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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:アメリカ生活
今日はサロンの定休日だが、常連さんに頼まれてバイトに行ってきた。
(サロンでの値段が高すぎるのでコレだけはしょーがない、と出張している縮毛矯正) 5年ほどのお付き合いのチャイニーズの女の子なんだが、前は車で20分くらいの近所に住んでいたのに結婚して引っ越して今は車で1時間くらいの所に住んでいる。 縮毛矯正だと一人でチマチマやっていると軽く6時間ほどかかってしまうのでチビを迎えに行くのに間に合わなくなるので近所の両親の実家に来てもらう事にした。 10時に待ち合わせしたので、家で朝飯を食べてから出かけた。 到着したのがジャスト10時。車が2台停まっていたから、もう着いているのかと思ってピンポンしてみた。 しばし待って出てきたのは、いかにも寝起きという感じのオヤジさんである。 パ、、、、パパ、、、。それってステテコですか?? ものすごいレトロな格好に一瞬権造はビビりつつも『○○はもう来てますか?』と聞いてみた。 が、、、通じねぇ。。。。パパ、ハァ?って顔をしている。 そう言えば、ここの弟君もしょっちゅうカットに来てくれるのだが、『ウチの両親は20年近くもアメリカに住んでるのに全く英語が話せない。』と言っていた。 しょうがないので『ハロー、マイネームイズゴンゾウ。ナイストゥーミーチュー。』と恐ろしくスタンダードな挨拶をしてみた。 するとパパ、『ア!ゴンゾウ!○#*■△&@☆~~!』 最初のア!ゴンゾウ!しか分かんないのだが、とりあえず彼女から権造が行く旨は伝えられているらしい。 開いたドアから見えた家の中は薄暗い。どうやらホントに寝起きのようだ。 いくら常連さんのパパとは言え、初対面の妙齢(ってか高齢)のステテコ紳士と薄暗い室内に居るのは気まずいなぁ~と思い、車を指差して『○○が来るまでココで待つ。』とゼスチャーで伝えた。 するとパパ、手を顔の前でブンブン振って中に入れと手招きする。一度はニッコリやんわり断ったのだが、パパが『アイヤー。○▼%&8*◇#~。』と言うのでお言葉に甘えて中で待たせてもらう事にした。こっちが家に入るのは失礼かなと思っていても向こうからしたら外で待たせるほうがもっと心苦しいのかもしれない。 で、何度か家には行っているので、リビングで荷物を出して準備をしていたのだが、パパは権造をどうしたものかとあっちでウロウロこっちでウロウロしている。 ○○よ、早く来てパパを安心させておくれ~って事で○○に電話してみた。 すると、、。 『あ~~、ゴンゾウ、ゴメンっ!!高速が閉鎖になってて何時に着けるか分かんない!!ママも髪の毛やって欲しいって言ってたんだけど、、。』 『あ??ママって一緒なの?確実に無理だよ。時間無い。』 『え?ママ居ない?そこに?』 そういえば、、外に停まってた車は2台。ってことは???と思った瞬間にママが出てきた。ボサボサの寝起きの髪にスポンジボブのパジャマである。 おい、、。10時過ぎで寝起きですか。 『ママ居た。。今起きてきた。』 『あ~、昨日麻雀パーティーがあったらしくって。夜中までやってたんじゃない?』 なるほど、、麻雀だったのか。髪チェックをすると細くて少ない癖毛のようだ。○○はほぼストレートだが毛先がかなりウネる。で細くて少ない。一応毎回余分に薬剤は持ち歩いているので2人分はある事にはある。 『で、ママも縮毛矯正したいの?待ってる間に出来るかな。なんならママから速攻スタートするけど。』 『あ、じゃあお願いっ!急ぐからねっ。』 で、ママに代わる間もなく切ってしまった。 ママはハイゴンゾウ、と言ってニコニコ目の前に居る。英語は無理なようなのでよっしゃ権造の数少ないチャイニーズボキャブラリーで、と思い、『ママ、トウファ(頭髪)ディスワン、ナウ、オッケー?』って縮毛用のアイロンを見せ、思いっきり数少ないって言ってもわずか1個だけチャイニーズボキャを入れてみる。ママ、やっぱりハァ?となる。 こうなりゃ筆談で、、とカバンに入ってた手帳を引きちぎりお気に入りの万年筆で『我必要今始縮毛矯正、是不是?』となんじゃこりゃっという漢字並べをしてみた。 途端にママにっこりしてうなづく。おおおお??何となく通じてる??? ママをイスに座らせてケープをかけて、一応確認しておく事だけ聞いてみる。 『染色美容院?市販薬色?』 市販薬色を指差すママ。ドラッグストアで買うカラーのようだ。こっちの方が矯正の薬剤で褐色しやすいので気をつけないといけない。 次に。 『頭髪巻毛自然?不自然?』 コレは通じないかもな~と思ったらしばし考えた後通じたようだ。 結構なんでもイケるものである。 こんな風に適当に書いては見せ、アハハ~~とウケながらママは漢字を直したりして、矯正が一旦始まってからはそんな事してると終わらないので、ママにはテレビの中国語チャンネルに集中してもらい、権造は作業に集中した。 結局、、、。 ○○は家を出てから2時間半かかってパパママ実家に到着した。 事故だか何だか知らないがとにかく高速が封鎖となっていて乗り換えられないままドンドン行ってしまい、下道を走ってるうちに迷ってしまい、、と散々だったらしい。 ○○が来てからはアレコレ通訳してもらってパパママとも話が出来たのだが、『ところでウチの両親英語全然ダメだけど大丈夫だった?』と聞かれて、筆談してたと言ったらなるほど~~と納得していた。 終わってみると、6時間半で2人綺麗に仕上がった。 どっちか一人でも髪がボーボーに多かったら後1~2時間はかかっていたと思うが、助かった。 