カテゴリ:面白履歴書・小説風
二人乗りの車がわかった!
アメ車のスポーツカー「コルベット・スティングレー」だ! かっこいい! 「先生こんなすごい車を買ったのか」 新宿にマンションを持ち、 たまプラーザにビルを構える。 新車はスーパースポーツのスティングレー! 900万円だという。 FRPの特別仕様車で日本に2台しかない車だった。 当時、今から28年前といえば、アメ車は高嶺の花だった。 近くの有名な不動産会社の豪邸にムスタングとカマロがあり、 それはそれは別格に見えたものだ。 まだフェラーリなどは財閥御曹司が乗るような時代だ。 どうひっくり返っても出来ないことをするスーパーマンのようだった。 池田先生かっこいいじゃん。 ヒーローは益々大きい存在になっていった。 卒業も決まった。 先生は六本木で打ち上げをやろうと提案してきた。 そしてその日はやってきた。 先生はコルベットでやってきた。 まばゆいばかりのカッコ良さだ。 車を駐車場へまわす。 その車の後姿にはオーラがあった。 最初のお店は先生に連れられていった。 外国人ばかりの店だった。 池田先生は英語でぺらぺらしゃべっている。 凄い! 金髪の外人と臆することなくしゃべっている。 5人の生徒に対し、 先生は財布を渡す。 「この金、今夜全部使ってみろ」 僕は中を見て唖然とした。 万札がびっしり! 「30万入っているよ」 「先生かっけー」一同びっくり! 夢のような夜は始まった。 どこ行く? 朝まで飲み歩こうぜ。 ・・・・ 何軒飲み歩いただろうか? さんざん使ったと思ったが、財布には20万以上残っていた。 大学生5人が散々豪勢に使っても、 10万円も使えないのかとも思った(笑) 僕の中に「成功者」のイメージが出来上がったのはこの時だ。 「圧倒的な人」 「どう転んでも真似の出来ない人」 自分の中で何かがはじけた。 研究生5人の中で一人だけなぜか平常心に見えた。 藤本君だ。 彼には何かの確信か自信を感じた、 「僕もそう遠くないうちにそこまで行けるよ」 そう言いたそうだった。 彼は幾徳高専から上がってきた秀才だった。 頭の中が僕ら凡人とは何かが違う! 卒業後はニューヨークに渡り、戻ったら会社を立ち上げるのだという。 この2年後に彼からとんでもない連絡が入ることなど夢にも思わなかった。 《続く》 ← U^ェ^U ぽちっと ←良い内容でしたか?YESなら☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/07 12:04:11 AM
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