カテゴリ:面白履歴書・小説風
この先生は謎だらけだった。
ある時、研究室のキッチンシンクでのこと。 いわゆる「流し」だ。 ここで昼間座禅のようなかっこうで”体を洗っていた” 僕は廊下を通ったのだが目が合った、 池田先生は背中をタオルでゆっくりと拭いていたが、 僕と目が合ってゆっくりとお辞儀をした。 普通裸でシンクに乗ることはありえない、 目が合っても全く動じることが無かった。 僕も「こんにちは」とお辞儀をした。 またある時、小田急線で本厚木から一緒に帰る時、 先生は 電車の”床”に座り、座禅のようなポーズで目を閉じた。 床に座る大人は見たことが無い。 先生は ”裸足で校庭をランニング”していた。 普通はクツを履くわけだが・・ 謎だらけの行動の上、 ぼろい服を着ているので貧乏なのかと思っていた。 ある時のこと、 卒論の相談に「たまプラーザ」で会うことになった。 言われたビルを訪ねると、 そこは4階建ての立派なビルだった。 一階は塾のようだった。 僕は池田先生はいますか?と言うと、 出てこられた女性はとても上品は方で、 「お伺いしておりますよ、どうぞお上がりください」 と応接室に通された。 とても豪華な椅子だ。 貧乏学生だった僕に丁寧な挨拶とこれほど丁重な扱い。 いったい先生は何者? 聞くとこのビルのオーナーだという。 益々謎は深まった。 《続く》 ← U^ェ^U ぽちっと ←良い内容でしたか?YESなら☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/07 12:06:38 AM
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