ママも○○もそしてもちろん権造も昼メシ抜きの長丁場。 一応、手でチャチャっと食べられるフィンガーフードを用意しておけと言っておいたのに、○○はママが何か作ってくれるだろうと思ってたらしく、そしてママは徹マン明けの寝坊姿だったのでもちろん何も作ってあるはずも無く。 パパは途中イスを並べて座っている母子にホニャララと断り、自分だけカップラーメンを食べていた。そりゃそうだよな~。 ママは途中で○○経由で30分くらい休憩してご飯を作っても良いか?と聞いてきたが、容赦なくダメ~~っと断り、結局パパが冷蔵庫から出してくれた『ムーンケーキ』を1個ずつ食べただけだった。 パパにはコーヒーも淹れて貰ったし。ステテコ紳士姿にはビックリしたし会話は出来なかったがとてもいい人だった。ママも一旦作業を始めた後はず~~っとテレビを見てるだけだったが仕上がりにはとても喜んでくれたようで、○○曰く、また2人一緒にやって欲しいと言う事だった。 結局2人に掛かった時間は予定よりも大幅に長くなり、終わって速攻で帰る準備をしているとチビにあげてくれとパパママからジュースやお菓子をたっぷり持たされた。 20年近く住んでその国の言葉を話さないというのはやっぱり良くは無いと権造は思う。 パパママだって英語が話せたら家に一日中居る事もなく近所の人とお茶したり映画を見に行ったり出来ると思う。 中国人の場合は世界各国の街に移民として住んでる人が沢山居るので、どこの街であろうが同郷同士で付き合えるとしても、普段の生活で請求書に何が書いてあるのか分からなかったり、冷蔵庫が壊れても自分で修理が呼べなかったり、日常生活自体がすでに不便だし、もし家に泥棒が入ったりしても自分で警察にも電話できなかったら命の危険度自体英語を話せる人よりも高いのではないか。 マイアミは言うまでも無くスペイン語が公用語と言っていいほどポピュラーであるが、ロスから引っ越してきた当時はビックリした。話しかけてくる人全て普通にスペイン語で話しかけてきて、こんなコテコテのアジア顔なんだから喋れないかも?とか思わないんだろうかと思ったが、向こうにしてみれば母国に必ずアジア系移民が居てみんなスペイン語を話すのでアジア顔というのは武器にはならないらしい。最初は『アメリカなのにコレはおかしい!』とイチイチ頭に来て、ホニャララホニャララと話しかけられて実は少しは理解してても喋れないから、エクスキューズミー??と聞き返す。エクスキューズミーと英語で返した時点で、この人にスペイン語は通じないと理解してくれるのかと思ったら、その後『ハブラエスパニョール???』とスペイン語を話さないのか?とスペイン語で聞いてくる。瞬間どうしてもイラっときてしまい、『ノー。ユードントスピークイングリッシュ??』と言い返したり、慣れるまでは必要以上にけんか腰で自分でもイヤになった。 考えてみれば、、、。 ロスのリトル東京だって同じようなものだった。 アメリカに何十年も住んでる人がほとんど英語が喋れなかったりする。リトル東京の中に居れば朝から夜寝るまで英語を話す必要は無い。当時あった住友銀行の窓口の人は日系でなくともほとんど日本語が喋れたし、メディカルビルの中には内科から産婦人科、耳鼻科まで色んな日本人ドクターが居たし、スーパーではお弁当を売ってて3時を過ぎるとセールになってたし、日本の図書館もあったし、老人ホームまであった。 結局は、この国に住む人の自由であり、限られたエリアの中でしか生活できなくっても不便だと思っても、それは『その国の言葉を学ぶ』という基本的な事に挑戦するのを諦めた代償なんだろうな、と最近は思う。どこの国の出身だろうがそれは変わらない。 権造の場合は、ロス自体にリトル東京が職場だったので、『これだけ日本っぽい所に住んでるんだったら日本に居たほうがずっと便利だし楽しい。』と思い、ロスを離れる事にしてマイアミに引っ越した。全く移民の居ない街には怖くて住みたくないと思うが、もうちょっとアメリカに住んでるという意味の感じられる場所に居たかった。(結局、アメリカらしくない場所に住んではいるが) 権造は自分の意思で住む場所を選べるから他国の人よりは恵まれていると思う。 政治的難民などはほとんどノーチョイスで国を離れる人も居るだろうから、望郷の思いも強いのかもしれない。そこで道は2つに分かれて新しい場所で新しく生きていくのかそうでないかでその後の生活は随分変わると思う。周りにすでにラクに過ごせる環境が整っている場合はなお大変だと思うが、その環境にどっぷり漬かっていたければそれでいいと思うがその生活やその国に文句言うのは辞めて欲しい。 権造もマイアミはこんなにヒドイ!と時々文句を言っているが、それでも住んでいるって事は自分の意思でココに留まっていると言う事だ。イライラはするけど、そんな中で自分のペースをキープするのが最近の目標である。 ○○のパパママも権造から見れば行動範囲が狭くって勿体無い、、と思うのだが、○○や弟君曰く、『気の合う同郷の人と付き合ってるだけの方が好きらしい。』ので権造がアレコレ思うのは余計なお世話なんだろう。 喋りたい事や聞いてみたいことはたくさんあるのだが。 それにしても権造がロスの大学で1年間とマイアミでチビが産まれる前に一学期取っていた中国語はすっかり頭の中から吹っ飛んでいるようだ。。こっちの方が勿体無いと思う人、クリックよろしくお願いします! ↓↓↓ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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