のらりくらりと行きたい

今度の日曜日にウチのサロンでチャリティイベントをする事になった。
同僚の妃殿下が言いだしっぺで、AVEDAに話を持っていってウチのサロンだけではなくマイアミと隣町のブロワードのAVEDAサロンに声を掛け５つのサロンで同じ日に同じイベントをする事になった。

AVEDAとしては毎年４月の地球環境月間と１０月の乳がん月間は必ず何かイベントがあったりチャリティ用の特別商品が出たりする。
今回は何があるんだろうと思っていたら、ハンドクリームのピンクリボンバージョンが届いて、このクリームを買ってもらうと１個に付き４ドルがBCRF（Breast Cancer Research Foudation・乳がんリサーチ財団）に行く事になっている。このBCRFは寄付された金額のうち経費を抜いて約８割が実際にリサーチに使われるというから他の団体と比べると寄付のしがいがあると思う。

妃殿下の義理のお父さんはガンで４４歳の若さで亡くなっているし、妃殿下のお客さんでも乳がんのサバイバーが何人も居る。普段からガンを身近に感じているようで、今回個別に自分達のサロンで何かイベントをやらないかと先月のミーティングで持ち出してきた。
その後、妃殿下はどんどん行動していたようで今月初めのミーティングでイベント内容を発表した。
いつの間にか使えるコネを全部使ってプレスリリースを作って地元メディアに全部送ったようで、お客さんの一人がラジオ局に勤めているのでラジオに出演してイベント内容について話す事になったようだ。そのラジオ局では今週一杯CMを番組の合間合間に流してくれるそうで昨日サンプルCMがメールで届いたので聞いたのだが、中々立派なものだった。
チャリティなので経費ナシということでCMもラジオ局の好意でタダで流してくれるそうだ。更に当日はラジオ局がウチのサロンに来てくれて生放送もしてくれるらしい。
他にもお客さんにはチラシを渡して、学校やジムや会社からこの辺のスタバまで、あっちこっちに貼ってもらっているようだ。イベント自体の宣伝だけでなくオンラインで出来る寄付の情報も載っているので、イベントに来なくても寄付をしてくれる人が一人でも増えるとありがたい。

当日、スタッフはひたすら来てもらった順番にカットして、来てくれた人は３０ドルの寄付をしてもらい、そのままそっくりBCRFに全額寄付する。４時間勝負なので予約も指名もナシ。当日サロンのPCのうち２台はBCRFに繋げっぱなしにしておくので遊びに来がてら寄付をしてもらってもいい。AVEDAの学校に生徒を助っ人に寄越せとお願いしているのだが、何人来てくれるのかはまだ分からない。この生徒達はシャンプーやブローをしてくれる事になっている。

こんな風に準備は着々と進んでおりますが。
そもそも同僚の中にはチャリティ自体に全く無関心な人も居る。
AVEDAはこういうほかの人に何かを還元する、というセオリーが結構行き届いているので多くのスタッフは『おお～～、いいね～。やろうよ。』となる訳だが、無関心な人の場合はちょっと自己チュー思想であって『自分のお客さんが来たらタダでカットする事になって自分の儲けにならないからイヤだ。』とか、『サロンの営業日にやったらいいのに。休みの日に来るのはイヤだ。』とか言い出すわけだ。そんなセリフを吐く時点でチャリティとは遠くかけ離れた所に行っちゃうわけだが、そもそも『他の人になにかやってあげられることって何があるんだろう。』と考える事の無い人は来なかったら良いと権造は思う。
こういった慈善事業ってあくまでもボランティアで、誰も強制しないんだからイヤなら『自分は行かない』とハッキリ宣言しても良いと思う。

ところが中々そうは行かないのが無関心派の困ったところだ。
先週くらいからサロンのあちこちにチラシを貼ったりお客さんにイベントの主旨を説明したりしているので、正直に『私は興味ないから参加しない。』とぶっちゃけトークの出来る人は中々居ない。
更にもっと困ったちゃんになると、当日ラジオが来るというので『カットはしたくないけどインタビューとかあるかもしれないから遊びに来たい。』というツワモノが出現して妃殿下はブチ切れていた。今日も妃殿下はジョージを捕まえて『みんなの足並みが揃わない。』とキーキー言っているので、権造は『強制したってしょうがないんだし、イヤがってる人は放っておいてやりたいスタッフでやればいい。強制したってこのスーパー個性派メンバーだったら絶対に無理だと思わない？絶対にドタキャンする人は居るだろうから当日ガッカリするよりはスタッフ数は少なめに見積もっておけばいいんじゃないか？』と妃殿下に言った。それでもキーキー言ってるので『妃殿下さ～、自分が言いだしっぺだから大成功しないとヤダって思ってるんじゃない？』と突っ込むと顔が真っ青になる妃殿下。

妃殿下は権造がまだ妃殿下のアシスタントをしていた頃に皮膚ガンで何度も手術をしている。ガンに恐怖心を抱いているのもよく知っているし、今回のイベントのほかにも来年のチャリティマラソンに出るべく現在トレーニング中である。イベントの話を言い出したのは純粋にガンのリサーチを応援したいという気持ちだったのは先月のミーティングでありありと知る事が出来たのだが、やっぱ妃殿下も人間。いつのまにか煩悩に支配されつつあったようだ。
心の浄化の為に寺で座禅組んで瞑想している最中に『この後スーパーに行かないと。今日の晩御飯何にしよう、、』って思った時点でアウトなのと同じ事だ。そうじゃない人の方が確実に多いだろうから人間ってこんなものだ。
権造だって同じである。乳ガンで２年前にお友達を亡くしているので自分だって検診には行っているし、病気の早期発見に取り組んだり病気の治癒を目指して日々リサーチに没頭している人達にみんな助けてもらっているわけで、そんな人達に感謝して直接応援出来る機会があればできる事はやってみたいと思うものの、頭の片隅では『お客さんの新規開拓にもなるし。』と思っているわけだ。

