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「これは春なのか?」と、疑いながら楽しむのがイギリスの3月・4月の季節である。というのも、夏のような暖かな日差しがやって来たその翌日に、ヒョウや雪が再び舞い降りているといったことも珍しくないからだ。本格的な春の到来は、5月以降である。それでも、長く続く冬の気候が一歩一歩去っていっていることは、一日一日と長くなる陽の時間から感じ取ることができる。
語学学校を含めると8月から8ケ月通った大学の授業は3月末に全て終了し、一枚のレポート提出と5月に行われる三枚のテストを残すのみとのみとなった。つまり、実質的には10月に日本の大学で冬学期が始まるまでの半年の間、私はおそらく人生で最長となる夏休みを手に入れたことになる。高校生までの私なら、持てあますだけの時間を素直に喜んでいただろうが、今の私には何の感慨もなかった。それはちょうど大学一年の夏、八王子から苦労して辿り着いた京都タワーを前にして、芒洋として立ちすくんだ我々4人の長距離走者の心情に似ていた。そこから先に何もないこと、逆に言えばそこから先に果てのない旅路が拡がっていることが、ただただ恐かったのである。 それでも私は、この一年間の旅の続きをもう少しだけ探してみようと思った。4月17日から10日間、イスラエル・パレスチナへ。6月中旬に帰国後、7月初めにインドネシア・(東)西ティモールへ。そして今年度末には、パキスタン・インドを訪ねてみることにした。一つの旅の終わりに見える景色とは、一体何だろうか? Where should we go after the last frontiers? Where should the birds fly after the last sky? Mahmoud Darwish お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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