからだ。 クラウディアは『いや、いいよ。やって。』というので、ショートヘアにはブラシでブローはしない権造は手ぐしでブローを始めた。 なんとクラウディアはスタイリング剤を5種類も毎日使ってキメてるらしく、同じ5種類全部使って最後はこっちの人お得意のスプレー使い切り状態でシューシューしてくれと言うので遠慮なくシューシューしまくった。 一応、いい感じになりクラウディアに感想を聞くとメガネをかけたクラウディアは自分の髪を見て『うん。いい感じになった。なったんだけど、、、。』とアチコチ触りだした。 あ~~やっぱりぃ~~と思い、だから自分でやればって言ったのに、、、と肩を落とす。スタイリング剤をたくさん使ってセットした髪は触れば触るほど崩れていく。 最初は苦笑いで見てた権造も、だんだんあちこち触りすぎなスタイルは折角クラウディアの好きなようにあちこちボリューム出したのに、見るも無残に崩れていくので、段々と苦笑い→無言→口の端がヒクヒク→こめかみに怒りマーク、とご機嫌斜めになってきた。 ジョージも飛んで走ってきて『そんなにぐちゃぐちゃにしちゃったら折角ちゃんとセットしたのが全部崩れちゃうじゃないか~。』と言うのだが、鉄の女クラウディアは結局、イヤ私が自分でやる時はココがもうちょっとこうなっててああなってて、、と全部すっかりグチャグチャにしてしまい、ブロー前のぺったんこな状態に戻ってしまい、更に権造はその髪を見たクラウディアに『ボリュームが無い。』と文句言われた。 英語でやりとりしてる時は感情の起伏によっては権造はアメリカ人に変身してしまうので、この時点で戦闘モードに突入。 お客さんならいい。お客さんなら何があっても我慢できる。お客さんってものは別格なのだ。 が、同僚の場合は別でありそれぞれ髪をやる時はそれなりのマナーってものがある訳で(中にはそんなの意に介さない女王や妃殿下も居るのだが)、いつもほとんどのスタッフはきっちりマナーを守ってやっている。こりゃ~ないよな、と見てる同僚の前でクラウディアを外に連れ出しかな~りどぎつい『お話し合い』をした。 クラウディアの場合は多分自分がやったり言ったりした事が人を傷つけると言う事が良く分からないようなので、ウギャギャギャギャ~~!!!とまくし立てる権造を見て最初はポッカーーンとしてたのだが、最後には権造の言わんとしてた事をなんとなく分かってくれたようで『そんなことで怒ってるの?ゴメン。』と謝ってくれた。 ま、言えばこっちもすっきりさっぱりする訳で。 その後仲良くサロンに入ってきた2人をみて、同僚はアレ?って感じであった。 こうやって書いているうちに思うのは、、、。 やっぱりこういう性格の人を扱う上でおかまっちジムはすごい人である。思い出してみると、ジムにも時々文句言ってるのを耳にしたことはあったのだが、一言二言でビシっとあのクラウディアを黙らせてしまうのはすごい。ジム自体はビッチじゃないのだが時々ビッチに変身できるようで、ビッチをもってビッチを制すというか何というか。技術や経験だけでなく、性格的な部分でも本当に尊敬できるボスであったなぁ~と思う。 思うに、ジョージや権造は『負のエネルギー』に対してのバリアが弱いんだと思う。 同僚に対しての場合は自制する部分が無いからこうやって見事に乱されてしまい、キーキー過剰反応してしまうわけだ。 お客さんも様々で中にはかなりユニークな人たちも居るのだが、その辺は仕事であり同僚に対してのようにこちらから何かを訴えると言う事はない。が、あのジョージにも苦手な人はおり、そんな事を微塵も感じさせないのに後になってぐったりしている。エネルギーを吸い取られるような感じがするそうだ。 そして権造にもそんなバンパイアお客さんが2人居る。 ジョージは歩くポジティブであり、権造は飄々と生きるを座右の銘として、どちらもあまり負のエネルギーは持たない。 プラスとマイナスのエネルギーがある場合、確実にマイナスエネルギーの方が強いよなあ~と確信する。 おかまっちジムなんてのは人間がすごく深いというか喋っていてもいつも奥底は静かであり、本人の中にはやっぱりそんなに負のエネルギーはない。が、一旦負のエネルギー一杯な相手に出会うと『武器としての負のエネルギー』を創り出す事が出来るようだ。 そしてその即席負のエネルギーは天然負のエネルギーよりも強い。 すごいお客さんをたくさん抱えていたのに、ものともせずにマイペースを乱されなかったのは一体どういうことなんだろう。 凡人権造には分からないので、後でメールして本人に聞いてみよう。 何にせよ、人に変わってもらうことを期待するよりも、自分サイドが変われる事の方が人生厚みが出そうだ。 今日は仕事オフだったのだが、クラウディアから明日の予約のことで電話があり、予約の話の後でクラウディアがもう一度謝ってきた。どうやらジョージにも怒られたらしい。。 いや、別にいいってば~。こっちも言ったらすっきりしたし。と、かえって恐縮してしまったがクラウディアはスタイルを気に入ってるようで、明日見るのが楽しみである。 根はすごく優しくっていい人なんだよな~。クラウディア。 向こうの問題ではなくこっちが攻撃に弱い、という事は理解できたので、攻撃されないスポットに居るのが一番よさそうだ。 あ、ところで先生デビューの評判が中々良く、先生第2弾が決定した。 次回はAVEDAではなくポールミッチェルの学校になるのだが、バケーションから帰ってきてから夏休みが終わるまでの間に、という事だそうだ。 またまたボランティア仕事になるが楽しみである。 良かったね!と思ってくれる人はお祝いにこちらをポチっとよろしく。 ↓↓ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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