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2014年02月04日
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カテゴリ:アメリカ生活
なにやら今朝ツイッターで下村文科相が『お台場にカジノを構え年二千万人集客を』というような内容のコメントを発表したらしきツイートを見かけた。
私は東京在住どころか日本在住でも無いので、お台場というのが具体的に東京の中でどういう地理的位置にあるのか分からないんだけど、わざわざ東京にカジノを持ってこなければならない程、東京はもうダメになってしまったんだろうかと不安になる。

ちょうど去年の年末にラスベガスに行ってきた。
前回行ったのは15年くらい前だと思うけど、街の様相が随分変わっているのに驚いた。そもそも大学生の頃はロスに住んでいたしラスベガスで働く友人が居たので週末暇になると『朝ご飯でも食べにいくか』という軽い気持ちで夜中に車を飛ばして遊びにいったりしたのだけれど、あの頃のラスベガスと言えば『ギャンブルの街』一色でまず子供連れなど目にしなかった。一番最後にいった時もまずカジノの近くで子供を見た記憶が殆どない。
ところが今回、久しぶりに行ってまず子供連れの多さにビックリした。そして何よりも私がショックを受けたと言って良い程ビックリしたのは子連れでカジノを横切る事が出来るようになっていた事だ。別にどうって事無いでしょ、と思う人も多いと思うけど、かつてのべガスは子連れはホテルの中でもカジノの入り口に近づくと入り口に立っている警備員にいちいち止められてカジノの向こう側に行きたくても迂回していかなければならなかった。そんなべガスの時代の方を良く知っている私はチビ達を隣のホテルに連れて行こうとした時に、警備員に『隣のホテルに行く通路ってどこ?』と聞いたら『ああ、カジノを突っ切って行った方が近いからどうぞ。』と言われ驚いた。『え。私子供連れてるんですけど。』とチビを指差すと怪訝な表情をされたので『前はカジノって子供が入るのは禁止じゃなかった?』と聞くと、いつの話をしてるんだと笑われた。そのかわり、立ち止まったりスロットマシーンの椅子に座ったりしてはダメだそうだ。つまり、ホントに歩いてスルーして行くのはいいですよ、という所までべガスのカジノもファミリーフレンドリーになったようだ。
そんな訳で隣のホテルにある水族館にチビを連れて行く為にカジノを横切ってみた。チビ達は8歳と11歳なんだけど、初めて見るカジノの『大人の雰囲気』に大興奮でスロットマシーンが覗きたくってしょうがないようだ。まっすぐ真ん中の通路を歩けというのにあっちにフラフラこっちにフラフラと立ち止まろうとするのでその度に近くにいる警備員がチラっと私に視線を投げ掛けてくる。スロットマシーンがやってみたい、出来ないならママがやってるのを見てみたい、スロットマシーンに座って写真が撮りたいと言うチビ達に『これは大人が賭け事をする場所で成人しないと参加出来ないから未成年は通り過ぎるだけしか許されていない。』という事を説明し、毎回毎回カジノを通る時は『ひたすらまっすぐ歩けー』と号令かけつつ通り過ぎた。

ラスベガスに今回到着してすぐ驚いたのは飛行場から見えているストリップに大観覧車がドカーンと出来ていた事だ。
あ〜、べガスもファミリー中心のエンターテイメント都市に変貌するのかな〜と思った。タクシーの運転手でかつてホテルで働いていた人に話を聞くと、更地にしてあった結構な広さの土地にはホテルではなくアミューズメントパークが出来るらしい。彼は20年程前に名前は失念してしまったけど当時人気のあったホテルで働いていたそうで当時の話を色々してくれた。バスケのチームが旅行に来て『部屋の中にあるバスケットコート』で試合したり、どこかの大富豪がやってきて『部屋の中にあるボーリング場』で愛人勢揃いでボーリングしたりと毎日浮世離れした日々を過ごす人達を見てきたそうだ。今こうやって私達のような家族連れが来れる街になったけど、これはカジュアル化してると思うかと聞いてみると、訪れる人数は増えていてもギャンブルでべガスに落ちるお金というのは減っているのではないかと言っていた。それがゆえに家族連れや若い大学生を呼び込んでギャンブル以外の食事・ショッピング・クラブ巡り・べガス近辺のツアーなどで稼がないとギャンブルだけで生き延びて行ける街ではもうないのではないかと言っていた。

ラスベガスは最初からギャンブルの街として作られた訳ではなく、モルモン教徒に発見されゴールドラッシュの中継点となりフーバーダム建設により戦争中は軍事施設や各実験施設が出来、初めて今のようなホテルが建ちだすのは戦争が終わってからだ。当初関わったマフィアがビジネス広げるにはラスベガスのような人里離れた砂漠のど真ん中という地理的条件は好都合だったのかもしれない。

べガスに飛行機なり車なりで行った事がある人は地理的にべガスがどのような場所にあるかご存知だと思う。
街からちょっと出てみるともうこんな景色ですよ。
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周りにはとにかく何もない。人も住んでなければ建物も無い、とにかく広大な砂漠があるだけだ。
同じように現在はべガスを抜いて世界一のギャンブル都市となっているマカオも島で他の場所から完全に隔離されている。
カジノというものはアトランティックシティのような例外を除いては、このように僻地にあるものが多い。
私はそれでいいと思う。ギャンブルしたかったら出来る場所に行けばいいだけで、どんどん増やす事はないと思う。