純粋に人のために自分を捧げる事が出来る人って数少ないと思うし、少々雑念が入りつつも世の中の役に立つんなら、ソレはソレでいいじゃないかと思うんだがどうだろう？
凡人ばっかのサロンだが、世のため人のため自分のために日曜日は頑張るぞ、と。


こういったチャリティや募金に関しては以前にも日記に書いたりしたけど、昨日はまた新たな団体から電話があった。
この『非通知』でかかってくる電話はホント厄介である。
今回は『K-9』の団体から。
K-9って言うのは警察犬の事である。
警察・消防関係の寄付ではいい思いをした事が無い。
ああああ～～出ちゃったよ～～と思いつつ、『あのー、電話での寄付はお断りしてるんだけど。』と言うと、『では郵送したいと思うんだけど、昨今の郵便料金の値上げと経済危機のあおりで経費削減のために、寄付をしてくれる意思のある人にだけ郵送することになっている。』と言うので、経費削減は分かるんだけど何だかゴリ押し入ってな～い？と思ったのだが、なかなか向こうは丁寧な人でこちらの気持ちを先読みして『って言うと、無理にやれって言ってる様でこういうのは善意の寄付だとは言わないかもね。』と言う。
おお？凄くいい人なのか？それとも凄くセールストークのうまい人なのか？

感じや言葉遣いが悪い人はとことん腹黒い奴だと悪いほうに取るのだが、稀少なナイスマナーの人はとことん良いほうに取ってしまう権造なので、最低の寄付金額でとりあえず請求書を送ってもらう事にした。ま、この『インボイス・請求書』って言葉を使う時点で寄付の定義から外れているような気がする。確かにまぁ切手代や寄付のパンフの紙代・印刷代を考えると電話の方がいいんだろうけど、電話だって電話代かかるんだし、と突っ込んでみたくなる。

この人、話好きなようで普通だったら寄付の話がまとまればさっさと向こうから切られるのが殆どなんだが、インボイスを送ると話がまとまってからも、おそらくパンフに載ってる事を、アレコレ一生懸命喋っていた。
権造は権造で、過去のFHPのごり押しや消防署の脅迫まがいな寄付のお願いの話をした。
一度寄付するとほんっとしつこくって、、と話していてふと気になり、『ところでこのK-9の寄付も一度やっちゃうと毎回毎回ゴリ押しされるわけ？？』と聞いてみた。
かなりバカ正直な人らしく、コホっと咳き込んでしまい沈黙。思わず笑ってしまったら、一度寄付した人はまぁ想像通りなんだけど、やはり『寄付してくれそうリスト』にしっかり名前が載ってしまい、『多分、また来年に電話掛かってくると思うけどヨロシク。』だそうだ。

権造が『最初感じ悪くってゴメンね』とソーリーと言うと、『いやいやこっちこそ先に金額確認するような寄付でゴメンね』とソーリーソーリーと返って来る。
アメリカなのに受話器片手にお互いペコペコ見えない相手に頭を下げてるようで、やっぱ笑ってしまった。
１２ドルが最低の寄付金額らしいのだが。送られてくるパンフの内容のほかに、このおじさんのキャラをプラスアルファして寄付しようかと思う。
来年かけてくる人が感じ悪かったら即お断りすると思うけど。←この時点でやはり尊い慈善事業の志からは遠くかけ離れてしまっている。


まあ、そんな訳でまた今日も寄付関連の話なんですが。

乳ガンの話に戻すと、今日見た日本の朝のNHKのニュースでも乳ガン月間の話を取り上げていた。
日本では乳がんで亡くなる人が毎年１万人居るそうだ。
３０代から５０代までの死因のトップらしい。
欧米で乳がん検診を定期的に受けている人は、オランダ８８．１％、アメリカ７２．５％、イギリス７０．５％なのに対して日本はわずか２３．８％らしい。

面倒だけど、検査に行こうよ。
なんてったって自分の命の事だ。



その前に見た日本の昨夜のニュースでは、チンパンジーのニュースをやっていた。
見返り無いのに相手に頼まれるとその行動をしてしまう『利他行為』という研究だった。
仕切られた別の部屋にチンパンジーが２匹居て、１つの部屋の外にはジュースが置いてあって何か道具があればそれを使って自分の方に引き寄せてジュースを取る事が出来る。
が、無常にも隣の部屋のチンパンジーの所に先が鍵状になったステッキを落っことす研究者の皆さん。ジュースほしさに必死に小窓から手をだして、『ステッキちょーだい』と訴えると『ホイ』と自分はジュースが無いのにステッキを渡す素敵なチンパンジー。
これだけでもへぇ～～～っと思ったのだが、その後に出てきた以前にも番組で見たことがある天才チンパンジーのアイにはビックリした。
スクリーンに『茶』という文字が浮かぶとその次に出てきた紫と茶色のカードのうち茶色いほうにタッチする。そしてそして画面にバラバラに一桁の数字が出てくるとものすごい速さで小さい数字から次々にタッチ。
スッゲー。。。
ここ造より遥かにアタマがいい。。
霊長類ってヒトのすぐ下に位置してるのがよく分かる。
画像じゃ『茶』の文字ばっかりだったが、『紫』や『黒』や『黄緑』なんて難しい漢字も知ってるんだろうかと思う人も、『白』の代わりに『百』って出したら腕組んで考え込んだりしたらもっと凄いと思う人も、クリックよろしくお願いします！
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