運命を変えるとは？「ブレイブストーリー」

2006.09.10

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テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24153)

カテゴリ：本、CD、DVD

ブレイブ・ストーリー（上）　

　

映画で話題になった宮部みゆきさんの「ブレイブ・ストーリー」を
全３巻の文庫版で読みました

上巻は現実社会での主人公、小学５年生の亘にふりかかる
思いもかけない両親の離婚に至るまでを丁寧に描かれていて、
なかなか冒険。。には程遠い展開。

でもここを通らないと、「なぜ冒険の旅に出るのか」がわからないので
辛抱して読んでください(笑)

上巻の内容もなかなか面白かったんだけれども

そんな現実社会の過酷な運命を変えたくて、
「幻界(ビジョン)」の世界へと旅たつようになります

この「幻界(ビジョン)」　ネバーエンディングストーリーの「ファンタージェン」のように
そこを訪れる人間のイメージで作られている世界。

ただ「幻界(ビジョン)」のほうがより現実に近く
過酷で意地悪でつらい思いをするという違いはあるけれど。

展開はゲームの世界観に似てるけど、経験する想い。。。喜びや悲しみ
怒りや恨み。。。といったものはかなりヘビーだと思うから。

これを現実に経験すれば、随分とたくましくもなるよね～と思わされるくらい

そして、最終章で、運命を変えるために亘(ワタル)が選択する方法は？？？？

それは、読んでからのお楽しみ。。。(笑)

いろんな都市や地域、神の世界などいろいろな人種、人外の種族が登場するけれど
それらを織り成す社会情勢は、いまの社会情勢とほぼ同じで、
考えさせられることばかり

人種差別の問題、貧富の差、情報操作の恐ろしさ、地域格差。。。。
それでもみんななんとか良くなりたいと思うところはおなじで。

ただ、それがみんなで良くなっていこうとするのか、
自分だけが良くなっていこうとするのか。。。の違いはありそうだけれど

いたるところに示唆に富んだ内容がちりばめられているので、
いろんな立場の人がいろんな捉え方ができるようにおもう。

★ただ、一点、ネタばれしない程度でいえば。。。

自分自身にとっても本当に運命を変えるということはどういうことかを考える
いいチャンスかもしれないということ
本当に変えなくてはいけないのは周りを取り巻く事象ではないということ
運命を変えるために、変えなくてはいけないものは。。。なにか。

★そして、もうひとつ。。。

表題の「ブレイブストーリー」とは
未知なる物に踏み出す勇気とともに。。。

悲しみを乗り越える勇気　　醜い自分の心を認める勇気
罪を許す勇気　　手を取り合う勇気　　自分を乗り越える勇気

そんないろんな勇気の形を教えてくれるストーリー

ということじゃないかということ

そして、過酷な運命にもかかわらず、最後はやっぱりすがすがしい気持ちに
させられるのは、宮部作品の共通した素敵なところだと思うんだけれど

あなたはどう感じるでしょうか？

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Last updated 2006.09.10 10:29:53
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