さて東京に出来るカジノというものはどんなものなんだろう。
元々狭い土地に商業施設や住宅地がひしめき合っている所にカジノをもってこようとしている訳で、アジアにはすでにマカオというラスベガスを超えるようなギャンブル都市があるのに、一体どのくらいの規模のものをどういう制限を持って作るというのだろうか。そもそも東京ってギャンブル場がなくても十分魅力的な訪問地だと思いますが。行った人達に聞いてみるととにかく高層ビルや下町やお洒落なショッピング街や皇居やお寺がごちゃごちゃになってて不思議な感覚がいいと言う。そして何より綺麗で安全だと。
ちなみに私のお客さん達に『東京にカジノが出来たら行ってみたいと思うか』聞いてみたら、反応ってマチマチだった。中国人の富裕層の人達はやはりマカオを超える豪華さがないと魅力が無いと言う人もいたし、そもそも東京にカジノのイメージって持ちづらいそうだ。パチンコは知ってる人や日本に行った時に行った事があるという人も結構居たのだけれども。留学で来ているアジアからの学生達は日本に親と旅行に行く時に自分が買い物している間、両親をカジノにおいておけたら便利、という程度の感覚だった。

きっと東京の片隅にしょぼいカジノを作ったとしても、利権が一部の人にたっぷり入るだけで、観光客もパラパラ行くんだろうけどそれ以上に主に東京に住む人や他の都市から東京に遊びに行く日本国内の人達が一番お金を落とす事になりそうな気がする。
百歩譲ってもしどうしてもカジノを作らないと観光客も増えなければ財政的にも危ない、なんて事になってるのであれば、それこそ復興を目指す被災地にでも持って行ったらどうなのか。土地は十分にあるしインフラ整備もあっという間に整いそうだし雇用も産まれて人の流れも産まれて万々歳じゃないか。

ちなみにべガスのストリップをブラブラしていてチビ達が驚いてたのはホームレスの多さだった。ストリップの各交差点は交通量が多いので全て歩道橋が架かっていて歩行者はみんな道路の上を渡るのだけれど、この歩道橋はどこもかしこも橋の両側にホームレスがずらっと並んでおり、ホームレス達の真ん中を歩いて行くかんじだった。救急車に運ばれて行く動けなくなったホームレスも見た。全米各地にホームレスは沢山居るけど、普段自分が歩く道沿いにずらっと並んでいるという場所はそれほど無いのではと思う。

カジノといってもただギャンブルだけじゃない。アルコールだってつきものだしお金の集まる所には必ずドラッグもついてくるだろう。
政治家の、それも文部科学大臣が『是非東京にカジノを』なんてどういう根拠で言うんだろう。
日本は他の国と違って、ただちょろっとギャンブルに訪れてお金を落として帰ってくれる人だけが集まって間違ってもドラッグやマフィアが入り込んでくる訳は無いと思っているんだろうか。それともお金が入ってくればその周辺に住んでいる人達はどうでもいいんだろうか。文部科学省って青少年の健やかな育成を云々という所かと思っていたけど、そうでもないようですね。

ちなみにマイアミもカジノが出来るという話が何年も前に持ち上がった。
こんな凄いものがマイアミビーチ沖に出来るという話だ。
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確か、シンガポールかマレーシアの華僑系のデベロッパーがやるような話だったけど、マイアミビーチやリンカンロードやベイサイドといった海沿いでビジネスを持つ人達は一斉に反対の声を挙げていた。だってあんなものが出来れば今までの観光エリアは素通りしてみんなそちらへいってしまうだろうし多大なダメージを受けるだろう。反対の署名活動があって、私も何年も前にした記憶があるんだけど、あの話はそれ以降どうなったんだろう。トンネル工事が去年終っていたから着々と進んでいるんだろうか。

マイアミ在住であるといってもウチは西の端に近く、ビーチまで行くには車で1時間程かかる。遠いといってもやはりビーチにカジノなんて要らないな。ビーチから公海まで出てるギャンブル船だってあるし、逆に西へ車を飛ばすとインディアン居住区にカジノがある。このインディアン居住区のカジノはネイティブアメリカンのインディアン達の貴重な収入減となっているんだけど、こっちも影響を受けるだろう。



アメリカのマリファナの合法化に関しても同じ事が言えると思うんだけど、すでに合法化してる州があるんだからそれをわざわざ全米に広げて行く事はないと思う。マリファナ吸いたい人達がその州に引っ越せばいいじゃないかと思う。そもそも大統領自身が『娘には勧められない』とハッキリ言っているものをあちこちで合法化していいんだろうか。

文科相の下村さんにお子さんがいるのかどうかは知らないけれど、もし自分に小さい子供が居てその通学路の近くにカジノが出来るとしたらやっぱり良い気はしないのではないか。

日本はパチンコと競馬と競輪とボートで十分だと思うんですけど。





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最終更新日  2014年02月04日 14時22分34秒
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