オトナになった女子たちへ 益田ミリ「長いエレベーター」
なにやら東京ではエレベーターの右側は歩行者用に空けておくのが暗黙のルールらしい。益田ミリは歩くのは危険だし抵抗のつもりもあってゆっくり歩いた。すると、後頭部にコツコツ当たるものを感じ振り向いてみると若い女の子が持つカバンだった。コツコツはその後も続き、さらには靴の先で小突かれた。明らか「早よ、降りろ」という意志表示だ。長いエレベーターが地上に降りると若い女の子は小走りで渋谷の交差点へと消えた。きっと急いでたのだろう。しかし、カバンや、ましてや、靴の先で人様の頭を小突くのは極めて無礼な行為だ。「ナメられた」と感じた益田ミリは強く見えるメイクを研究した。いや。益田さん、努力の方向が違うでしょう。若者であろうとなんであろうと無礼な人間はどこにでもいる。たまたま、右側に乗ってしまった以上とっとと歩きましょうよ。