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カテゴリ:アメリカ生活
ロスでの仕事を辞めてマイアミに移った頃の私はとりあえず大学に編入し日本食のレストランでバイトしてた。 コーラルゲーブルスという場所にあったそのレストランの前にはホテルがあって沢山のオフィスもそのホテルに入っていた。なのでレストランのランチタイムはいつも忙しくて店の入り口は待っている人で一杯だった。 ある日、そんな忙しいランチタイム中に一人の男性が待ってる人達をかき分けてズカズカとウェイトレスだった私の所へやって来た。 『I need a table right now.(すぐにテーブルを用意しろ)』 『I'm sorry, these people are waiting ahead of you. But some tables are ready for checks so you won't wait more than 5 minutes. (申し訳ありません、ここに並んでる人達はアナタ達より先に来て待っています。でもいくつかのテーブルがお勘定するようですから5分もかからずに空きますよ)』 『You are asking me to wait???? Do you know WHO I AM???? (オレに待てって言ってるのか?オレが誰か知ってるのか?)』 、、、、、、、、。(←私) この時点でカッチーーーーーーーーンと来た私。 どんなエライ人だろうがセレブだろうがキッチリ待ってもらおうと心に決めた。 ズカズカと人を押しのけて入って来て大声で暴言を吐くこの男性の周りのテーブルに座っているお客さん達はすでにシ〜〜ンとなっている。 『Sir, I'm sorry I don't know who you are and it really doesn't matter to me, so please wait 5 minutes and we'll get you a table after those people are seated. (お客様、申し訳ありませんが私はアナタがどなたなのか知りませんしぶっちゃけどうでもいいと思います。申し訳ありませんがあと5分待って頂いてあちらのお客様達を先にテーブルにご案内してからお客様を案内させて頂きます、)』 、、、、、、、、、!!!(←周りの人達) え、、、、私、なんだか間違えてる?? 一瞬、男性と私が立っている周りのテーブルの雰囲気がヒヤリとして、初めてカッカしてた私に周りを見る余裕が出来た。 え、、?この小生意気なオッサン誰よ?と常連さんの老夫婦に目で訴えようとしたところ、向こうからしてみれば私の方こそ小生意気と言わんばかりに顔を真っ赤っかにして怒ってるその男性が『ケッ!』と私をバカにした目をこちらに向けて信じられない言葉を吐いた。 『Ha!! You don't know me?! (ケッ!オレが誰か知らない??)』 頭をフリフリしてお手上げポーズをするその男性。 『THAT'S WHY, oriental people can only work at the restaurant. (そんな程度だから東洋人はレストランでしか働けないんだ。)』 そして、こんな店で誰がメシ食うか!的な雰囲気をMAXに漂わせながら怒り心頭のその男性はまたズカズカと人を押しのけて出ていってしまった。 、、、、、、、。(←私) で、残されたぽっかーーーーーんとしてる私。そしてとても気まずい雰囲気漂う周りのテーブルのお客さん達。 最後に吐かれた言葉を頭の中でリフレインしながら私は常連さんの老夫婦に聞いた。 『あの人、、、、誰、、、、?』 その言葉に更にゲッ!!となった老婦人はこう言った。 『I can't believe you don't know him and I can't believe what he said to you either. (あなたが彼を知らないというのにはビックリだけど、彼があなたに言った事にもビックリするわね。)』 『He is Jeb Bush, even you don't know him, you should know his dad George Bush, our former president. (彼はジェブ・ブッシュよ。彼の事は知らなかったとしても元大統領のジョージ・ブッシュ、彼のお父さんは知ってるでしょう。)』 、、、、、、、。へーーーーーーーー。。。。。(←私) ハッキリ言ってあの小生意気なオッサンが元大統領の息子だろうが誰だろうが、その時の私にとってはどうでも良かった。イヤ、どうでもいいと言うよりは絶対に良くないと思った。 元大統領の息子が公衆の面前で人種差別的な発言していいのか???こんな息子に育てた大統領って親として人間としてどうよ?? たまたまご機嫌斜めな日だったとしても、レストランに来る直前にイヤな事があったとしても、私が知らないって言った事で自尊心を傷つけられたとしても。たとえどんな理由にしてもあんな言葉は吐くべきじゃなかったと思う。 だってその後の私はずっとブッシュファミリーが大嫌いになったんだから。 その後は、ジェブがテレビに出ててマイアミのラテン人街であるカエ・オチョでニコニコ笑顔でラテンの人達と握手してるのを見ては『あ〜〜〜〜〜、頭ん中ではこいつらみんな消えてしまえ!なんて思ってるのかな〜。』と想像してみたり、パパに続いてブラザー・ブッシュが大統領になりまた戦争を始めても『あ〜〜〜〜、パパもそうだったけど、ま、あのジェブの家族なんだからガッテム・中近東って感じでどんどん爆撃しろ!なんて執務室でやってるのかな〜。』と思ったり。 更に私がその後美容師になり美容師免許を更新した時に送られて来た免許を見たら一番下に『州知事 ジェブ・ブッシュ』なんて名前が入ってるのをみて次回更新までの2年間、免許を見る度に憂鬱になったり。 人間って一度嫌いになった人間に対する感情を変えるのって難しいとつくづく思ったと同時に、政治家という職業の人達はたとえプライベートだろうが仕事中だろうが一旦自分の身をパプリックに置く限りは絶対に暴言、失言の類いはやってはいけない、と思った。 言葉ってのは一度吐くと消えないんです。 だから政治家が公の場で一般の人達に言う言葉はその人の政策・思想を表すものであり、政治家がメディアを通して公とする言葉というのもやはりその人や政党の政策・思想を表すものでもあると思う。 日本の政治家だってそう。うっかり口を滑らしただの発言を撤回するだの誤解を生んだ事を遺憾に思うだのと言っても、一度体内から外に出してしまった言葉は絶対に消える事は無い。 『コミュニケーションにおける言葉というものは、脳から直接口へと運ぶのではなく、脳からハートへと一旦送ってから口へと運ぶものだ。』と、私がロスで大学生をしていた頃に取ったスピーチの授業の教授が言っていたのを時々思い出す。 今の安倍さんだってそう。 一度言った言葉というのは消えないんですよ。政治家というのは国民の代表なんじゃなかったっけ。(私はそう理解している。だから先生とか言う呼び方も大嫌いだ。) ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと放置してたブログを久々にアップしてみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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