興部町・堤田さんのカチョカバロ
北海道の東、知床半島からさらに車で3時間ほど北上したオホーツク海沿岸に面した場所に、興部町(おこっぺちょう)という町があります。あまり知られていない町ですが道内でも有数の酪農地帯で、人口5,000人に満たない町に牛は倍以上の12,000頭、チーズ工房が4軒(一市町村では1番多い)もあります。その興部町の中でも頑なに美味しいチーズを追求するのが“アドナイチーズ工房”の堤田さん。初めて堤田さんにお会いをした時、チーズ作りの事を色々と質問していたら「美味しそうに作れば、美味しくなるんだよ!」と面倒臭そうに答えていたのが印象的です(笑)。色々なタイプを作っていますが、1番目を引くのは約1キロもある「カチョカバロ」。数年前、他メーカーのカチョカバロがテレビで紹介され、大ヒット(チーズ業界では)し、各社こぞって作り始めました。でもそれらはみんな200g位の買いやすいサイズ。製造をしている息子さんに「小さい方が売れるのでは?」と聞くと「これはこれでいいんだよ」とオヤジさんに負けず劣らず頑固者でした(笑)。色々なメーカーが作っていて、皆「食べやすいチーズ」を売りにしていますが、本来イタリア原産のこのチーズは、長期熟成をさせたしっかりとしたコクのあるチーズです。堤田さんの「カチョカバロ」も長い時間熟成をさせているので、最低このくらいのサイズが無いと出来ません。時流に流されない、堤田さんならではのこだわりです。「カチョカバロ」の名前の由来は色々諸説がありますが、2つを紐で縛りぶら下げる姿が、馬の鞍にまたがる姿に似ているため「馬(カチョ)にまたがるチーズ(カバロ)」と言われています(ちなみに南イタリアの方言)。「カチョカバロ」の1番美味しい食べ方は、1cm位厚めに切って、フライパンで表面をサッと焼いた「チーズステーキ」。大きく、しっかり熟成させたチーズだからこそ楽しめる味わいです!アドナイチーズ工房では他にも、カチョカバロの小型版「スカモルツァ」やティラミスには欠かせない「マスカルポーネ」など色々な種類を作っています。どれもこれも「美味しそう」に見えますから、間違いなく美味しいですよ(笑)。※紹介しました商品が価格変更や売り切れとなっている可能性もございますのでご了承ください。